やってますね。サッカーW杯。
多くの人が、この時期は毎日寝不足だと思います。
個人的にはビデオ判定が導入されて、ようやくまともな「スポーツ」になったなあと好意的に観ている(判定を人間頼みにしているのはスポーツではなくただのショーだと思っていますので)のですが、そんな事よりも、この時期になるとやっぱり思うのです。
「日本人って、ポジティブな人が多いなあ」
と。
サッカー日本代表。
本大会直前での監督解任やら何やら、色々ありましたよね。
そして、そういった出来事に対して、多くの人が、批判的な意見を言っている。
その現状を見ていて思うんです。
日本人って、根本的にポジティブな人が多いんだなあ、と。
これ、皮肉でも屁理屈でもありません。
批判的な意見を言う人は、根本的にポジティブな人。
僕はそう考えています。
なぜそう思うのか?
今日はこの事についてお伝えしようと思います。
世間一般で言われている「ポジティブ」と「ネガティブ」という観点。
これらの観点について、あまり理解されていない要素があります。
そのせいで、本来の力を発揮できていない人が少なくない。
あくまでも個人的な感情ですが、それはとてももったいない事だと思うのです。
「自分(あの人)はポジティブ(ネガティブ)だから・・・」
と決めつける前に、読んでみてください。
なぜ、日本サッカーに文句を言う人がポジティブなのか?
「ポジティブ」と「ネガティブ」
というふたつの観点。
そもそも論として、この分け方に問題があるというのが僕の意見です。
僕はこの
「ポジティブ」と「ネガティブ」
というものを「4つの要素」に分類して考えています。
以前とあるセミナーで使った資料があるので、そちらをご紹介しましょう。
「4つに分ける」と言いましたが、それはつまり「ポジティブ」と「ネガティブ」をそれぞれ2つずつの観点で分けているという事です。
それは
「表面的」
と
「内面的」
という観点です。
この「表面的」とは「言葉や行動」といった
「表に出ているもの」
を表します。
そして「内面的」とは「意図」といった
「内面にあるもの」
を表します。
「表面的」に「ポジティブ」か「ネガティブ」か。
「内面的」に「ポジティブ」か「ネガティブ」か。
これらの「組み合わせ」で色々な側面が見えてきます。
A:「真の」ポジティブ
表面的、つまり「言葉や行動」も
そして
内面的、つまり「意図」も
どちらもポジティブ。
それが「真の」ポジティブという状態です。
良い例が
松岡修造さん
でしょう。
気持ちも言葉も行動も、すべてがポジティブ。
結果に囚われず、今に生きる。
コントロール出来ない事に執着するのではなく、コントロールできる事に集中する。
深刻にではなく、真剣に生きる。
そこにいるだけで、周りの人のみならず、天候にまで影響を及ぼす(あくまでも噂です・笑)
それがこの「真の」ポジティブです。
ちなみにこの松岡修造さん、彼は最初からこのエリアの住人だった訳ではありません。
彼自身、以前はネガティブ思考に囚われがちだったと言っています。
そんな自分自身を訓練する事で、内面的にも表面的にも自分自身をポジティブに変えていったのだそうです。
つまり、一部の天才だけではなく、誰でもこのエリアの住人になれる可能性があるという事、それを是非憶えておいてください。
D:「真の」ネガティブ
これは、A:「真の」ポジティブとは真逆の存在です。
つまり、内面(意図)も、表面(言葉・行動)もネガティブな状態。
この状態になると、
「無気力」そして「無行動」
になりがちです。
自分(他人)はダメな存在だ。だから何もしない。
諦めてしまって何もしない。
ある種の「引きこもり」
それがこの
D:「真の」ネガティブ
という状態です。
V・フランクルの『夜と霧』にもこれについて書かれていますが、この状態があまりにも進んでしまうと命に影響が出てきます。
希望を持てず、何もする気になれない。生きる気力を失う。
そんな悲しい事になる前に是非、対策をとってください。
対策として一番簡単にできるのは、自然の中を散歩する事。
海辺や森や山、どこでも構いません。近所の公園でもいいでしょう。
裸足になって土の上を歩いたり、砂浜だったら水着になって砂に埋もれてみるのもいいでしょう(怪我や熱中症にはお気をつけて)
また散歩に加え、自然の恵みを頂くのもおススメです。
美味しい水や食べ物といった、自然からの恵みを頂く。
見て、聴いて、触れて、匂って、味わって…
自分の「五感」全てで自然を感じるという事です。
