コーチングを学ぼうとする全ての管理職の方へ送る言葉 〜「いのちの言葉」〜

「ライフデザイン」科

偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」

このコーナーについては「こちら」からどうぞ。

 

【新コーナー】偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」 〜「情熱が持てない」というあなたへ 〜
「人の身体は、食べたものでできている」 とよく言われます。 間違いとは言いません。 でも僕は、これには100%同意できない。 「人はパンのみにて生くる者にあらず。 神の口から出る一つ一つの言...

 

さて、今回あなたにお伝えしたい「いのちの言葉」はこちらです。

 

「愛とは、互いに見つめ合う事ではなく、共に同じ方向を見つめる事である」

(アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ)

 

『星の王子様』で有名なサン=テグジュペリ。

彼の別の作品『人間の土地』での一言です。

 

 

この世のほぼ全ての「土台」となるもの

これは非常に個人的な意見なのですが、結局、世の中のほとんど全ての事って

 

コミュニケーション

 

が土台となると思うんです。

 

商売も

スポーツも

恋愛も

ファッションも

政治も

全ての土台に「コミュニケーション」が鎮座しています。

 

コミュニケーションを軽視し、無下に扱うから、上手くいかない。

コミュニケーションを重視し、丁寧に扱うから、上手くいく。

 

売上に悩む経営者の方

記録に悩むアスリートの方

子育てに悩む主婦の方

パソコンの使い方に悩む社員の方々

色々な方の相談を、今まで4000人以上受けてきていますが、どんな人のどんな悩みであっても、この事はほぼ当てはまると確信しています。

 

コミュニケーションを丁寧に行う。

もちろん「言うは易し、行うは難し」ではありますが、これさえできれば、全てとは言わないけれど、人生に喜びを感じられるくらいのものは得られると思うのです。

 

そのために非常に参考になるものだと僕が認識しているのが、このサン=テグジュペリの言葉です。

 

 

目線の違いは、心の違い

今までコーチングやカウンセリングを色々学んできましたが、その中でも個人的納得度トップ5に入るものがあります。

それは

 

「優れたコーチは、相手に対して興味を持つのではなく、相手の興味に興味を持つ」

 

というもの。

 

一休さんの頓智みたいですけど、分かります?

 

相手、つまりクライアントさん自身に興味を持つのではない。

クライアントさん自身が持っている興味、欲しているもの、避けたいもの、叶えたい願い、そこに興味を持つ、という事。

 

サン=テグジュペリの言葉を借りるのであれば、

 

相手と向き合う(相手だけを見る)のではなく、

 

相手が見ている方向を一緒に見つめる(相手が見ているものを見る)事

 

それが愛(のひとつの側面)であり、優れたコーチ、優れた指導者にとって必要な要素なのだ。

 

という事になります。

 

これは、思想家のマルティン・ブーバーの言う「ふたつの関係性」にも当てはまるものです。

彼は、人間の関係性を

 

「我ーそれ」の関係性

 

「我ー汝」の関係性

 

というふたつに分けて考えています。

 

「我ーそれ」の関係性は、相手を道具として見る関係性であり、そこにあるのは

「己だけの喜び」

です。

 

それに対して「我ー汝」の関係性は、相手を自分と同じ生命として見る関係性であり、そこにあるのは

「相手と共に喜び合う事」

です。

 

「相手と共に喜び合う」

 

ためには、サン=テグジュペリの言う

 

「相手と共に同じ方向を見つめる」

 

という姿勢が必須であり、そして僕が学ばせてもらった

 

「相手の興味に興味を持つ」

 

という姿勢が必須となるという訳です。

 

そしてこれは、商売でも同じ事です。

 

お客様が何を欲しているのか、何をすれば喜んでもらえるのか、という

「お客様が見ているもの」

を見る。

 

お客様を

「自分の売上のための道具」

として見るのではなく、

「共に喜び合う仲間」

として見る。

 

サン=テグジュペリもブーバーも、本当に大切なことを我々に教えてくれているのです。

 

 

あの人はなぜ、コーチングを学んでも上手くいかないのか?

これまで何人かの方から

「コーチングを学んでいるけれど、なかなか上手くいかない」

という相談を受けた事があります。

 

色々な分野の経営者や管理職の方々。

皆、仕事に関しては能力が高い。

そんな人達がコーチングを学んでいる。

 

しかし。

 

ある人は部下との関係性に悩み、

またある人は顧客との関係性に悩み、

そしてまたある人は家族との関係性に悩んでいる。

 

忙しい中、時間を作って、一所懸命勉強しているのに。

なぜ上手くいかないのか。

 

その根底には、上でお伝えした「目線の違い」があるように個人的には思うのです。

 

例えば

・売上を上げるために、部下を道具として利用しようとしている

・売上を上げるために、部下が最も力を発揮できる場を作ろうとしている

こんな違いがあったらどうでしょうか?

 

どんなコミュニケーションスキルを学んでも、このコミュニケーションの「土台」が違っていれば、当然得られる結果も変わってきます。

実際に、この「目線の違い」について説明し、「目線を変えるための方法」を教え、実行してもらった所、全ての人において劇的な変化が起こっています。

 

コーチングのような、コミュケーションの技術が無駄だと言うつもりは全くありません。

しかし、いくら「立派なスキル」という「絢爛豪華な上屋」を建てても、土台が脆弱であればただの「砂上の楼閣」です。

目には見えないから多くの人は軽視してしまいますが、この「土台」次第でその上のすべてが変わります。

 

是非、意識してみてください。

世界が一変しますから。

 

 

阿部 龍太

 

 

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