偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」
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さて、今回あなたにお伝えしたい「いのちの言葉」はこちらです。
美しい景色を探すな。
景色の中に美しいものを見つけろ。
(フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホ)
美術に詳しい人でもそうでない人でも、名前と作品のひとつやふたつは知っているであろう、超有名な画家ゴッホ。
正確な出典先が不明なので、彼の別の言葉の意訳、もしくは誰かの創作ではとも言われていますが、誰の言葉であれ、これは我々にとても重要な事を伝えてくれています。
この言葉からは多くの事を学べると思うのですが、今日はその中からひとつ、お伝えしようと思います。
「美」はどこに在るのか?
個人的にこの言葉は
「美は日常のあちこちにある。ただそれに気付けない人がいるだけだ」
という事を指していると考えます。
この記事でもお伝えしましたが、毎日見ている風景なのに、その美しさに気付けないという事は少なくない訳です。
【参考記事】
また、ある実業家の方によると
「町を歩いていれば、儲かるビジネスのネタはたくさん転がっているのに、どうしてみんなそれに気付かないのだろう?」
という事なのだそうですが、これもまた「目の前にある美に気付けていない」という事の一例と言えるでしょう。
また、ある医師の方に伺ったのですが、
優秀な医師は、患者の言葉をただ聞くだけでなく、あらゆる身体の兆候(サイン)に気付く事で、患者が気付いていない病(の兆候)に気付く事ができるのだそうです。
「咳が出て、喉が痛くて、身体が怠いんです」
と患者さんに言われて
「では風邪ですね。お薬出しておきましょう」
と言うだけなら誰でもできる事。
確かに風邪かもしれないけれど、他の病気かもしれない。
その可能性を常に頭の片隅に持っておくべきなのだとか。
2流以下と1流のコンサルタントの違い
ちなみにこれって、コンサルタントやコーチと呼ばれる存在も同じですよね。
クライアントさんの主訴だけを聞いて、ただそれに応えるというのは、正直言って2流以下のコンサルタントやコーチと言われても文句は言えません。
「売上を上げたいんです」
とか
「ダイエットをしたいんです」
というクライアントさんに対して、それをそのまま鵜呑みして話を進めてしまうのは、コンサルタントやコーチとしてはいかがなものか、という事ですね。
なぜなら、問題の本質は、クライアントさん自身が気付いていない部分にある事が少なくないからです。
そこを無視してしまうと、例えば上記の「売上を上げたいんです」と言うクライアントさんに対して、
・売上はアップしたけれど社員との関係性が悪化した
・忙しくなりすぎて体調を崩した
というような状況になってしまう。
そういうまさに2流以下の証とも言える事例が巷には累々と並んでいるのです。
1流のコンサルタントやコーチは、クライアントさんの求める事の「更に奥に隠れている問題」をも解決する存在であるべき。
そしてそのために、できる限りのものを「観て、聴く」事、つまり
見えているものだけではなく「形無きものを観る」力
そして
聞こえるものだけではなく「聲無きものを聴く」力
が重要になる。
少なくとも僕の周りにいる一流以上と言える方々はそういう人達ですし、僕自身も常にここを意識して活動しています。
【参考記事】
さて、あなたは何を見る?
「目の前に広がる世界の中で、何に目を向けるか?」
これは僕がよく例に出す「V・フランクル」が提唱する「態度価値」というものにもつながるものです。
この「態度価値」を簡潔に言うならば
どのような世界に投げ出されたとしても、どのような態度でいるかは自分で選べる。
そしてそれによって発揮される価値も変わって来る。
という事です。
つまり、自分が置かれている状況で
何を観るか、
何を聴くか、
何を感じるか、
何を考えるか、
何を決断するか
は自分で決められるし、その結果起こる行動によって世界に発揮されるものが変わって来る、という事です。
あなたの人生には、様々なものが置かれています。
喜びを感じるもの
哀しみを感じるもの
怒りを感じるもの
・・・
様々なものがあなたの目の前に置かれています。
その中から、何を選ぶのか。
何を磨き上げるのか。
それはあなたが決める事です。
でも、どうせ自由に決められるのであれば、ゴッホが
「景色の中に美しいものを見つけろ」
と言うように、あなたの人生の中で、あなたにとって美しいと感じるものを見つけてほしい。
心からそう願っています。
阿部 龍太
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