最近、周りの人の中に、新たな一歩を踏み出す人が増えています。
転勤が決まった。
結婚が決まった。
独立する事にした。
子供が生まれた。
・・・
おめでとうございます。
彼らの未来が光り輝く事を願って止みません。
そんな中、ある知人の海外勤務が決まり、お祝いの席に呼んでいただきました。
その時の彼との話が、同じように新たな一歩を踏み出すあなたの参考になると感じたので、今日はそれをシェアします。
(Tさん、シェアの許可をありがとう!)
「不安なんです・・・」
ある企業に勤めているTさんは、今回海外勤務が決まりました。
社内の選抜という狭き門に挑戦し、見事勝ち抜いたTさん。
さぞ喜んでいるだろうと思ったら・・・
「不安なんです」
念願の海外勤務。
そのために一所懸命努力してきた。
その時は不安などなく、ただ挑戦する気持ちしかなかったのが、夢が現実になると不安ばかりが募るのだそうな。
「会社の期待に応えられるだろうか・・・」
「現地の人達とうまくやっていけるだろうか・・・」
「子供もまだ小さいし、妻が現地で馴染めるかも心配だ・・・」
Tさん、相当不安のようです。
そんなTさんに僕が伝えたのは
「不安になるのは別に悪い事じゃないですよ。むしろ良い事です」
という事でした。
「不安になる理由」
Tさん
え?不安になる事が良い事?どういう事ですか?
阿部
だって、
「会社の期待に応えられるだろうか不安」
という事は
「会社の期待に応えたい」
というやる気の証ですよね?
会社なんかどうでもいいって思っていたら、そんな不安になりますか?
「現地の人達とうまくやっていけるだろうか不安」
という事は
「現地の人達とうまくやっていきたい」
という気持ちの表れですよね?
現地の人なんかどうでもいいって思っていたら、そんな不安になりますか?
「子供もまだ小さいし、妻が現地で馴染めるか不安」
という事は、
「奥さんやお子さんにも、海外生活を有意義なものにしてもらいたい」
という気持ちの表れですよね?
奥さんやお子さんなんかどうでもいいって思っていたら、そんな不安になりますか?
不安になるという事は、Tさんが海外勤務や周りの人について真面目に考えているという事ではないですか?
Tさん
!・・・確かにそうですね。
阿部
でしょう?
不安や恐怖が出て来るというのは、それだけTさんに「上手くやりたい」という気持ちがあるからです。
どうでもよければ不安なんて感じないでしょう?
それだけTさんが真剣に考えている証拠なんですよ。
Tさん
なるほど・・・
そう思うと不安になってしまうのも理解できますね。
阿部
不安は真剣さの現れ。
だから問題ではありません。
うまく扱えば、その不安がTさんに力を与えてくれます。
でも、ちょっとそれがズレてしまうと、その不安はTさんから力を奪ってしまうものになってしまうのです。
このふたつの違いは何だと思いますか?
Tさん
真剣ならば力になる。
違うものだと力を奪う。
うーん・・・
何ですかね。
阿部
それは「深刻」です。
Tさん
「深刻」・・・ですか?
「真剣」と「深刻」の違い
阿部
そうです。
「不安」のせいで「深刻」になってしまうと、それはTさんから力を奪い、結果として「望む成果」も得られなくなってしまいます。
先ほどTさんは色々な不安を感じていましたが、もしあのまま不安な気持ちが続いていたら、どうなっていたと思います?
Tさん
そうですね・・・
あのまま不安が続いていたら、モチベーションが下がっていたと思います。
そうなったら当然パフォーマンスも下がるだろうし、その結果も望ましくない者になってしまうでしょう。
阿部
そうですよね。
「不安」を前進する力に変えるのが「真剣」
「不安」を停滞、下手したら後退する力に変えるのが「深刻」
なんです。
Tさん
なるほど・・・
「真剣」になる事と「深刻」になる事は、全く別物なんですね・・・
阿部
ですね。
「真剣」と「深刻」、大きな違いは3つあります。
それは
1.「集中」の違い
2.「時間と空間」の違い
3.「存在」の違い
というものです。
Tさん
どういう違いなんですか?
