偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」
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さて、今回あなたにお伝えしたい「いのちの言葉」はこちらです。
あんたの一番こわいことってなあに?
(ジョジョの奇妙な冒険 第一部「ファントム・ブラッド」より抜粋)
いじめられっ子の少年ポコ。
いじめっ子を前にすると怖くて目も合わせられず、その度に姉に助けられている臆病な少年ポコ。
その姉に質問されたのがこの言葉です。
この言葉の後、姉はポコの頬を平手で打ち、そしてこう言葉を続けます。
一番こわいのはこの痛みなの?
痛みってこわい?
あんた、いつまでも…
大人になっても
ひとりじゃなんにもできない方が
もっとこわいとは思わないの?
「自分にとって本当に怖い事は何なのか?」
村が悪者に襲われた時、少年ポコは姉のこの言葉を思い出します。
自分が傷つくのは怖い。
でも村が、そして姉が悪者に襲われるのはもっと怖い。
だからポコは、姉を守るために自分の身を危険に晒して行動しました。
結果、彼は傷を負いつつも村を、そして大切な姉を守れたのです。
「あなたの一番怖いもの」は何?
常に、という訳ではありませんが、メンタルトレーニングの際に、この質問をする時があります。
なぜならば、少なからずの人は「その人にとっての本当に怖いもの」を勘違いしているからです。
例えば商売人にとって「他者の評価」は、確かに軽視できないものでしょう。
しかし、それだけを見てしまうと、もっと重視すべきものを忘れてしまう事になりかねません。
その結果として「他者の評価」も得られなくなってしまう。
捏造や偽装で己の名を汚している企業が雨後の筍の如く出没している現状を見ていれば、ご理解いただけるものでしょう。
まあ、別にいいんですよ。
捏造や偽装をしてまでも欲しいもの、大切にしたいものがあるのでしょうから。
お金
名声
羨望の眼差し
・・・
そりゃあまあ、あったら嬉しいですよねえ(笑)
でも、それが本当に欲しいものなのか?
逆を言えば、それを失くす事が本当に怖い事なのか?
一度考えてみてほしいのです。
何故ならば、失くしてしまってからでは遅いから。
すべて、とは言いませんが、基本的に失くしてしまったものは戻ってきません。
特に信用のような、目に見えにくいものならば尚更。
しかし、多くの方が、そういうものを平気で失くす、いや捨ててしまう。
僕なんぞより高学歴で、能力も高いはずの人が簡単に捨ててしまうのです。
捏造記事を発表したあのマスコミも
製品の品質を偽装したあのメーカーも
不正を働いたあの官僚や政治屋も
僕なんぞより、学歴も、能力も、経験も豊かなはずなのに、です。
もちろん、分かっていて捨てるのであればまだいいでしょう。
問題なのは、分かっていないのに捨ててしまう事です。
後になって「こんなはずではなかったのに」となってしまうのが一番問題なのです。
プロフィールにも少し書いていますが、
「自分にとって本当に大切なもの」
「自分にとって本当に怖い事」
これらを何も考えず、目先の事に一喜一憂した結果、本当に大切なものを失ってしまう人を何人も見てきました。
「生きていればやり直しはきく」
と言う人もいますが、目先の事に一喜一憂した結果、命すら失ってしまった人もいました。
そして、それがその人が本当に望んでいる事だとは僕には思えないのです。
自己啓発やコーチングの世界では
「自分の欲しい物を明確にする」
という事がよく言われています。
それはそれで大切な事ではありますが、その逆
「自分にとっての恐怖を明確にする」
という事を考えるのもひとつの方法です。
何が欲しいのか?
何を達成したいのか?
も大切な質問ではありますが、それと同時に
何を失いたくないのか?
何が怖いのか?
を考える。
人によりますが、人生をより愉しむために役立つ質問ですよ。
よろしければ、お試しあれ。
あなたの人生が、より愉しいものになりますように。
阿部 龍太
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