「商売の目的は売上や利益をあげること」と言う経営者が危険な理由

「ブランドデザイン」科

「いやあ、お久しぶりです」

 

先日の事。

以前お手伝いしたクライアントさんとお逢いする機会がありました。

ご飯を食べつつ近況報告。

その中の話で「そりゃそうだ」と思わず膝を打った話があったので、今回シェアをさせていただこうと思います。

 

Eさん、シェアの許可をありがとう!

 

 

とある実業家の「失敗学」

Eさんは今、いくつかの事業を運営している実業家。

成功も失敗も、いくつも経験してきました。

そして彼の失敗談の中から、あるひとつの要素が浮かび上がってきました。

 

「売上や利益を上げる事を目的としていた事業は大体失敗しました(苦笑)」

 

とEさん。

それに対して

 

「そんなの当たり前じゃないですか(苦笑)」

 

と僕。

 

そう。そんなの当たり前なんです。

 

 

売上と恋愛の密接な関係

この現世には

 

「押さば引かれる。追えば逃げられる。それが恋愛」

 

という格言があるそうです(笑)

 

商売も似たようなもの。

売上や利益を追うから、売上や利益が逃げていくのです。

実際にEさんもそうでした。

 

とは言え、商売だから売上や利益を追う事が間違いだと言うつもりはありません。

ただ、それを「主目的」としてしまう事、つまり「売上や利益を上げる事を第一目的とする事」これが問題なのだ、という事です。

 

 

では、商売の目的とは何?

先日の記事で、こんな事を書きました。

 

婚活がうまくいかない人と、商売がうまくいかない人の共通点
突然ですが僕は、商売の相談も訊きますが、それ以外の相談もお受けしています。 部下との人間関係について 子育てについて ダイエットや健康について 恋愛について ・・・ 僕でお役に立てるのであれば、何...

 

結婚する事とは、ゴール(目的)ではなくスタートである。

モノを販売する事とは、ゴール(目的)ではなくスタートである。

 

という事を書いているのですが、今回の話もこれに繋がる部分があります。

 

売上や利益を上げる事は「目的」ではない。

では、何なのか?

 

「手段」です。

 

「売上」や「利益」、則ち「お金」とは何でしょうか?

 

まあ、人によって定義は変わると思いますが、僕はお金は「使うもの」であり、つまり「ある種のエネルギー」と同義だと思っています。

 

ガソリンは燃やす(使う)からこそ自動車を動かすエネルギーを発生となります。

酸素は吸う(使う)からこそ生命を動かすエネルギーとなります(酸素だけじゃないけど)

お金も使う(支払うだけではありません)からこそ、経済や人を動かすエネルギーとなります。

 

お金は「得る」事ではなく「使う(使い方には色々な側面がありますが)」事が本質である。

そう僕は考えます。

 

つまり

 

売上や利益は「目的」ではなく「更なる目的のための手段」である。

 

という事であり、

 

「売上や利益を上げる事」を目的にするのではなく、「その売上や利益を何にどう使うのか」を考え、それを目的にする必要がある。

 

という事なのです。

 

 

息を吸うために生きてる?

上で言いました。

 

「お金はエネルギーのようなものであり。使うからこそ力を発揮する」

 

と。

 

つまりお金とは、酸素や血液と同じようなもの。

それが僕の定義です。

そうなると

 

「私はお金を稼ぐために商売をしています」

と言う人は、

「私は酸素を吸うために生きています。血液を循環させるために生きています」

と言っているようなもの。

 

このように定義できる訳です。

 

別にそれが悪いとは言いませんが、本当にそれでいいのでしょうか?

というお話です。

 

人は何かを考え、行うために、息を吸い、血液を循環させています。

そう。

「何かを考え、行う」ための「手段」として、酸素を吸い、血液を循環させているのです。

 

商売も同じ事です。

 

「何かを考え、行う」ための「手段」

つまり

「何かを実現させるための手段」

として、「売上や利益」を使う。

 

それが商売の「真なる目的」だと僕は考えています。

 

 

Eさんが気付いた、失敗の「源泉」

冒頭のEさん。

売上や利益、つまり「お金」を目的にして商売をしていた時と、「その先の目的」に向かって商売をしていた時で、明確に違いが出たのだそうです。

僕が彼をサポートしていた時、僕が彼と創った目的は、

 

「彼がその商売を通じて実現したい世界の実現」

 

というものでした。

 

彼は何を問題だと感じ、それをどう変えたいのか。

これを前提としてブランドモデルとビジネスモデルを創りました。

つまり「売上や利益」を目的にするのではなく「未来の理想の実現」を目的にした訳です。

 

その目的のために色々な行動をした結果、彼は新規事業の立ち上げや出版を成功させられ、少なからずの売上や利益を手にしる事ができたのです。

 

僕と話をしていて、Eさんは思い出したように言いました。

 

「ああ、そう言えば上手くいかなかった時は、阿部さんが言っていた『理想世界』を考えてなかったですね。

そもそも売上や利益は目的ではなく

『理想世界達成のための手段』

だったはずなのに」

 

 

あなたは何を実現させたい?

 

目的と手段を混同させる。

 

古今東西を問わず、失敗における絶対法則のひとつです。

 

あの企業も

あの偉人も

あの国家も

 

これを間違えたからこそ失墜してしまいました。

 

目的は何なのか?

そのために必要な手段は何なのか?

 

きちんと整理して、きちんと考え、きちんと行う。

それが僕の言う「正しい努力」であり、物事を成し遂げるための「王道」です。

 

目的と手段を間違えないでください。

きちんと目的に向かって歩んでください。

あなたが望んでいる理想世界への道を。

 

 

阿部 龍太

 

 

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