商売で「成功する事」と「成功し続ける事」の違い 〜「いのちの言葉」〜

「ライフデザイン」科

偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」

このコーナーについては「こちら」からどうぞ。

 

【新コーナー】偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」 〜「情熱が持てない」というあなたへ 〜
「人の身体は、食べたものでできている」 とよく言われます。 間違いとは言いません。 でも僕は、これには100%同意できない。 「人はパンのみにて生くる者にあらず。 神の口から出る一つ一つの言...

 

さて、今回あなたにお伝えしたい「いのちの言葉」はこちらです。

 

勝つには才能が必要だ。

勝ち続けるには、品性が求められる。

(ジョン・ウッデン)

 

 

「伝説のコーチ」が最も重視した事

バスケットボール好きなら恐らく誰もが知っているであろう、アメリカの大学バスケット界における伝説の名コーチ。

1967年〜1973年の間に10回の優勝、ホームコートでの98連勝という凄まじい記録を作りました。

そんな彼がバスケットボール選手の育成のみならず、人間としての教育を重視していたのは有名な話です。

 

ボールや靴や道具を大切にする事。

チームメイトやコーチを大切にする事。

対戦相手に敬意を払い、自分自身を大切にする事。

 

バスケットボールをする時だけではなく、生きている全ての時間を大切に使う。

彼はそれを「品性」と呼び、非常に重視していました。

 

その結果彼は、大学バスケットボールにて伝説を打ち立て、さらにカリーム・アブドゥル・ジャバーやビル・ウォルトンといった、名手と呼ばれる数多くの有名選手を育て上げました。

 

ここで出ている

 

「一時的な勝利」

 

 

「勝利し続ける事」

 

 

は、彼の言う通り、全く別のものです。

 

そしてそれはスポーツの世界だけに限った話ではありません。

あらゆる世界でも共通の事ではないでしょうか。

 

例えば「芸能界」

歌手やお笑い芸人の方で、一度はブレイクしたとしても、その後も継続して高い人気を博している人はそれほど多くはありません。

「一発屋」というカテゴリがあるくらいですから。

 

そして「商売」においても同じ事が言えます。

何かの商品やサービスで売上を上げられたとしても、それを継続できるかどうかはまた別の話です。

 

個人的に芸能の世界に関しては僕は全く分かりませんが、商売に関しては多少は分かります。

商売の成功において「品性」というものが大きな力を及ぼす、という事に。

 

 

商売における「品性」

「品性」という言葉を辞書で調べると

 

・人柄

・道徳的価値としての性格

 

という意味があるそうです。

 

これを商売というものに当てはめてみるとしたら、

 

商売に対してどのような人格で臨むのか。

 

それを考える事が重要だ、というものが僕の意見です。

 

…と言うと少なからずの人が

 

「いや、そんな事考えて何の意味があるの?」

「そんな事考えて売上に繋がるの?」

 

という事をおっしゃいます。

 

実際に、ある著名なマーケティングコンサルタントの方には

「ただの理想論だ。品性など、売上とは無関係のものだ」

と言われました。

 

つまり

「商売において、品性などどうでもいい」という訳です。

「売上さえ上がれば、品性など関係ない」という訳です。

「結果さえ得られれば、プロセスなどどうでもいい」という訳です。

 

あなたはどう思いますか?

やっぱり不要?

でも、少し考えてみてほしいのです。

 

昨今起こっている様々な不祥事の数々。

 

・商品を偽装するとある製造業

・情報を捏造するとあるマスコミ

・子供を教育するどころか退化させているかのようなとある学校(と保護者)

・セクハラやパワハラでしかコミュニケーションが取れないとある業界

・偽装や暴言ばかりのとある省庁や政治屋

 

幅広い世界で蔓延している体たらく。

しかし、その体たらくの関係者たちは、能力や経験は豊富な方ばかり。

そうなると、根底にあるのは「能力」ではなく「品性」の不足によるものではないかと個人的には思うのです。

 

ちなみに、先ほど例に出した、僕に

 

「ただの理想論だ。品性など、売上とは無関係のものだ」

 

という意見をした、ある著名なマーケティングコンサルタントの方は、その後とあるトラブルを起こし、今では

 

「ビジネスで成功したければ土台が第一です!」

 

と声も高らかにおっしゃっています。

 

「品性」というものの重要性を彼も理解したのだと思いますが、いかがでしょうか(笑)

 

 

「商売」と「品性」

あくまでも僕の個人的な見地になりますが、ここで定義させてもらいます。

 

商売とは何でしょうか?

商売とは「モノを売る行為」ではありません。

商売とは「モノを売る事で、人の問題を解決したり、人を喜ばせる行為」です。

 

商品とは何でしょうか?

商品とは「売上を上げるためのモノ」ではありません。

商品とは「人の問題を解決したり、人を喜ばせるためのモノ」です。

 

人の問題を解決したり、人を喜ばせる。

そういう事を考える力。

それが商売における「品性」というものだと僕は考えます。

 

これを「ただの綺麗事」と言う人はもう、マネーゲームや詐欺師のセンスはあるのかもしれないけど、商売というもののセンスが絶望的に欠けていると思うのです。

 

そもそも人の問題を解決したり、人を喜ばせるからこそ、商品は売れるし、商売も続く。

ただの綺麗事どころか、商売発展の「法則」と呼んでもいいレベルのものを理解できないのですから、絶望以外の何ものでもありませんよね。

 

「才能や能力」はとても大切なものです。

どのような世界であっても「成功する」ためには重要な要素でしょう。

 

しかし、多くの不祥事やそれを起こした組織や人を見てみると「成功し続ける」ためには、それだけでは足りない。

いくら「才能や能力」があっても「品性」がゼロであれば、掛け算と同じで全てがゼロになってしまいます。

 

そしてそれはスポーツや芸能、ビジネスの世界でも、同じ事です。

才能や能力によって、華々しく注目されるが、すぐに消えてしまう。

そういう選手、そういう経営者は少なくありません。

 

あなたが商売に対して、お客様に対して、どんな「品性」を持って接するのか。

それであなたが与えるものが、そして得られるものが変わってきます。

 

さあ、あなたは何を与え、何を得るのでしょうか?

 

 

阿部 龍太

 

 

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