偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」
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さて、今回あなたにお伝えしたい「いのちの言葉」はこちらです。
神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを
与えて下さい。
(『ニーバーの祈り』より抜粋)
アメリカの神学者、ラインホルド・ニーバー。
彼の作とされている詩『ニーバーの祈り』からの抜粋です。
この詩で彼は、人間に必要な3つのポイントを挙げています。
1.変える事のできないものを受け容れる力
2.変えるべきものを変える勇気
3.変えられないものと変えるべきものを区別する賢さ
これらを「神に与えてくれるよう祈っている」
つまり、言い換えれば彼は
我々人間には、これら3つの要素が欠けている。
と言っているようなものなのです。
4000人の声を聞いて…
ニーバーが伝えてくれているこの主張は、個人的には非常に納得できるものです。
これまで商売の売上アップや上司と部下、家族との人間関係、業務システムやパソコンの使い方など色々な分野で、約4000人の人の悩みや苦しみを訊いてきましたが、苦しみが続いている人は100%と言ってもいいくらい、この3つが欠けていました。
「自分を苦しめているものが何なのか?」
が明確になっておらず、
「その中で変えられるものと変えられないものは何なのか?」
を区別できず、
「変えられるものを変えるんだ」
という勇気を持てず、それ故に
「変えられるものを変えるために必要な事」
を認識できない。
認識できないから行動もできない。
行動できないから現実は変わらない。
苦しみは続いていく。
この世の全て、と言える程僕は多くを経験している訳ではありませんが、この世のほとんど全ての事にこの事は当てはまると考えています。
変えられるものを見ず、
変えられないものばかりに囚われ、
そこに引きずられてしまう。
それはあなたの苦しみが未来永劫続く事を意味しています。
あなたの苦しみが生まれたきっかけはあなたのせいじゃないかもしれない。
でも、あなたの苦しみが続いているのは、あなた自身に理由があるのです。
厳しい言い方かもしれませんが、是非そこに気付いてほしい。
そう思っています。
人間の限界と無限の可能性
「人間には限界がある」
「人間には無限の可能性がある」
という言葉が、色々な場面で使われています。
この二つの言葉。
一見すれば逆の事を言っているように見えますが、ある意味、この「ニーバーの祈り」を違う側面で言っているように個人的には感じるのです。
人間には限界がある。
だから変えられないものは変えられない。
でも、変えられるものは変えていける。
だから人間には無限の可能性がある。
そう。
「自分を苦しめているものが何なのか?」
を明確にし、
「その中で変えられるものと変えられないものは何なのか?」
を区別し、
「変えられるものを変えるんだ」
という勇気を持つ。
そして
「変えられるものを変えるために必要な事」
を認識し、実行する。
これによって、人間は「無限の可能性」を発揮する事ができる。
僕はそう思っています。
この事は、僕が声高に主張しなくても
「エディージャパン(2015年ラグビーW杯の日本代表)」
を見ればその事はもう自明の理と言えるでしょう。
世界の弱小国だった彼らがスプリングボクス(南アフリカ代表)に勝利した「ブライトンの奇跡」は、この『ニーバーの祈り』が伝えてくれている事を、彼ら自身が乗り越えたからだと思うのです。
自分たちに欠けている点を真摯に見つめ、
その中で変えられるものと変えられないものを明確にし、
変えられるものを変えるために一所懸命努力した。
それがあの「ブライトンの奇跡」に繋がっている訳です。
そしてこの奇跡は、彼らだけに可能な事ではありません。
あなたにだって可能な事です。
あなたにだって「ブレイブ・ブロッサムズ(ラグビー日本代表に対する敬称)」のように奇跡を起こせる。
心の底から僕はそう信じています。
あなたの起こす「奇跡」が見られる日を、楽しみにしています。
阿部 龍太
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