新入生や新社会人、新生活を迎えるあなたへ贈る言葉 〜「いのちの言葉」〜

「ライフデザイン」科

偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」

このコーナーについては「こちら」からどうぞ。

 

【新コーナー】偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」 〜「情熱が持てない」というあなたへ 〜
「人の身体は、食べたものでできている」 とよく言われます。 間違いとは言いません。 でも僕は、これには100%同意できない。 「人はパンのみにて生くる者にあらず。 神の口から出る一つ一つの言...

 

さて、今回あなたにお伝えしたい「いのちの言葉」はこちらです。

 

今回は特に、新入生や新社会人、もしくはそのご家族に読んでいただきたいと思っています。

 

野球選手としての終わりは、人生のゲームセットではない。

(G.G.佐藤)

 

元プロ野球選手のG.G.佐藤さん。

彼は現役時代、3度の戦力外通告(西武・ボローニャ・ロッテ)を受けました。

一般的な言い方をするならば、3回クビになっているという事です。

現在、佐藤さんはお父さんの会社で働きつつ、自分のように戦力外となった元プロ野球選手のセカンドキャリアを支援する働きかけをしているのだそうです。

 

 

とある登校拒否児童と親御さん

少し前に、とある親御さんの相談を受けた事があります。

 

「息子が学校に行きたくないと言うんです。どうすればいいのでしょうか?」

 

それに対して僕の回答は

 

「なぜ、学校に行きたくないと言うのが問題なんですか?」

 

親御さん、びっくりしてました(笑)

 

そしてその後、

 

学校が息子さんの人生における「全て」なのか?

第三者が無理矢理に彼の人生を決めつけてしまう事が、この先の彼の人生を豊かにするのか?

あなたは息子さんにどうなってもらいたいのでしょうか?どんな人生を歩んでもらいたいのか?

それを実現するために、今、何をすべきなのか?

・・・

 

そういった質問をさせていただき、親御さんに考えていただきました。

結果、息子さんの意見を聞き入れ、自宅学習をする事になったのですが、実はその時の経験がきっかけで息子さんには夢が生まれ、その夢を叶えるために学校に戻ったとのご報告を頂きました。

「学校に行かない」という事は一見「逃げ」に見えるかもしれませんが、それが彼にとって大きな経験となった訳です。

 

 

彼が「天下人」になれた理由

突然ですが、

 

徳川家康

 

という人をご存知でしょうか?

 

恐らく日本で知らない人の方が少ないであろう歴史上の人物。

約250年という長期間、日本を支配し続けた江戸幕府の創設者です。

 

日の本に並ぶ者がいない天下人。

そんな家康ですが、彼が天下人になれたひとつの理由として

 

「逃げた」から

 

という要素がある、と僕は考えています。

 

元亀3年、12月22日

(西暦では1573年1月25日)

家康はある敵と戦をします。

 

そしてこの日は、彼の人生でtop3に入る程の危機(多分)となるのです。

 

その戦の相手は、戦国最強と謳われた

 

武田信玄

 

俗に言われる「三方ケ原の戦い」です。

 

詳細は各自で調べていただくとして、この戦いで家康は大敗し、逃走しています。

一説によれば、武田軍の約10倍の戦死者を出し、有能な武将を数多く失ったのだそうな。

 

これだけ見るとただの失敗のように見えるでしょう。

でも、冷静に考えてほしいのです。

 

もしここで彼が逃げきれずに、武田軍に討たれていたら?

 

そう。

後の江戸幕府の設立も有り得ない訳です。

 

屁理屈に聞こえるでしょうし、これだけが彼が天下人になれた理由だと言うつもりもありません。

しかしこれは、ひとつの事実ではないでしょうか。

 

「戦略的撤退」という言葉がありますが、逃げる事は別に恥でも何でも無い、僕はそう思うのです。

 

 

実は、僕も…

実は僕も、逃げた事があります。

サラリーマン時代に、数名の上司のパワハラ的な行為がきっかけで会社を辞めているんです。

 

周りの人からは

 

「大人なんだから、嫌な人とも付き合わなければいけない」

「社会人なんだから、それくらい我慢しなきゃ」

「お前にも原因がある。逃げても何も変わらない」

 

といったご意見を頂きましたが、当時の僕は受け入れる事ができませんでした。

本当に気が狂いそうだった。

今だから言えますが、あのまま続けていたら間違いなく、メディアに掲載されるような事件を起こしていた事でしょう(笑)

 

だから僕は、逃げました。

 

 

 

…それから、約20年後。

 

 

 

今、僕は、自分の生きる道を見つけ、その道を歩む事で、少なくない人へ商売や人生を豊かにするお手伝いをしています。

 

徳川家康と比べたら各方面から怒りの声が届くでしょうが(笑)、僕自身も逃げた事が、自分自身へ、そして周りの人に喜びを提供できるようになったひとつの理由になっています。

 

 

人生は、続きます。

プロ野球選手を引退したら、人生が終わる訳ではありません。

学校を卒業したら、人生が終わる訳ではありません。

会社を辞めたら、人生が終わる訳ではありません。

 

人生はその後も続くのです。

 

だから、本当に苦しいのであれば、逃げてもいい。

僕はそう考えていますし、相談を受けた時にもそうお伝えしています。

 

逃げないで頑張る事は確かに尊いかもしれません。

でも、その結果、身体や心を傷つけてしまったら?

その結果、大切な人を悲しませてしまったら?

 

頑張る事を否定するつもりはありません。

でも、それが一番尊いものではない。

 

だから、苦しければ、逃げてもいい。

逃げて、身体と心を整えて、そして逃げた経験をその後の人生に活かせばいい。

 

僕はそう思うのです。

 

 

大切なのは…

新生活を始めた新入生の方、新社会人の方。

そしてそういう方々を取り巻く大人の方々。

 

逃げる事を、恥じないでください。

 

 

大切なのは

 

「逃げないで耐える事」

 

ではありません。

 

 

 

大切なのは

 

「自分がどんな人生を歩みたいのかを考え、そのために必要な思考や言動をする事」

 

です。

 

 

もしあなたが、傷ついて、ボロボロになって、苦しい思いをしたいのであれば「逃げずに耐え続ける」という選択肢もあるでしょう。

 

でも多分、違いますよね?

あなたは、笑顔になったり、幸せになりたいのではないでしょうか?

もし、そうならば、

 

何をすれば笑顔になれるのか?

 

何をすれば幸せになれるのか?

 

そのために今、何ができて、まず何をすべきなのか?

 

を考え、実際に行動に移す。

 

だから必要であれば、逃げてもいい。

僕はそう考えます。

 

重要なのは、逃げない事や耐える事ではなく、幸せになる事、笑顔になる事。

そのために必要な思考や言動をする事。

 

もしあなたが何かで苦しくなってしまった時に、思い出していただければ幸いです。

 

新入生、新社会人のあなたの今後の人生が、素晴らしいものになりますように。

 

 

阿部 龍太

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