ジョジョの奇妙な体重計からブランディングのコツを学ぼう。

「ブランドデザイン」科

「高額商品を売りたい」

「ファンを増やしたい」

「もっとリピートしてもらいたい」

 

そんな風に思っている人は少なくないはず。

でも多くの人がそれを実現出来ない。

 

そんなあなたのための

「ブランディングプチ講座(不定期開講)」

です。

 

今日のお題は

「ジョジョの奇妙な体重計」から学ぶブランディングのコツ

はじまり、はじまり〜

 

 

今回の題材は…

この度、こんな商品が出るそうです。

 

「ジョジョの奇妙な冒険」インナースキャン Voice BC-202-DU

「ジョジョの奇妙な冒険」インナースキャン Voice BC-202-DU|株式会社タニタ
アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』とコラボした、タニタの体組成計が登場!東方仗助(CV:小野友樹)、広瀬康一(CV:梶裕貴)、虹村億泰(CV:高木渉)、3人の”録り下ろし”ボイスを収録!3人が測定結果などに応じて、オリジナルボイスでセリフをしゃべります。予約受付期間:2017年9月30日(土)23:...

 

ひとことで言うならば

タニタとアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」のコラボ体重計

というもの。

 

色々な操作をする事で、アニメのキャラクターが喋ってくれるのだそうです。

ジョジョラー(ジョジョのファン)からしたら堪らないものかもしれませんね。

 

そしてこの体重計、値段が

19,440円(税込)

なのだそうです。

 

ちなみに、同じ型(BC-202)の体重計を調べてみた所、大体8,000円を切るくらいで販売されています。

 

見た目や一部機能を除いてほとんど同じものなのに、実に2倍以上のお値段。

現時点では商品の詳細が不明なのではっきりとは言えませんが、それでもそこそこ売れるのではないかと個人的には思います。

 

それは単に僕がジョジョラーだからという訳ではなく、

 

「ブランド構築の公式」

 

の観点から見た上での意見です。

 

この公式はいくつかあるのですが、今日はその中からひとつを取り上げてみようと思います。

 

 

売れるブランドが提供する「3つの価値」

ブランドを説明する上で絶対に外せないものに

 

ブランドが提供する「3つの価値」

 

というものがあります。

 

それは

 

1.機能価値

2.情緒価値

3.自己重要感価値

 

というものです。

カンタンにひとつずつ説明していきましょう。

 

 

これがなくっちゃ「機能価値」

読んで字の如く。

「機能」が提供する「価値」です。

 

体重計としてきちんと機能している。

体重50kgの人が乗って、126kgと表示されたら話にならない訳です。

(ちなみに126kgは、ジョジョ第3部の主人公、空条承太郎が愛する昭和の大横綱こと千代の富士関の体重です)

 

まあタニタさんですから、ここに関しては恐らく問題はないでしょう。

 

体重計として機能的に問題が無いという事。

これはまあ、当たり前と言えば当たり前の話ですよね。

 

でも、当たり前の話だからこそ、これだけでは足りないという事も言える訳です。

だって、競合他社の商品も当たり前のように機能的に問題ないのですから。

 

そこで重要となるのがふたつ目の「価値」になります。

 

 

だって好きなんだもん「情緒価値」

ブランドが提供するふたつめの「価値」

それがこの「情緒価値」というものです。

 

ひとことで言うなら

「好きか、嫌いか」

で決まるもの。

 

いくら機能が優れていても、嫌いなものを買う人はなかなかいません。

そういう意味では、ジョジョを愛するジョジョラーからしたらもう

 

「この体重計は世界一ィィィィーーーーーッ!!」

 

って言うくらい好きなものでしょう。

 

「人間は感情の動物である。だから好きだと感じるものを買う」

確かに一理あるものです。

 

でも、ここで終わってはモッタイナイ。

普通に売れるものであればここまででも問題ないでしょうけど、高額商品だったりするとこのふたつだけでは難しい。

今回の商品のように同じ商品の倍以上の値段がする場合などは尚更です。

 

「ジョジョは好きだけど、体重計なら5,000円も出せば買えるしなあ」

って思われたらもう終わりなのです。

他の選択肢が同じ土俵上にある時点で「ブランド」ではないのです。

 