1.「集中」の違い
阿部
まず
1.「集中」の違い
ですが、簡単に言うならば
真剣になっている時には集中力が増す
深刻になっている時には集中力が下がる
という事です。
Tさん
なるほど。
確かに不安から深刻になってしまうと、びくびくして目の前の事に集中できなさそうですね。
阿部
そうです。
今Tさんが言った「目の前の事に集中できない」というものが
2.「時間と空間」の違い
に繋がります。
2.「時間と空間」の違い
阿部
真剣になっている時には「今・ここ」に目が向いています。
今何をすべきか、この場所で何をすべきか、に目が向いていて、それに集中できています。
深刻になっている時には「今・ここ以外」に目が向いています。
つまり「過去」や「未来」の出来事に目が向いてしまっているという事です。
Tさん
それ、分かる気がします。
過去の失敗経験が気になったり、目標が達成できるかどうか気になってしまったりすると、確かに目の前のやるべき事が疎かになってしまいますよね。
阿部
そうですね。
「過去に失敗経験があるから、今も失敗する」
なんて論理的にあり得ないのに、なぜかそんな思い込みをしてしまう。
未来がどうなるかなんて、誰にも分からないのに、なぜか上手くいかない事ばかり考えてしまう。
どちらも
「勝手な思い込み」
なのに、その結果、実際にパフォーマンスが低下してしまって、実際に失敗してしまう。
そういう風になってしまう事って少なくないですよね。
そしてこの「勝手な思い込み」に繋がるのが
3.「存在」の違い
なんです。
Tさん
「存在」・・・ですか?
3.「存在」の違い
阿部
はい。
簡単に言えば
真剣になっている時には
「自分が持っているもの、備わっているもの」
や
「自分に無くても、他者が持っているもの、備わっているもの」
に目が向きます。
そうなると、それらを活用しようという前向きな気持ちになれるし、その結果、他者との協力関係も築ける。
自分に無いものを持っている相手に感謝できるし、それは相手にとっても嫌な事ではない。
その結果、楽に成功しやすくなります。
深刻になっている時には
「自分が持っていないもの、備わっていないもの」
や
「他者が持っていないもの、備わっていないもの」
に目が向きます。
そうなると、不平や不満が募りやすくなるし、その結果、他者との関係性も悪化して、苦しい思いをしてしまう事になります。
「在るもの」に目を向けるか「無いもの」に目を向けるか
で全く状況は変わってきてしまうんです。
Tさん
僕は完全に「無いもの」ばかりを見ていましたね・・・
今気付けて良かった・・・
阿部
社内の選考を勝ち抜いてきたんだから、Tさんに能力やモチベーションが無い訳が無いんです。
社内には応援してくれる人達もいるし、何と言っても海外勤務への挑戦を応援してくれている奥さんやお子さんもいる。
それだけTさんには、たくさんのものが「在る」んですよ。
Tさん
・・・
阿部
「うまくいくかどうか分からない。だから不安だ」
というのは完全に
「未来」を見ています。
「無いもの」を見ています。
Tさんにはたくさんのものが「在る」じゃないですか。
その「たくさんのものが在る」という「今」を、今よりほんの少しだけでも大切にしていってはどうでしょう?
Tさん
阿部さん、僕今ちょっとヤバいです。
阿部
どうしました?飲み過ぎました?
トイレ行きますか?
Tさん
いやもう、何と言うか、嬉しくてたまらないんですよ。
不安は確かにありますけど、それ以上にとにかく、自分の精一杯を出そう!っていう気持ちと、周りの人に対する感謝の気持ちが湧いてくるんです。
阿部
それを今だけじゃなくて、常に持てるように、心と行動を整えるといいですね。
具体的な方法はまた教えますよ。
Tさん
ありがとうございます!
いやあ、嬉しいなあ!
一寸先は闇。だから・・・
「一寸先は闇」
という諺があります。
未来は闇、真っ暗で何も見えません。
そこに何があるのか、誰にも分かりません。
もしかしたらそこには落とし穴があるかもしれない。危険な動物が潜んでいるかもしれない。
だから不安になってしまうのも仕方ありません。
動けなくなってしまうのも仕方ありません。
でも、もしかしたら宝物があるかもしれない。
助けてくれる仲間がいるかもしれない。
だったら、不安で怖いけれど(適切な準備はした上で)少しずつでも、前に進んでみる。
そういう選択だってできるはずです。
未来がどうなるか、誰にも分かりません。
でも今、あなたが何をするかは、あなた自身が決められます。
あなたは今、何をしますか?
あなたとあなたの大切な人の未来が、明るいものになりますように。
阿部 龍太
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