フランクルも強制収容所で身も心も疲れ切った時、夕焼けの美しさに感動したという話を残しているように、自然には大きな力があり、そしてあなたに生きる力を与えてくれます。
「何だか疲れたな。やる気無いな」
少しでもそう感じるのであれば、是非一度出かけてみてください。
B:「一般的」ネガティブ
内面(意図)はポジティブなものの、表面(言葉・行動)がネガティブな状態。
日本サッカーに文句を言う人はこのエリアです。
内面(意図)がポジティブ、つまり心の奥底では「自分なりに良くしたい」と思っている。
つまり何らかの「希望」や「理想」がある訳です。
しかし、表面に現れる「言葉や行動」がネガティブなものになり、そしてそれによって誰か(自分や他者)を傷つけてしまう。
これがB:「一般的」ネガティブというものです。
例えば
日本サッカーに勝ってもらいたい。もっと強くなってもらいたい(意図)
↓
その結果、監督の采配や選手のパフォーマンスに文句を言う(言葉・行動)
というように、他者を傷つけてしまっている。
そしてそう言っている自分も嫌な気分になり、自分自身を傷つけてしまうのです。
逆に、上で説明したA:「真の」ポジティブであれば
日本サッカーに勝ってもらいたい。もっと強くなってもらいたい(意図)
↓
その結果、監督の采配や選手のパフォーマンスを信じ、彼らを応援する(言葉・行動)
となる訳です。
これが本当の意味での「サポーター」と言える存在ですね。
ちなみに、D:「真の」ネガティブであれば
日本サッカーに興味が無い。どうでもいい(意図)
その結果、試合やニュースもチェックしない(言葉・行動)
となる訳です(笑)
サッカーに限らず、暴言を吐く事しかできない政治屋(政治家とは言いません)や、まともな報道もできない一部のマスコミはこのエリアの存在です。
建設的な意識を持っていても、建設的な言葉や行動をとれず、意識に反して自分や他者を傷つけてしまう。
その結果、残念な方向に向かって行き着く所にまで行き着いてしまうと
ファシズムやテロリズム
に繋がってしまいます。
自分さえ良ければ、自分の理想さえ実現できれば、他人はどうなっても構わない。
となってしまう訳です。
今の日本には、ファシズムやテロリズムは表立っては存在していませんが、例えば
・「モンスター●●」と呼ばれる人達
・悪質なクレーマー
・権威や権利を笠に着る横暴な輩
これらの輩はまさに、そういった世界に片足を踏み出していると言っても過言ではないでしょう。
希望や理想がある。
でもそれを実現するために必要な事を知らないし、考えようともしない。
その結果、人を傷つけ、苦しめている。
何だかもったいないですよね。
ある意味、最も自分を傷つけ、苦しめているとも言える訳ですから。
そうならないためにはどうすればいいのか?
色々な手法がありますが、個人的におススメなものをご紹介します。
それは
「言葉や行動」に対する「意図」を考える。
という事です。
上司や部下、親子や恋人同士の様々な人間関係の中で、ネガティブな言葉や行動が出る事はあるでしょう。
その時に、その土台に、どんな「意図」があるのかを考える。
誰かを攻撃するという事は、その裏には「こうなってほしい」とか「こうあるべきだ」といった「希望」や「理想」があるのですから。
「言葉や行動」がネガティブでも、その土台にある「意図」に焦点を当てる。
その上で、相手の「行動や言葉」に対応する。
また、自分自身が言葉を発したり、行動を起こす際、その「意図」を考えてみる。
この訓練を積み重ねる事によって、他者との、そして自分自身との関係性が改善される事は少なくありません。
このように「一般的」ネガティブは、一見問題のように見えて実は、大きな可能性を持っているものなのです。
ファシズムやテロリズムのような、誰かを傷つける事ではなく、自分も他者も、共に喜び合える。
そのような関係性を築けるよう、この「一般的」ネガティブを是非上手に活用してください。
C:「一般的」ポジティブ
最後のひとつなのですが、個人的にこれは少し奥深い部分があり、そのためきちんと説明する必要があると考えています。
世間一般では「ポジティブ」と捉えられがちですが、実際はそうではない事も多々あるからです。
少し長くなってしまうと思うので、次回に改めてお伝えします。
そして、サッカー日本代表の選手やサポーター、関係者の皆さん、決勝トーナメント出場おめでとうございます。
次の試合でも、全力を尽くしてください。
阿部 龍太
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