安くても売れない商品と高くても売れる商品の違いにあるもの。

「ブランドデザイン」科

ブランドデザインをする中で、商品企画のアドバイスをする事があります。

クライアントさんの商品やサービスの企画に携われるというのは、知らない世界を垣間見れて僕自身も楽しいものです。

その中で、少し思った事がありましたので、その点を今日はシェアさせてもらおうと思います。

 

 

とある企画会議での出来事

ある飲食店Aさんの新メニューの企画会議での話です。

 

阿部

「Aさんは●●を強みとして持っているのだから、新商品にはxxxを使ってみてはどうですか?」

 

店長さん

「確かにそれはいいですね。でもそれを使うとなると、ちょっと問題がありまして」

 

阿部

「問題?何ですか?」

 

店長さん

「値段が上がってしまうんです」

 

阿部

「???それの何が問題なんですか?」

 

店長さん

「え?だって値段が上がったら、お客さん買ってくれないでしょう?」

 

阿部

「いやいやいやいや(苦笑)」

 

「目をパチクリさせる」

という言葉がありますが、この時の僕の目がまさにそうなっていたと思います(笑)

 

このお店は、安売りを謳っているお店ではありません。

例えば「どこよりも安く提供します!」

というお店ではない訳です。

 

であれば別に、値段を上げる事は特に問題ではないはず。

しかし店長さんは

「高いと売れない。だから値段が高くなるのは良くない」

という思い込みを持っていました。

 

しかし、それは本当でしょうか?

 

確かにそういうものもあるかもしれません。

安くなければ売れないものもあるでしょう。

でも、高くても売れているものもありますよね。

 

例えば、iphoneのケース。

あるブランドから出ているiphoneケースは約20万円します。

ケースだけでiphoneが2台くらい買えますよね(笑)

 

この情報だけでこのケースを欲しいと思う人はほとんどいないと思うのですが、実はこれ、高級時計ブランドの「FRANCK MULLER(フランク ミュラー)」の25周年モデルなのだそうです。

FRANCK MULLERのファンなら欲しくなってもおかしくはありませんよね?

(参照:FRANCK MULLER公式サイトより)

 

FRANCK MULLERのような有名ブランドでなくても、15万円のiphoneケースを販売している(しかも売れている)SQUAIRさんのような企業もあります。

(参照:SQUAIR公式サイト)

 

iphoneケースに限った話ではありません。

 

・トースターや扇風機で有名なバルミューダ

・アウトドア用品で有名なスノーピーク

・ディズニーリゾートやUSJ

 

のように、値段が高くても支持を集めているブランドは他にも数多く存在しています。

 

 

売れるための「要素」とは何か?

個人的な見地になりますが、商品が売れるか売れないかは、

 

値段も含めた諸々の要素に、お客様が「価値」を感じてくれるかどうか

 

で決まるものです。

 

「値段が高いから売れない」

というのは、お客様が

 

「高い値段に見合った価値を感じない」から

 

であり、値段そのものが問題ではない事がほとんどです。

 

もちろん

「値段が安い事が善である」

という考えを否定するつもりはありません。

「値段」が重要な要素の一つである事は間違いありませんから。

 

しかし

「値段が安い事が善であり、値段が高い事が悪である」

というのは完全なる勘違いだと僕は考えます。

 

重要なのは値段の高低よりも、

 

どれだけの価値を提供できるか。

お客様をどれだけ喜ばせられるか。

 

ではないでしょうか?

 

例として挙げたバルミューダやスノーピークなどは、他社より高額な商品を出していますが、非常に高い評価を得られています。

また、東京ディズニーリゾートやUSJは、値上げをしたのにも関わらず、多くの人の支持を集めています。

それは彼らの商品やサービスが、お客様に高い価値を提供できているからです。

 

「お客様のために少しでも安く販売しよう」

というあなたの思いはとても尊いものです。

 

でも、あなたが傷ついて、すり減ってしまっては何の意味もないのです。

 

お客様が豊かになり、あなた自身も豊かになる。

そのために価値の高い商品やサービスを適切な価格で提供する。

バルミューダやスノーピーク、東京ディズニーリゾートやUSJ…

 

彼らのようになる事は、あなたにだって、不可能な事ではありません。

 

そのためにもあなたが気にするべきなのは、お客様の喜び、そしてあなた自身の熱意なのではないでしょうか?

 

もちろんコンセプトに外れたものでは意味がありません(ここは本当に重要なので憶えておいてください)が、そうでないのであればもっともっと枠を広げて考えてみるべきです。

もっともっとお客様を喜ばせる、そのために今の自分に何ができて、何をすべきなのか。

 

是非一度、考えてみてください。

あなたが素晴らしい商品やサービスを提供できますように。

 

 

阿部 龍太

 

 

 

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