頑張れば頑張るほど失敗するブランディングの「3つのポイント」

「ブランドデザイン」科

この記事でもお伝えしているように、ブランドを構築できれば、とっても美味しい事になります。

でも現実問題、その「美味しさ」を得られていない人もおられる訳です。

じゃあ、そういう人は何もしていないのか、怠けているのか、という話になるんですが、必ずしもそうとは言えないのです。

 

自分としては頑張っているつもりなんだけど、ブランドが形にならない。

その原因をひとことで言うならば、こちらの記事でもお伝えしているように

ブランディングにおける「正しい努力」ができていないから

となるのですが、それをもう少し具体的にお伝えするのであれば、

「ブランディングが上手くいかなくなる3つのポイント」

というものがあるのです。

 

この3つのポイントを疎かにしてしまうと、頑張っても成果は出ない、いや、

頑張れば頑張るほど、ブランドに傷がついてしまい、商売が傾いてしまう。

そういう状況に陥りかねません。

 

今日はその事について、お伝えしようと思います。

という訳で、今日もこのお二方に登場していただきましょう。

 

ニャオ・ブランドー(♂)

猫界の頂点に成り上がるべく、ブランディングが必須だと考えている猫。

好きな食べ物はしらす。今まで食べたしらすの数は覚えていない。

なお某漫画のキャラクターとは何の関わりもない(荒木先生ごめんなさい)

 

阿部龍太(♂)

エコブラ塾長。

ブランディングプランナーとして、経営者や商品等のブランディングをサポートしているヒト科オッサン目。

好きな食べ物はお鮨。赤身と光り物が特に好き。

好きな言葉は「人間讃歌」

愛読書はもちろん『ジョジョの奇妙な冒険』(特に2部・5部・7部)

ニャオ・ブランドー

ねえ、塾長

 

エコブラ塾長・阿部

何ですかニャオさん?

 

ニャオ・ブランドー

ぼくの知り合いのスピードニャゴンって奴が、油屋をやってるんだけど、ブランディングに苦戦してるみたいなんだニャ。

何とかならないかニャ。

 

エコブラ塾長・阿部

なるほど。

ニャオさんのお知り合いなら私にとっても知り合いも同然。

一肌脱ぎましょう。

 

エコブラ塾長・阿部

ブランディングが上手くいかないのは、色々な理由があると思うんですが、その中でも特に重要なのに軽視されがちなものが3つあるんです。

それについてお伝えしましょう。

 

 

1.コンセプトがズレている

エコブラ塾長・阿部

まず多いのがこれ。

「コンセプトがズレている」

というものです。

 

ニャオ・ブランドー

その「コンセプト」ってそもそも何なのニャ?

よく聞く気もするけど、イマイチよく分からないニャ。

 

エコブラ塾長・阿部

確かにそうかもしれません。

知っているようでよく分からない。

「コンセプト」に限らず、それって一番危険ですよね。

「幸せ」とか「成功」とかもまさにそうですよね。

 

ニャオ・ブランドー

そうかニャ?

しらす大盛食べられたら幸せだし成功じゃないのかニャ?

 

エコブラ塾長・阿部

ニャオさんは絶対いい人生、いや猫生送れますね。

いや、冗談でも皮肉でもなく、幸せになれない人って絶対的にニャオさんみたいな視点が抜けてるんですよ。

ってこれは今回のテーマとズレるのでまた別の機会にしましょう。

エコブラ塾長・阿部

で、話を戻して「コンセプト」なんですけど

エコブラ塾長・阿部

僕の考える「コンセプト」とは

・目的地を明確にし

・目的地に辿り着くためのパワーを補給し、

・目的地に向かう道筋を見極め

・壁にぶつかった時にスムーズに方向転換ができる

というようなものです。

エコブラ塾長・阿部

言ってみれば車みたいなものです。

ハンドルの役割も、

エンジンの役割も、

ガソリンの役割も、

カーナビの役割も、

全てを持っている。

エコブラ塾長・阿部

そして、

スポーツカー

トラック

ファミリーカー

特殊車両

といったように、
必要とされる目的によって、
色々な種類の車がある。

エコブラ塾長・阿部

それが僕の考える

「コンセプト」

というものです。

エコブラ塾長・阿部

コンセプトがズレているというのは、喩えるならばブルドーザーでF1レースに出るようなもの。

どんなに高性能なブルドーザーでも勝てる訳がありません。

逆に最高のF1カーも、工事現場では何の役にも立ちません。

そんな事をしている人、もっと言えばそもそもこういった「コンセプト」についてきちんと考えられていない人が少なくないんです。

 

ニャオ・ブランドー

何が目的で、

そのためにどんな車に乗るのか。

それをきちんと見極める事が重要なんだニャ。

 

 

2.メッセージがきちんと伝わっていない

エコブラ塾長・阿部

そしてふたつめのポイントは

「メッセージがきちんと伝わっていない」

というものです。

 

ニャオ・ブランドー

どういう事かニャ?

