「好きな事するからうまくいく」という「嘘」と「真実」

「ブランドデザイン」科

今日は12月28日(木)

このブログ、2017年最後の更新です。

 

2017年最後だし、何を書こうか・・・

少し考えたのですが、今回はこの事について書こうと思います。

 

 

「好きな事をすればうまくいく」という「嘘」

 

「好きな事をしよう。そうすればうまくいく」

 

という事を色々な方が言っています。

 

実は、僕はこれには、結構疑問を感じていまして。

だって実際に好きな事をやっていても、うまくいっている人と、そうでない人がいるじゃないですか。

その両者にどんな違いがあるのか、個人的に感じる事はいくつかあるのですが、その中でも最も重要だと感じるのが

 

「好きな事をしている」から、うまくいかない。

 

という点です。

 

という事は、

 

うまくいっている人は「好きな事をしていない」

 

という事になる訳です。

 

では、うまくいっている人は何をしているのでしょうか?

 

それが、先日の記事にも少し書いた

 

「好きになるのではなく、愛する事」

 

というものです。

 

【参考記事】

羽生善治さんが勝ち続ける理由と、売れ続けるビジネスの共通点

羽生善治さんが勝ち続ける理由と、売れ続けるビジネスの共通点
前回の記事で、 羽生善治さん(将棋・永世七冠)の強さの理由から学ぶ、我々が商売で成功するために必要な事 について考えてみました。 【参考記事】 【祝!永世七冠】羽生善治さんに学ぶブランディング...

 

 

「好き」と「愛する」の違い

僕が定義する「好き」と「愛する」の違い。

ひとことで言うのは非常に難しいのですが、敢えて言うのであれば

 

いかに広く、いかに深く、取り組む「対象」を理解しようとするかという姿勢

 

の違いというものです。

 

羽生さんは、自分が将棋に勝つためだけではなく、対戦相手と共に、素晴らしい将棋を指す事を目的としています。

将棋という奥深い世界を少しでも理解しようとし、その上で自分自身の個性を発揮しようと自分を磨いてています。

それだけ彼は「将棋」というものを広い視野で、深いレベルで理解しようとしている。

それだけ彼は「将棋」というものを愛している。

そう僕は思うのです。

 

恐らく周りの人は、

「羽生さんの努力は凄まじい」

という風に言うでしょう。

 

でも恐らく、羽生さん自身は、

「自分は努力なんかしていない」

という風に答えるでしょう。

 

なぜならば、それらは彼にとっては、当たり前の事だから。

他者から「努力」と見えるものは、将棋を愛している彼にとっては、当たり前の事だからです。

 

別の表現を使うとすれば、バレーボール漫画『ハイキュー!!」で、

 

「勝負事で本当に楽しむためには強さが要る」

 

という言葉があります。

 

つまり、

 

実力不足ではそのスポーツの醍醐味を味わう事はできない。

だからこそ日々、己を磨き上げよう。

そうすれば、もっともっとそのスポーツを楽しめるようになる。

 

という事です。

 

そしてこれは、バレーボールに限った話ではありません。

 

野球も、サッカーも、ラグビーも、そして、将棋も、商売も。

楽しみたければ、そのために必要なものがある訳です。

 

それらのものに、どれだけ真摯に取り組めるか。

そこに「愛」が試される。

 

そう僕は思うのです。

 

 

「神々」が教えてくれる「愛」のチカラ

有名すぎる話ですが、サッカーの世界で最も「神」に近い選手と呼び声の高い

 

リオネル・メッシ

 

彼も、病気というハンディを乗り越えたからこそ、今の栄光がある訳です。

病気を理由にアルゼンチン国内のクラブが彼の獲得を諦めた時、もし彼自身が諦めていたら、バルセロナへの入団はありませんでしたし、今の栄光はありませんでした。

 

ただ単にサッカーが好きなだけなら、病気を理由に諦めていたかもしれない。

でも、彼は、諦めなかった。

 

彼を世界一にしたのは、その類稀なるサッカーの技術だけではなく、サッカーに対する、そして自分自身に対する愛と献身なのではないかと思うのです。

 

また、これも有名すぎる話ですが、バスケットボールで「神」と呼ばれている

 

マイケル・ジョーダン

 

彼の言葉で、

 

私は9,000回以上シュートを外し、300試合に敗れた。

決勝シュートを任されて26回も外した。

人生で何度も何度も失敗してきた。

だから私は成功したんだ。

 

というものがありますが、この言葉にこそ、彼のバスケットボールに対する愛の深さが滲み出ていると思うのです。

 

ただ単にバスケが好きなだけだったら、失敗が続いたら集中力が低下してしまうかもしれない。

でも、彼は、諦めなかった。

失敗したら、その失敗を成長に繋げられるよう、さらに集中して練習に励んだ。

そのバスケットボールへの、そして自分自身への愛情こそが、彼が「神」と呼ばれるようになった土台だと思うのです。

 

羽生さんも同じです。

羽生さんは確かに勝ち続けています。賞賛されています。

でも、その裏で、何度も敗けていますし、数多く批判もされています。

 

七冠独占した後に敗け続けて一冠だけになった時、

「羽生は終わった」

なんて言われていたそうです。

他にも、ただ目線を動かしただけで「羽生睨み」とか言われて生意気だと批判されたり、苦しい思いもたくさんしているはずです。

 

それでも、彼は、将棋を辞めなかった。

悩んだり、迷ったりしながらも、前に進み続けた。

その結果、永世七冠という偉業を成し遂げられた訳です。

 

メッシも、ジョーダンも、羽生さんも、楽しい部分も、苦しい部分も、全てをひっくるめて、自分が取り組んでいる対象の「全て」を愛している。

それが彼らの偉大さの土台にあるものだと僕は思うのです。

 

 

「愛」に生きてみないか?

もし、あなたが今、好きな事をしているのにあまりうまくいっていないと感じるのであれば、一度考えてみて欲しい。

 

もっともっと、好きを突き詰めて、愛する事ができないか。

そのために、どんな小さな事でもいい、何かできる事はないか。

 

一度、考えてみて欲しいのです。

 

個人的に思うんです。

好きな事に出逢えるって、本当に凄い事なんだ、と。

 

どうせなら、それをもっともっと突き詰めて欲しい。

もっともっと愛して欲しい。

 

そうすれば、もっともっと楽しむ事ができる。

そう思うのです。

 

羽生さんやメッシやジョーダンのように、あなたの好きな事を、そしてそれをしているあなた自身を、もっともっと愛してほしい。

これが僕の言う「正しい努力」のひとつです。

そしてこの「正しい努力」を積み重ねる事で、その結果として「成功」というものがついてくる、そう僕は考えます。

 

よければ是非、考えてみてください。

あなたの好きな事を、とことん愛してみてください。

 

という訳で2017年、お付き合いくださいまして、ありがとうございました。

2018年が、あなたの飛躍の年になる事を祈ってます。

 

 

阿部 龍太

 

 

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