偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」
このコーナーについては「こちら」からどうぞ。
さて、今回あなたにお伝えしたい「いのちの言葉」はこちらです。
「諸行無常」
(仏陀)
サッカー界の至宝の悲報
先日、現代サッカー界の「至宝」の衝撃のニュースが世界を駆け巡りました。
ア
ン
ド
レ
ス
・
イ
ニ
エ
ス
タ
退
団
アンドレス・イニエスタ、退団。
FCバルセロナ(スペイン)所属。
「ドン・アンドレス」こと、アンドレス・イニエスタ・ルハン。
12歳でバルセロナの下部組織に入団し、18歳でトップチームデビュー。
そこから16年、ずっとバルセロナ一筋。
・リーガ・エスパニョーラ(スペインリーグ)で9度の優勝。
・コパ・デル・レイ(スペインサッカーのカップ戦。イメージ的には日本で言う天皇杯)で6度の優勝
・チャンピオンズ・リーグ(ヨーロッパ最強のクラブチームを決める大会)で4度の優勝。
・クラブワールドカップ(世界最強のクラブチームを決める大会)で3度の優勝。
スペイン代表でも中心選手として活躍。
・欧州選手権(ヨーロッパ最強の代表チームを決める大会)で2度の優勝(2008・2012)
・ワールドカップ(説明の必要なしですよね)でスペイン史上初の優勝(2010)
(ちなみにワールドカップ決勝戦では優勝を決めるゴールを決めています)
イニエスタ。彼は現代サッカーにおける最高の選手のひとりと称されるMFですが、彼が最高の選手として尊敬を集めるのは、単なるサッカーの上手さだけではなく、その人柄も含まれたものです。
子供の頃所属していたチーム(アルバセテ)の負債を肩代わりして降格の危機を救ったり、サッカー以外ではライバルチームの選手と試合中も試合後も争ったりしません。
2010年のワールドカップの決勝戦、決勝ゴールを決めた後にユニフォームを脱いで、アンダーウェアに書かれた亡き友人へのメッセージを見せたゴールパフォーマンスには世界中が涙しました。
フィールドの内外で模範であり続けるその姿勢には、以前の監督(ルイス・エンリケ)が彼について
「イニエスタは世界遺産だ」
という言葉で敬意を表する程です。
そんな彼だからこそ、アウェーの試合で、敵チームのサポーターからもスタンディング・オベーションを受ける事が少なくない(ライバルとして名高いエスパニョールやあのレアル・マドリードのホームでも受けた事があります)訳です。
そんな人間性も含めて、彼は現代サッカー界の宝なのです。
酒を呑んで後輩や一般人相手に暴れたり、セクハラやパワハラをしたり、ネットで暴言を吐いたりなんて一切しないのです。
おまけ情報ですが、地元でワイン園とレストランを運営しており、日本でも彼のワインを味わう事ができます(お手頃価格で結構美味しいですよ)
そんな彼が、ついに退団を発表した(引退ではないそうです)
悲しい。
ここ10年でベスト(ワースト?)5に入るくらい悲しい。
カカがミランを退団してレアルに移籍した時と同じくらいの衝撃です。
でも、どんな素晴らしい時も、いつか終わりが来る。
宝物の煌めきは永遠ではないのです。
それを2500年前のインドの宝が教えてくれています。
古代インドの宝からのメッセージ
古代インドの宝のひとりである仏陀は
「諸行無常」
という言葉で
あらゆる存在や現象は一定ではなく、変化し続けている。
人はいつまでも若く、美しく、健康である訳ではない。
生命はいつかは老いて、そして死ぬ。
だから変化する事を理解し、喜びも哀しみも積極的に引き受けて生きていこう。
という事を伝えています。
鴨長明の「方丈記」で
ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。
(阿部的・現代語訳)
目の前を流れ行く川の流れは絶える事なく、それでいて目の前にあるのは同じ水ではない。
淀みに浮かぶ泡は消えたりまた浮かんだりと、同じ状態を保つ事はない。
世の中で生きている人やその住居もまた、同じようなものなのだ。
と書かれているように、まさに流れる水の如く、万物は変化していくものなのです。
僕やあなたがすべき事
ドン・アンドレスの退団。
バルセロニスタの僕としてはとても悲しい事です。
でも、万物は変化し続ける。
彼の肉体も、気持ちも、変わり続ける。
であれば、彼の気持ちを受け容れ、次のステップを応援する事こそ、彼への愛だと僕は思うのです。
彼やバルセロナだけではありません。
今がどんな状態であれ、必ず変わります。
どんな企業でも、人でも、国ですら、必ず変わります。
世界の歴史を見れば、イギリスやスペイン、アメリカ、そして中国と、国の状況や世界そのものが変わっているのが事実です。
(日本が未だに国連憲章上で敵国なのは変わってないですが…)
また、今や誰もが知る企業であるアップル、そして今や誰もが知る最強集団のオールブラックス(ラグビーニュージーランド代表)ですら、一時は崩壊の危機があったのです。
でも彼らはそこで諦めず、自分たちの弱さを受け容れ、その上でそれを克服して前に進む事を選択しました。
アップルは追放したはずのジョブズを呼び戻しましたし、オールブラックスは自分たちの存在理由から考え直した。
それが今の彼らの栄冠(アップルは更に変化の時なのかもしれませんが)に繋がっているのです。
ですからもし、今のあなたの状況が厳しいものだったとしても、同じ状況が続く事はありません。
もっと酷くなるか、それとも好転するか。
どちらにせよ、必ず変化します。
でも残念ながら、少なからずの企業や人が「もっと酷くなる」道を歩んでいる現状があるようです。
あの人も、あの企業も、そして、この国も。
でも誰も「酷くなりたい」なんて思っていない(はず)
本音を言えば、少しでも好転できた方がいいですよね?
であればそのために、今できる事をしてはどうでしょうか?
アップルやオールブラックスがしたように、今の弱さを認め、受け容れ、その上でそれを乗り越える。
以前、この記事にも書きましたが
トンネルと同じように、厳しい時も、いつかは抜けるのです。
抜けようと「前」に進んでいれば。
多くの人が抜けられないは「前」に進もうとして「横」や「後ろ」に進んでしまっているから。
だから「前」に進みましょう。
そのために必要な事は、多くの人や本が教えてくれています。
もちろん僕もね。
是非「前」に進んでください。
そのために必要な事をしてください。
一歩一歩は小さくても、進んで行けば必ず、光はあなたを照らしてくれますから。
応援しています。
最後に、ドン・アンドレス、あなたのサッカーは本当に美しく、スピーディーで、しなやかで、そして強かった。
夢のような時間をありがとう!
そしてできれば、次のチームは日本を選んでください(…やっぱり中国行きなのかな)
Gracias! Don Andres!!
阿部 龍太
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