「高かろうが買う。他に選択の余地無し」

と思ってもらえる「ブランド」たる存在は、この「情緒価値」をさらに深めた「別の価値」を提供します。

 

それが3つ目の「価値」になるのです。

 

 

あの人といっしょ「自己重要感価値」

「自己重要感」とは、ひとことで言うならば

「自分を信じている、自分の事を好きである」

という感覚を指します。

 

この「自己重要感」が低下してしまうと、

自信が無くなり、

思考や行動の積極性が低下し、

それによって得られる成果が低くなり、

それによってさらに自分に自信が無くなってしまう

という悪循環に陥るようになってしまいます。

 

逆に「自己重要感」が高いと

自信が増し、

思考や行動の積極性が増し、

それによって得られる成果が高まり

(仮に成果が得られなくても、自己重要感が高ければそれを基に改善して最終的に成果を高められる)

それによってさらに自分に自信が持てる

という好循環に入れます。

(かなり端折った説明ですが、心理学の試験でもないので、まあOKとしてください)

 

この「自己重要感を少しでも高めてあげる」事。

それがブランドという存在が提供すべきものです。

 

滅茶苦茶簡単に言うならば

 

「自分って、何かイケてるぞ」

 

と感じてもらう事。

 

自分自身に対する評価を少しでも高くしてもらうという事です。

(この「何か」という部分が重要なのですが、長くなるので別の機会にします)

 

例えばこの体重計に乗って、筋肉量が少ないという判定が出た時

仗助ボイス:「しょうがねぇーなー、おれの手につかまんなよ」

と、主人公の東方仗助の声が囁いてくれるそうです。

 

また、体脂肪率が少し高め(軽肥満)の場合

康一ボイス:「体重計の故障ではない、だ、誰か敵スタンドの仕業だッ!」

と、主人公の親友のキャラである廣瀬康一君の声が響くのだそうです。

 

また、体脂肪率が標準+の判定の時には

億泰ボイス:「おい、もっと自信持てよ」

と、同じく主人公の親友のキャラの虹村億泰が声をかけてくれるのだそうです。

 

つまり、「ジョジョの奇妙な冒険」という「世界」、つまり「ストーリー」を、登場人物の彼らと共有しているという感覚。

当然ですけど、楽しいですよね?

 

これが上でお伝えした

 

「自分って、何かイケてるぞ」

 

と感じられるようになる、ひとつのきっかけになるという訳です。

 

この「ストーリーを共有しているという感覚」という、ある種の

 

「臨場感」

 

というものが強ければ強い程、ブランドとしての力は強まります。

 

ただ体重計のデザインが変わっているだけよりも、アニメのキャラが(その声優さんの声で)自分に語りかけてくれる方が臨場感が強まるという事です。

 

 

他の分野で自己重要感を考えてみると…

ジョジョに興味が無い人でも、例えば自分の好きなアーティストやスポーツ選手に置き換えて考えてみてもらえれば理解いただけるのではないでしょうか。

 

なぜスポーツ観戦をするのにユニフォームを着るのか?

なぜあの選手が使っているスパイクを買うのか?

なぜライブに行ってパンフレットやグッズを買うのか?

 

「臨場感」という観点、もっとベタな表現をするならば「一体感」という観点では、これらは基本的に同じ事なんです。

 

また、昔のソニーやアップル(特にジョブズ在籍時)などは、この「自己重要感」を高めるという点を上手くデザインしていたと思います。

 

「ウォークマンを持っている自分ってカッコいいッ!」

「MacBookで仕事をしてる自分ってイケてるゥ!」

 

そんな意識を持っていた人、周りにいませんでしたか?

 

実際にカッコいいかイケてるかはともかく、自分で自分を評価出来る。自分を認められる、この点が重要なのです。

 

ただ、この「自己重要感を高める事」に関しては、ひとつ注意していただきたい事があるのです。

 

 

自己重要感のダークサイド

少し難しい話になりますが、

 

「自己重要感」というものを「他者によって高める事」

 

には、その他者への依存に陥り、その結果として思考が歪んでしまうような一面も存在します。

 

例えば

「MacBookで仕事をしてる自分ってイケてる」

という感覚が強すぎると

「MacBookで仕事をしてない人は仕事ができないダメな奴だ」

といった

「歪んだ選民思想」

にすり替わってしまうようなものです。

 

実際はMacBookを使う事で仕事ができるかどうかはあまり(個人的な感覚ではほとんど)関係ありませんよね?

