世界最強のブランドが教えてくれる「人気者になるための道」

「人気」を得るためのふたつの道 「ブランドデザイン」科
「人気」を得るためのふたつの道

「人気」とは何なのか?

 

という事について考えてみた前回の記事

記事の最後に

 

ブランディングを適切に行う事で、認知度と関心度が適切に高まり、その結果「人気」を得られる、という訳です。

(記事より抜粋)

 

とお伝えしましたが今回はその「適切に行う」という事、つまり

 

「人気」を得る方法

 

について考えてみようと思います。

 

まだ前回の記事を読んでないのであれば、目を通しておいてください。

 

「人気があれば売れる」という誤解

 

 

人気を得るための「道」

結論から言うと、「人気」を得るためには二つの道があります。

以下の図を見てください。

 

「人気」を得るためのふたつの道 「人気」を得るためのふたつの道

 

スタートは「John Doe」つまり「誰も知らない状態」です。

そしてここから二つの道が広がります。

 

 

ルート1:紙の道(D→B→A)

D→B→A、つまり「Paper Tiger」を経由して「Star」を目指すという道です。

 

とにかく出来るだけ多くの人に知ってもらう。そうすればその中から一定数は好きになってくれるだろう。

という考えです。

TVのCMや新聞や雑誌の広告みたいなものですね。

 

そしてこれは間違いではありません。

実際にこれを勧めているコンサルタントの方もおられますし、僕も(ある条件では)この方法を採用する場合もあります。

 

ただ、これは基本的には「厳しい方法」です。

 

出来るだけ多くの人に知ってもらうという事は、当然ですが金銭や労力やエネルギーの「コスト」が必要となります。

それだけ「コスト」をかけた結果、どれだけの人に好きになってもらえるか?

・・・なのですが、この「効果」がなかなか出にくい。

つまり、非常に「危険な賭け」になっているのが現状なんです。

何億もかけて大手広告代理店が作った広告が驚く程失敗しているのも、この道を辿っているという事がひとつの要因となっているからです。

 

なぜ「危険な賭け」になってしまっているのか?

この理由は色々な人が色々な場で色々な事を言っているので、ここで僕が細かく言う必要は無いでしょうけど、ひとつ言うならば

「欲望の多様化」

が進んでいるからだというのが僕の意見です。

 

不特定多数の人が、多様な欲望を持っている。

そこに何かの商品なりメッセージを送っても、受け取ってもらえる可能性は非常に低くなってしまうという事です。

マーケティングで「顧客層を絞れ」というのはここにひとつの理由があったりする訳です。

 

詳しくは機会があればまたお伝えしますが、ここで言いたいのは

無理に危険な賭けに乗る必要は無い

という事であり、ちょっと歩くだけで破れてしまう、脆い「紙の道」を歩かなくてもいいのでは、というのが僕の意見です。

 

 

ルート2:神の道(D→C→A)

では、どうすればいいのか?

僕がお勧めしたいのがこのルートです。

 

まずはごく少人数に好きになってもらう。コアなファンになってもらう。

認知度を広めるのはその後。

それがこのルートです。

 

前回の記事でも例に出したAKB48だって、このルートを辿っています。

まず秋葉原でコアなファンを作り、そこから一般の世界に飛び出していった。

今や国外にも広がっていますよね。

 

彼女らに限らず、このルートは多くの商品、多くの人が辿っています。

世界一人気のあるブランドでもある、あの集団も。

それがこの「神の道」の名の由来でもあるのです。

 

 

世界一のブランドが辿った「神の道」

僕が考える「世界一人気のあるブランド」

それは

 

キリスト教

 

です。

 

ファン(信者)の数は20億を超える、世界最強のブランドです。

(これ以上にファンを持つブランドがあれば僕に教えてください)

 

キリスト教もこの道を歩んでいます。

(だからこその「神の道」なのです)

 

キリスト教は、正確に言えばイエス・キリストが広めたものではありません。

キリストには最初、ごく少数のコアなファン(信者)がいました。

12使徒と呼ばれる人達を中心としたメンバーです。

 

キリストが磔刑に遭った後、彼らが中心となってキリスト教を世界に広めました。

その結果、約2000年経った今では20億以上のファン(信者)がついた超メガブランドとなったのです。

 

ちなみに、キリスト教に限った話ではありません。

仏教も同じです。

 

仏教は、正確に言えば仏陀が広めたものではありません。

仏陀入滅後、彼のコアなファン(信者)だった「10大弟子」が仏陀の教えをまとめ、彼らが中心となって広めたものです。

その結果、約2000年経った今では4億以上のファン(信者)がついたメガブランドとなりました。

 

まず関心度の高いコアなファンを作り、そこから認知を広めていく。

 

僕がブランディングをお手伝いする時は、必ずこのルートを辿るようアドバイスしています。

ルート1(紙の道)と比べると危険性も低く、きちんとやれば誰でも成果を出せるからです。

 

上でお伝えしたようにアイドルグループのAKB48もこの道を歩んでいますし、それ以外ですとアップルや昔のソニー、スノーピークやジャパネットたかた、奇跡の林檎で有名な木村さん等が有名ですね。

これらのように「まずコアなファンを喜ばせ、そこから広い世界に出る」という方法でうまくいっている事例は、今の時代に合っていると僕自身は考えています。

 

それにね、時代に合っているかどうか以前に、個人的に思うんですよ。

 

クサい台詞かもしれませんが、少数の人に、それこそ一人の人に愛されないブランドが、多くの人に愛されますか?

そんな訳ありませんよね?

 

まず一人の人を幸せにする。話はそこからだと思うんです。

 

…クサいかな、やっぱり(笑)

 

 

1億越えの男が教える「ブランド」の話

クラウドファンディングの世界で1億円以上を獲得した、絵本作家でお笑い芸人の西野亮廣さん。

彼の話がとても興味深いので、最後に少しシェアしようと思います。

 

クラウドファンディングについて書かれたこのブログ記事で、彼は

 

どうやら、「有名人だから、お金が集まる」というわけでもない。

 

「お金」とは信用を数値化したものだ。

 

『好感度』と『信用』、『認知』と『人気』は、それぞれまったく別物だ。

(以上、「魔法のコンパス」キングコング西野オフィシャルダイアリーより抜粋)

 

と言っています。

 

西野さんの言葉を借りて僕の伝えているブランドについて言うならば

 

テレビに出ている芸能人のように多くの人に知られていない(認知度が低い)、そんな一般人でも、信用があればブランドになれる。

 

という事になります。

 

西野さんはこの記事の最後に、クラウドファンディングで勝つための答えとして

 

信用を勝ち取ることだ。

(「魔法のコンパス」キングコング西野オフィシャルダイアリーより抜粋)

 

と言っていますが、これは何もクラウドファンディングに限った話ではなく、僕の言っているブランドも全く同じ事です。

 

ブランドを構築するためには「信用」を得る事が必要です。

「信用」があるからこそ、多くのお金を支払っていただける。

それが商売としてのブランドです。

 

ではどうすれば「信用」を得られるのか?

それを次回に考えてみたいと思います。

 

 

阿部 龍太

 

 

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