「好きな事で、うまくいく」
少なからずの人が求めている事だと思います。
しかし、それを望んでいる全ての人が実現できているか、と言われれば、そうではないというのが現実だったりする訳です。
一体、何が違うんでしょうね?
と聞くと、多くの方は
「(各種)マーケティングスキル」
「行動力」
「熱意、本気度」
・・・
といった事を考えるようです。
確かにその通りでしょう。
マーケティングスキルも行動力も、熱意も本気度も無ければ、それこそ「好きな事」であろうがそうでなかろうが、上手くいく事は難しいでしょうから。
でも僕は、それらがあったのに上手くいかなかった人を何人も知っています。
熱意があり、マーケティングを学び、学んだ事を行動に移していた。
でも「商売としての成果」は出ていない。
好きな事、やりたい事を商売にしているのに、売れていない。
そういう人は、何人もいます。
これは完全に僕の独断と偏見で、身も蓋もない事になりますが、理由をひとことで言ってしまえば、そういう人は
・間違った熱意
・間違ったマーケティング
・間違った行動
をしてしまっているからこそ「成果」に結びつかない訳です。
逆に
・正しい熱意
・正しいマーケティング
・正しい行動
をしている人で、少なくとも僕の知る限りでは「成果」に結びついていない人はいません。
同じような情熱を持ち、
同じようなマーケティングを学び
同じような行動をしていても、
「成果」に結びつく人とそうでない人に分かれる訳です。
何が違うのでしょうか?
…というのが本日のお話です。
「成果」を分つもの
好きな事でうまくいく人が持っていて、そうでない人が持っていないもの。
ひとことで言うならば、それは
「基礎力」
です。
読んで字の如く、「基礎となる力」です。
この「基礎力」をもう少し具体的にするならば
「翻訳力」
というものになります。
そしてこの「翻訳力」は3つの要素で構成されています。
それは
1.自分を理解する力
2.他者を理解する力
3.自分の気持ちを相手に理解してもらう力
というものです。
ひとつひとつ観ていきましょう。
翻訳力その1:自分を理解する力
読んで字の如く。
自分がやろうとしている事をどれだけ理解しているのか、という話です。
と言うと
「そんなの必要?(苦笑)」
って思った人、少なくないと思います。
自分のやっている事なんだから、理解してない訳ないでしょう?という事ですよね?分かります分かります。
でもね、この部分が疎かになっている人、少なくないんですよ。
以前、とあるブランド(世界的に有名)Hで、とある非常に有名な製品のコンセプトを販売スタッフが説明できなかったり、とあるケーキ屋(日本ではそこそこ有名)Kで期間限定の特製アップルパイのリンゴの品種を販売スタッフの誰も知らなかったという驚愕の出来事がありました。
自分が販売しているものをよく分かっていない。
そんな状態でお客様が買ってくれると思っているのでしょうか(汗)
上記は「商品」に関する事で、これを知らないならもうお家に帰ってもらいたいのですが、それ以外にも色々知っておくべき事はあると思うのです。
例えば
・自分がしている事は何なのか?
・なぜ自分は、それをしたいのか?
・自分はそれをする事で、何を欲しているのか?
・何が得意で、何が苦手なのか?
・何がしたくて、何をしたくないのか?
ある種の「ビジョン」、そして「コンセプト」に繋がるもの。
最低でもこれくらいは明確にできている必要があるというのが僕の意見です。
さて、あなたはいかがでしょうか?
翻訳力その2:他者を理解する力
自分のやりたい事をやろうとして上手くいかない人。
その根本にあるものがこの要素です。
あなたが心から素晴らしいと思っている事。
でもそれが周りの人に理解されない。
よくある話ですが、それには理由があります。
それはあなたが好きなものが同様に、周りの人にとって好きなものだとは限らないから。
つまり
あなたが好きなもの≠他者が好きなもの
という状態。
これを
あなたが好きなもの=他者が好きなもの
に近づける必要がある訳です。
そしてそのために必要なのは、
「相手が何を欲しているのか」
「相手が何に悩んでいるのか」
を知る事が必要です。
例えば今の日本で、冬物のコートを真夏に定価で売る事は難しいでしょうが、逆に涼しくなる生地を使ったシャツを売る事はそれほど難しくはないでしょう。
だって真夏なのだから、暑さに悩んでいる人は多いし、寒さに困っている人はほとんどいないから。
でも、真夏でも寒さに困っている人はゼロではありません。
例えばオフィスの冷房で冷えているOLさんのように。
そういう人のためにコートではなく、薄手で温かく、洗濯も簡単で、見た目も綺麗な膝掛けがあれば真夏でも売れるでしょう。
他者の事を理解する。
他者が何を欲しているのか。
他者が何に困っているのか。
少しでも理解する。
少しでも理解しようとする。
これが必須なのです。
翻訳力その3:自分の気持ちを相手に理解してもらう力
あなたの気持ちを、相手に理解してもらう。
つまり
「伝える」
という事です。
マーケティング的な用語を使うのであれば
「コピーライティング」
と言ってもいいでしょう。
コピーを学んでいる人は数多くおられますが、その多くの人が上手くいかないのは、この「伝える」という部分にだけ目がいってしまっていて、他の2つの要素が抜けてしまっているからです。
自分自身を理解し、相手を理解する。
だからこそ「伝わる」。
「1+1=2」と同じ、シンプルな事です。
自分の気持ちもよく分からず、相手の事も考えず、ラブレターを書いた(今はメールやLINEでしょうか)としても相手の心が動いてくれるでしょうか?
ただのストーカーですよね(笑)
でも、そういうストーカーみたいな人、商売の世界においては少なくないのです。
そういう人に限ってコピーラーティングを「売れる文章術」みたいな定義で使っている事が多いのですが、僕はそれは間違いでは無いものの、あくまでも「一側面」だと考えています。
ちなみに僕がコピーライティングについてお伝えする時には、ある種の「コミュニケーションスキル」と定義しています。
相手を理解し、自分の思いを明確にし、それを相手に分かりやすく伝える。
コミュニケーションの質を高める。
そのためのスキルです。
そして、その結果として「売れる」という結果が訪れる訳です。
そういう意味で「売れる文章術」という表現は間違ってはいないのでしょうけれど、根本にあるものを忘れない方が結果はついて来るのにな…と思ったりするのです。
「翻訳する」という力
この3つの要素で構成される「基礎力」
一番最初に「翻訳力」と言いました。
商売において、どんな分野であっても、どんな内容であっても、この「翻訳」という力は重要だと僕は考えます。
なぜならば、商売は「人と人」で成り立つものだから。
提供側の人と、受け取る側の人。
双方の存在があって初めて成立するものだからです。
だからこそ、そのふたつの存在をつなげなければ商売は成り立たない。
そのために、この「翻訳力」が必要になる訳です。
・理解する力
・伝える力
それがこの「翻訳力」の根本にあるものです。
いくらマーケティングやコミュニケーションのスキルを学んでも、土台となるこの「翻訳力」があってこそ成り立つもの。
そしてその「翻訳力」の源にあるのは
「自分と相手を理解しよう」
という
「ある種の思い遣り」
というものです。
陳腐な表現ですが
「愛」
と言ってもいいかもしれない。
自分自身にも、他者にも、愛を注ぐ事。
それが上でお伝えした
・間違った熱意
・間違ったマーケティング
・間違った行動
と
・正しい熱意
・正しいマーケティング
・正しい行動
を、そしてその後の結果を分つ根本要因だと僕は考えます。
せっかくあなたが好きになったものです。
是非多くの人に伝えていってくださいね。
応援しています。
阿部 龍太
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