前回、「ブランディングから得られる3つのメリット」についてお伝えしましたが、今回はその続編、名付けて
「ブランディングのデメリット」
についてお伝えします。
デメリットを知る事は、メリットを知る事と同様かそれ以上に重要な事です。
何故ならば、あらかじめデメリットを知り、それを上手く活かす事で、メリットに転換させる事も可能になるからです。
今日の記事で、少しでもそうなっていただけたらと思います。
という訳で、今日もこのお二人に登場していただきましょう。
ニャオ・ブランドー(♂)
猫界の頂点に成り上がるべく、ブランディングが必須だと考えている猫。
好きな食べ物はしらす。今まで食べたしらすの数は覚えていない。
なお某漫画のキャラクターとは何の関わりもない(荒木先生ごめんなさい)
阿部龍太(♂)
エコブラ塾長。
ブランディングプランナーとして、経営者や商品等のブランディングをサポートしているヒト科オッサン目。
好きな食べ物はお鮨。赤身と光り物が特に好き。
愛読書はもちろん『ジョジョの奇妙な冒険』(特に2部・5部・7部が好き)
ねえ塾長。
何ですニャオさん?
こないだ、ブランディングの「ンまぁ〜い」所を教えてくれたニャ?
あれ、結構「ンまぁ〜い」もんだったニャ。
そいつはグレート!ですね。
喜んでいただけて何よりです。
でもね塾長。世の中そんないい話だけでは終わらないニャ?
この世は光と闇の複合体。表があれば裏もあるはずニャ。
どうしたんですかニャオさん。
急に中二病みたいになっちゃって。
でも、そこにシビれる!あこがれるゥ!
とは言え確かに、メリットがあればデメリットもあるのがこの世の常。
厳密に言えばブランディングにもデメリットがあります。
では今日は、その事についてお伝えしましょうか。
ブランディングのデメリット
で、何がデメリットなのかニャ?
ひとことで言うならば
「時間が必要」
という事でしょうか。
どういう事ニャ?
ブランドとは言わば、相手の心に自分のポジティブなイメージを持ってもらうための作業。
それは一朝一夕で達成されるものではないという事です。
テレビとか雑誌とかに出たら一発じゃないのニャ?
確かに、対マスコミ戦術が成功すれば、ニャオさんの言う通り、一夜にして知名度は上がり、売上も上がるでしょう。
でも、それがイコール、ブランドの構築、と言えない場合も少なくないのです。
どういう事ニャ?
ブランドの「落とし穴」と「北斗の拳」
つまり、マスコミの力で知名度や売上が上がっても、それが継続するとは限らない、という事です。
この「知名度や売上が継続する」というのが「ブランドの力」のひとつです。
でも、この「ブランドの力」の基礎部分が弱いままでマスコミの力を借りると、一時的には知名度も売上も上がりますが、その後キツい反動がくる場合もあるのです。
一時的に良くても、その後ダメになる・・・
まるで「北斗の拳」でいう「刹活孔」みたいなものだニャ。
解説ニャ!
【「刹活孔」(せっかつこう)】
一時的に凄まじい力を得る事ができるものの、それは己の命と引き換えという非情なる秘孔ニャ。トキがラオウと戦う際にこっそり突いてたニャ。
秘孔の解説までありがとうございます。
ファルコが修羅の国に行った時も使ってましたね。
でも確かに似ている部分はあります。
一時的なブームは作れたものの、その後が大きく落ち込んでしまう。
そんな例は少なくありません。
最悪の場合、商売の存続すら危うくなってしまう事もあります。
ブームとブランドって別物なんですけど、その辺りを誤解してしまう人が少なくないんですよね。
ブランディングの「公式」
そもそも、ブランディングって、ふたつの要素に分けられるんですよ。
ふたつの要素?
そうです。
ブランディングの公式というものがいくつかあるのですが、そのひとつが、このふたつの要素で構成されているんです。
公式?
どんなものなのかニャ?
それは
[ブランド]=[A.ブランドを創る]×[B.ブランドを広げる]
というものです。
先ほどニャオさんが言って下さった「テレビや雑誌のような対マスコミ戦術」は
[B.ブランドを広げる]
に当たるものなんですよ。
ニャるほど。
かけ算になってるという事は、Bだけいくら頑張ってもAが弱かったら最終的なブランドも弱いものになってしまう、という事ニャ。
さっき塾長が
「ブランドの力の基礎が弱いままでマスコミの力を借りると一時的には知名度も売上も上がりますが、その後キツい反動がくる場合もあるのです」
と言ってたのはそういう事なのニャ。
Exactly(そのとおりでございます)
今日はニャオさん、冴えてますね!
