偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」
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さて、今回あなたにお伝えしたい「いのちの言葉」はこちらです。
人生は「よろこばせごっこ」
(やなせたかし)
関連商品の総売上額が1兆円を超える超ヒット作品
『アンパンマン』
その生みの親として知られているやなせたかしさん。
彼は若かりし頃、コンプレックスの塊だったそうです。
勉強はできたけれど、病弱で運動は苦手。
絵を書くのは好きで、漫画家になったものの、自分より上手い人は周りにごろごろいる。
1973年、54歳の時に絵本『あんぱんまん(当時はひらがなだったそうです)』を発表した時も、周りからは非難ばかり。
自信を失う事ばかりだったそうです。
でも、好きな事だから、コツコツと努力する事も辛くなかった。
その結果、多くの人に喜んでもらえるようになった。
得意な事、好きな事で喜んでもらえて、自分も嬉しい。
だからもっと喜んでもらおうと頑張れる。
また喜んでもらえた。嬉しい。
もっともっと頑張れる。
・・・
そういう「善循環」を、やなせさんは
「よろこばせごっこ」
と呼んでいます。
彼のこの概念は、僕のメンタルトレーニングやブランディング等の全ての活動の土台のひとつとなっているものです。
自分を喜ばせる。
他者を喜ばせる。
この双方を成立させる。
それが商売においても、人生においても、豊かさをもたらしてくれるものだからです。
逆に、商売や人生でうまくいっていない、豊かさを感じていない人は、この「よろこばせごっこ」ができてない事が多い。
それどころか逆に「嫌がらせごっこ」をしている人も存在します。
自分に嫌がらせをしている。
他者に嫌がらせをしている。
それで「売上が上がらない」とか「幸せになれない」と苦しんでいる。
ちょっとちょっと、待ってくださいよ。
当たり前じゃないですか(苦笑)
という話なのですが、なかなか本人はこの事に気付けない訳です。
なぜ気付けないのでしょうか?
いくつか理由はあるのですが、そのひとつは
「自分の現状、今いる場所を分かっていない」
というものです。
現在位置が分からなければ、いくら地図を見ても目的地にはたどり着けません。
いくらマーケティングを勉強しても、コーチングやセラピーを勉強しても、何の効果も得られないのはこの点にひとつの原因があると思うのです。
という訳で、この図を見てください。
やなせさんの言う「よろこばせごっこ」とは
「自分の喜び」と「他者の喜び」が両立している状態(上記Aのエリア)です。
そして残念ながらこれ以外のエリアは全て、誰かを苦しめるものになっています。
他者のために自分を傷つけ、すり減らす
「B:自己犠牲」
自分だけで他者の事を考えない
「C:ひとりよがり」
自分も他者もどちらも辛くなるだけの
「D:苦行」
この十数年で4000人以上の人の話を聞いてきて、上手くいっていないという人はほぼ全て(完全に個人的な感覚では100%)このどこかに当てはまっています。
こうして偉そうな事言っている僕自身も、これら「B:自己犠牲」も「C:ひとりよがり」も「D:苦行」も、全てを経験してきています。
そして当然ですが、これらの経験をしているときは、苦しかった。
でも、その時は気付けてなかったのです。
自分がなぜ苦しいのか。
この図のどこにいるのか。
どうすれば現状を脱する事ができるのか。
気付けていなかったのです。
だからこそ、今の自分がいる場所に気付き、そして「A:よろこばせごっこ」に少しでも近づけられるよう、自分の人生におけるあらゆるポイントを改める事が重要だ、と僕は思うのです。
『アンパンマンのマーチ』に
なんのために 生まれて
なんのために 生きるのか
(『アンパンマンのマーチ』より抜粋)
という詞がありますが、やなせさんがこの詞を通じて僕たちに伝えたい事は「よろこばせごっこ」ではないかと思うのです。
もし今のあなたが苦しい思いをしているのであれば、少し時間を取って考えてみてほしい。
自分と他者、双方を喜ばせているか?
自分もしくは他者に、嫌がらせをしていないか?
もしそうであれば、今の自分は何をどう変えるべきか?
是非一度、考えてみてほしいのです。
最後に、彼の言葉を紹介します。
人は、人がよろこんで笑う声を聞くのが一番うれしい。
だから、人がよろこび、笑い声を立ててくれる漫画を長く描いてきた。
自分が描いた漫画を読んで子どもたちがよろこんでくれる。
その様子を見て、自分がうれしくなる。
こうしてよろこばせごっこができることが本当に幸せだ。
あなたは何をして、よろこばせごっこをしていますか?
(『やなせたかし 明日をひらく言葉』より抜粋)
今「よろこばせごっこ」ができていなくてもいいのです。
これから始めればいい。
だから今、決めてください。
これから「よろこばせごっこ」を始める、と。
さあ、あなたは何をして、よろこばせごっこをしていきますか?
阿部 龍太
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