偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」
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さて、今回あなたにお伝えしたい「いのちの言葉」はこちらです。
「歴史変えるの、誰?」
(トンプソン・ルーク)
トンプソン・ルーク。
通称トモさん。
ラグビー好きなら愛して止まない素晴らしい漢(おとこ)
ニュージーランド生まれ、ニュージーランド育ちでありながら、日本をこよなく愛し、日本代表として数々の素晴らしいプレーで、我々を勇気づけてきてくれた名選手。
その彼が「あの舞台」でこの言葉を口にしました。
2015年9月19日。
イギリスのブライトン・コミュニティースタジアム。
ラグビーW杯。
日本 vs 南アフリカ。
そうです。
あの「ブライトンの奇跡」が起こったあの試合。
あの試合の最期の240秒。
南アフリカのファールで、日本が攻撃を選択しようとしていたときの話です。
ラスト240秒。
29対32。
点差は3点。
キックを選択すれば同点。
引き分けが確定。
スクラムを選択して、トライできれば逆転。
勝利が確定。
距離や場所を考えると、五郎丸選手ならばキックでほぼ得点を決められる。
つまり超強豪国の南アフリカと引き分けという結果が得られるという事。
野球で言えば、高校生チームがメジャー選抜と引き分けるくらいの
サッカーで言えば、高校生チームがブラジル代表と引き分けるくらいの
ドラゴンボールで言えば、ヤムチャがサイバイマンどころかフリーザ様と相討ちするくらいの(古いなあ)
・・・
それくらいの衝撃。
今までの日本代表からすると夢のような結果。
もちろんヘッドコーチのエディーさんもキックを指示。
しかし、選手達の判断はまさかの
「スクラム」
でした。
ほぼ確実な「引き分け」狙いではなく、得られるかどうか分からない「勝利」を狙いにいったのです。
恐らく世界中のすべての人達、彼ら選手達以外のすべての人達が驚愕した事でしょう。
ヘッドコーチのエディーさんですら、あまりの驚きのあまりインカムを放り投げて椅子を蹴り飛ばしたそうですから(笑)
この時、リーチ主将を始めとする多くの選手達がスクラムの選択の意志を伝えたそうです。
もちろん、トモさんも。
その時に彼が発したのがこの
「歴史変えるの、誰?」
という言葉だったのだそうです。
その約240秒後。
カーン・ヘスケス選手のトライ。
その瞬間、日本代表が、いや、日本全体が、いや、世界中(南アフリカを除く)が驚きと興奮と歓喜に包まれていました。
「歴史を変える」という事。
彼らは
「日本ラグビーの歴史を変える」
というミッションのもと、苦しい練習に耐え、己とチームを磨き上げてきました。
そのミッションを達成し、日本ラグビーの歴史を変えるためには、どうしても南アフリカに勝利をする必要がある。
だから彼らは、同点狙いのキックではなく、逆転狙いのスクラムを選択したのです。
もちろんリスクはあります。
当たり前の話ですが、スクラムを選択しても、トライできなければ負けてしまう訳ですから。
(まあそれでも、過去からしたら素晴らしすぎる成果なのですが)
そのリスクを、選手達が分かっていなかった訳がありません。
そのリスクを分かった上で、彼らは「スクラム」を選択した。
負けるかもしれない。
それでも「引き分け」ではなく「勝利」を狙いにいった訳です。
そして、その後は、これまで準備してきた練習の全てをぶつけた。
ボールを持った選手はゴールに向かって突進し、倒されたらすぐに他の選手がカバーし、パスは相手が落とさないように慎重に、そしてかつ速く出す。
磨き上げてきたものを全て出して、やるべき事をやりきった。
それがあの「奇跡」に繋がったのだと僕は思いますし、五郎丸選手も試合後に言ったように
「奇跡ではなく、必然」
だったのだと思います。
あなたの歴史を変えるのは、誰?
もしかしたら、今のあなたも、過去の日本代表のように苦しい思いをしているかもしれない。
であれば、その「あなたの歴史」を変えるのは、誰でしょうか?
他の誰かが、いつか、救世主のように颯爽と現れて、あなたの歴史を変えてくれると思いますか?
残念ですが、救世主はどこにもいません。
あなたの歴史、あなたの人生を変えるのは、あなたしかいません。
あなたの救世主は、あなた自身。
他にはこの世には存在しません。
他の誰かはそのきっかけを提供してくれるだけです。
エディーさんや多くのスタッフを始めとする日本代表の皆。
彼らは、他の誰でもなく、自分達の力で、日本ラグビーの歴史を変えました。
次はあなたの番。
あなたがあなたの歴史を変える番です。
最高の奇跡を起こしてください。
あなたになら、それができますから。
阿部 龍太
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