新しいパンツをはいたばかりの正月元旦の朝のよーに、スゲーッ爽やかな気分ニャ
頑張っているのに悪い結果ばかり出てしまう、そんな時は・・・
話を続けますと、
[B.ブランドを広げる]
この段階であれば、ニャオさんが言ってくれたように、方法によっては一夜にして知名度を上げ、お客様を増やし、売上を上げる事は不可能ではありません。
ただ、その前段階でもある
[A.ブランドを創る]
こちらがある程度形になっていないと、いくら
[B.ブランドを広げる]
事を頑張っても、なかなか成果が出ないどころか、悪い事ばかり起こってしまうという場合も出てきてしまうんです。
実際に、テレビに出た事が悪影響になって、売上に影響を及ぼしてしまったりした事例は少なくありません。
常連さんが来なくなってしまったり、現場のオペレーションの構築を疎かにしすぎて固定費が上がりすぎて最終的に利益が下がってしまったり。
顧客数は増えているのに、売上が減ったり、利益が減ってしまうと言った、本末転倒な結果になる事もあるんです。
せっかく頑張っているのに、努力しているのに、現実として上手くいかなくなってしまう。
そんな企業や人が少なくないのは、まさにこの
[A.ブランドを創る]
という部分が弱いままだからなんです。
せっかく頑張っても逆に悪い結果になってしまうなんて、そんなの「オーノーだズラ」ってやつだニャ。
ブランド構築とイチローと叶姉妹
さて、突然ですがクイズです。
野球をやった事がない人が、イチローと同じ道具を使ったら、彼と同じようなプレーができるでしょうか?
ホントに突然だニャ。
そしてそれは無理だニャ。
「MUWRYYYYYYY!」って言いたくなるくらい無理だニャ。
それ言うなら「WRYYYYYYY!」でしょ。
荒木先生に怒られますよ(ごめんなさい荒木先生)
ではなぜ、野球をやった事がない人は、イチローと同じ道具を使っても、彼と同じようなプレーができないのか?
当たり前の話ですが、それは「野球の能力(体力や筋力や知力)」が無いからです。
同じ道具を持っていても、能力がなければ彼と同じようなプレーができる訳がありません。
もしイチローのようなプレーをしたければ、これを育成する必要がある訳です。
そして、この「能力の育成」に当たるものが
[A.ブランドを創る]
という事になるんですよ。
ニャるほど。確かに育成は時間が必要だけど、大切なものだニャ。
あの「叶姉妹」の恭子さんも
「『美は一日にしてならず』ですわ。」
って言ってたもんニャ。
ところで美香さんは、恭子さんのスタンドじゃないよニャ。
違いますよ。みんなに見えてるでしょ。
まあ確かに美香さんはいつも恭子さんの側に静かに控えてますけどね。
恭子さんが新手のスタンド使いかどうかはともかく、恭子さんのお言葉は真理を鋭く突いていると言えるでしょう。
外見を取り繕う「見せかけの美」とは違い、「本当の美」は身体の内面から湧き出るもの。
それを養うためには時間と手間がかかるのは当たり前ですよね。
美もブランドも同じ事なんですよ。
あなたがブランドを創るために今すべき事
でも、
[A.ブランドを創る]
って言っても、一体何をする必要があるのニャ?
ほう…ニャオさん、鋭い…いい質問をするようになりましたね。
エシディシのマネはいらないニャ。
早く言うニャ。
・・・
(自分はマネばっかりしてるくせにィィィ)
わ、わかりましたよ。
[A.ブランドを創る]
という事は、細かく言えばとても多岐に渡るので、これから少しずつ説明していきますが、今ここでものすごーく簡単に言うのであれば
「なぜ、あなたはそれをするのか?」
「それであなたはどんな世界を実現したいのか?」
「そのためにあなたは具体的に何をするのか?」
これらを明確にする、という事です。
あなた自身を深く深く掘り下げ、あなた自身の持つ特性をできる限り掘り起こす。
そしてそれらを組み合わせる。
それがブランドを創る上での基礎になるものです。
そうする事によって、あなたの進むべき道が、そしてその道を進むための方法が見えてきます。
ニャるほど。
そういう事するなら確かに時間かかるニャ。
基礎工事がきちんとされていない家は、何かあればすぐにダメになってしまいます。
ブランドも同じ事なのです。
[A.ブランドを創る]
という段階で、いかにしっかりとした土台を作るか。
それによって、
[B.ブランドを広げる]
の効果がプラスにもマイナスにも変わるんですよ。
「ブランド」って、ある意味「美しさ」の体現だもんニャ。
美しくなるか、醜くなるか。
それはどんな「土台」を築き上げるか。
つまり自分次第なんだニャ。
じゃあ僕は、美しいしらす食べに行くニャ。
編集後記
いかがでしたか?
今回は「ブランディングのデメリット」についてお伝えしました。
確かにブランディングって、確かにある程度の時間は必要になるんです。
実際にとあるブランドデザイン企業が行ったある老舗企業のブランディングでは、
[A.ブランドを創る]
事について2年近く時間をかけたんだそうです。
また、僕のクライアントさんでも、週4回、1回当たり3時間ほどの打ち合わせを約3ヶ月続けてようやくブランドの設計ができたという方もおられます。
そして10年以上経った今も、その方の商売は成長し続けています。
もちろん、時間をかければ善いブランドが作れるという訳ではありません。
ただ、善いブランドを創るためには、その人、その会社、その商品の、深い所まで掘り下げる必要があり、それはどうしても一朝一夕では足りない、という事なのです。
浅い所から出たメッセージは、相手の心の浅い所までしか届きませんし、深い所から出たメッセージは相手の心の奥底に届きます。
そして、相手の心の奥底に届くからこそ、理解や共感、信頼が生まれ、善いブランドが形作られていくのです。
あなたの心にあるものを、是非掘り下げてみて下さい。
あなたのメッセージが、多くの人の心の奥底まで届きますように。
阿部 龍太
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