 

でもMacBookに限らず、こういった

 

「自己重要感」が「歪んだ選民思想」にすり替わってしまう。

 

という事は色々な場面で見受けられます。

 

実際に過去、これを国家政策に利用していた国もあります(プロパガンダ等を調べていただければ分かります)

今の日本でも、とあるマスコミやとある政党やとあるサイトでそういう言動が見受けられます。

 

こんなのは「ブランディング」ではありません。

ただの「エゴ」です。

薄っぺらくて浅い「我欲」に過ぎません。

 

僕の伝えたい「ブランディング」とは、

「他者を踏みつけて自分だけが利益を得る」

という事ではなく、

「他者と共に利益を共有する」

という事を前提にしています。

 

だからこそ、

自己重要感を高める事によって他者を否定する

のではなく、

自己重要感を高める事によって他者を受け容れられ、そして他者の自己重要感も高めてあげられる

 

そんな人を増やすような取り組みが必要なのです。

 

これからブランディングをされる方は、是非この事を意識しつつ、適切に相手の自己重要感を満たしてあげてください。

 

参考記事:ビジネスチャンスを掴むために必要な事

 

 

個人的に思う事

上記を踏まえて、僕が個人的に思う事がふたつあります。

 

ひとつ目はタニタさんに対して。

もし、この体重計をより多くの人に届けたいのであれば

 

もっと販売サイトの臨場感を強めてみてはどうか

 

という事。

 

タニタさんもジョジョも、コンテンツ力がどちらも高レベルなのは分かります。

 

でも、だからこそ、なんです。

 

だからこそ、

「だったらタニタさんの同じ機能でもっと安い体重計でもよくない?」

「だったらジョジョのアニメDVDでもよくない?」

と「別の選択」をされてしまう可能性がある。

 

上でもお伝えしたように、

他の選択肢が同じ土俵上にある時点で「ブランド」ではない

のです。

 

そうではなく、

「ジョジョの奇妙な体重計(そんな名前はついてないですが)が欲しいッ!」

とより多くの人に感じてもらう。

 

現時点のサイトでは、そこまでの臨場感は無いと個人的には感じています。

 

コアなジョジョラー(ジョジョのファン)は今の時点でも買ってくれる可能性は高いと思いますが、ライトなジョジョラーにとってはまだハードルが高いでしょう。

19,000円があれば、ジョジョ(第四部)のアニメDVDが3本買えますし、コミックスなら第四部を全巻買っても余裕でお釣りが来ますから。

 

ライトなファンにも興味を持ってもらうためには、更に「臨場感を強める」事が必要だと僕は考えます。

例えば採用した音声を全部掲載するというのが簡単にできる事ですよね。

音声サンプルじゃなくても、文字だけでいい。

「同じ世界に浸る」という臨場感を、少しだけでも先取りさせてあげる。

 

そうする事で「欲しい」という気持ちはより強くなります。

(「フリーミアム」と考え方は似ていますね)

 

まあ受注生産という事なので、もしかしたらこのプロジェクトの目的は売上ではなく別の所にあるのかもしれません。

でも、もしビジネスベースで考えているプロジェクトなのであれば、そういう部分も考えてはいかがかな、と思うのです。

 

そして、これはタニタさんに限った話ではありません。

 

僕が思った事の二つ目は、あなたに対して。

上でお伝えした事はタニタさんだけではなく、あなたとっても同じだという事です。

 

あなたの提供している商品にも、

 

何かしらの「世界」、何かしらの「ストーリー」

 

があるはずです。

それを共有してほしいのです。

 

そのために

 

「3つの価値」

 

を意識し、そして

 

「臨場感」

 

を強める。

 

タニタさんだから…

ジョジョだから…

ソニーやアップルだから…

 

彼らだからできるという訳ではありません。

あなたにも可能です。

 

そのためにも、あなたの「世界」、あなたの「ストーリー」をもっともっと共有してください。

ただ「伝える」のではないんです。

「共有する」必要があるんです。

(それはまた別の機会にお伝えしますが、まずは伝える事から始めてください)

 

あなたの持つ魅力。

もっともっと引き出してください。

それがあなたの「ブランド化」に繋がります。

是非一度、考えてみてください。

 

 

阿部 龍太

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