 

エコブラ塾長・阿部

これはもう単純な話で、

「伝えたい事が相手にその通りに伝わっていない」

という事です。

エコブラ塾長・阿部

純粋に「何を言っているのか分からない」という意味もあるのですが、ここではもう一つの意味、

「伝えたい事のズレ」

についてお話しましょう。

エコブラ塾長・阿部

これは例えば、

「自然を守りましょう!」

と言っている人が、すごい燃費の悪い車に乗って、排気ガスをまき散らして、ゴミをポイ捨てしていたらどうでしょうか?

その時点でもうそのメッセージは伝わりませんよね?

 

ニャオ・ブランドー

言ってる事とやってる事がズレてるニャ。

もはやコントだニャ。

 

エコブラ塾長・阿部

そう。この

「一貫性の無さ」

「メッセージのズレ」

を生み出し、それが

「ブランディングが上手くいかない」

という結果に繋がるのです。

エコブラ塾長・阿部

これ、実際にあった話なんですけど、

ニャオさんご存知のように僕、アップルパイ好きじゃないですか。

 

ニャオ・ブランドー

「リンゴは主食」

ってよく言ってるもんニャ。

 

エコブラ塾長・阿部

まあ僕にとっては桃も主食なんですけど、その話は今はいいでしょう。

で、とあるケーキ屋(まあまあ有名なお店)で

「特製アップルパイ」

を見つけたんです。

エコブラ塾長・阿部

リンゴ好きの僕としては当然気になる訳です。

で、店員さんに聞いたんです。

「このアップルパイ、リンゴは何の品種を使ってるんですか?」

と。

 

ニャオ・ブランドー

まあ、当然だニャ。

しらすの産地は、僕も気になるしニャ。

 

エコブラ塾長・阿部

ですよね?

そしたら店員さんの答えが

 

「わかりません」

 

エコブラ塾長・阿部

もちろん買わずに帰ってきましたよ。

 

ニャオ・ブランドー

「特製」が聞いてあきれるニャ。

 

エコブラ塾長・阿部

こんな風に

「言ってる事」

「やってる事」

がズレてたりする、つまり

「一貫性が無い」

と、ブランドは絶対に形になりません。

エコブラ塾長・阿部

でも、ここまで分かりやすくはないとしても、こういう会社やお店って、少なくないんですよ。

エコブラ塾長・阿部

商品やサービスそのものの質は悪くないのに、その質の良さが伝わらない。

だからブランドになれず、労力の割に売上も上がらず、苦しい思いをしてしまうんです。

 

ニャオ・ブランドー

ニャルほど。

コピーライティングとか学んでも上手くいかないのは、そういう所に原因があるんだニャ。

 

エコブラ塾長・阿部

さすがニャオさん。

Exactly(そのとおりでございます)

道具はあくまでも道具。

いくら高性能な道具でも、使い方を間違えたら何にもならないんです。

 

 

3.ブランディングにおける視点がひとつしかない

エコブラ塾長・阿部

そして重要なのに軽視されやすい3つめのポイント

それが

「ブランディングにおける視点がひとつしかない」

というものです。

 

ニャオ・ブランドー

「ブランディングの視点」?

「ひとつ」?

どういう事かニャ?

 

エコブラ塾長・阿部

ブランディングをする際には、必ず

「ふたつの視点」

が必要です。

エコブラ塾長・阿部

一つ目が

「外側に向ける視点」

というもの。

「アウターブランディング」

とも言われるものです。

エコブラ塾長・阿部

世間一般で言われている

「ブランディング」

とは、この事を指します。

 

ニャオ・ブランドー

ニャるほど。

お客様とか取引先とかメディアといった

「自分の外部の存在」

に目を向けるという事なんだニャ。

 

エコブラ塾長・阿部

おっしゃる通りです。

そしてもうひとつ。

これが今回取り上げる

「重要なのに軽視されがちなもの」

なんです。

エコブラ塾長・阿部

それが

「内側に向ける視点」

というもの。

つまり

「インナーブランディング」

というものになります。

 

ニャオ・ブランドー

内側って事はつまり

社員やスタッフ、そして自分自身

に目を向けるって事なのかニャ?

 

エコブラ塾長・阿部

その通りです。

例えば、素晴らしい商品やサービスを提供して、お客様に喜ばれている。

でも、社員を残業させまくって、それに対して何のサポートもせず、社員は心身共に疲れ切っている。

そんな会社、どう思います?

 

ニャオ・ブランドー

うーん・・・

何か違うニャ。

なんて言うか、ブラックな感じがするニャ。

 

エコブラ塾長・阿部

そうなんです。

大切なお客様を喜ばせる商品やサービスを生み出す人は誰なんだ、という話なんです。

エコブラ塾長・阿部

今の時代、誰かの犠牲の上に成り立つ幸せは、なかなか成り立ちにくくなっています。

お客様を騙す事も、自分自身を偽る事も、両方アウトなんだという事です。

エコブラ塾長・阿部

お客様を大切にする事と同時に、一緒に働く社員やスタッフ、そして自分自身も大切にする。

当たり前の事なのですが、当たり前すぎて軽視されている現状があるんです。

エコブラ塾長・阿部

その結果、

優秀な社員が辞めてしまったり、

自分自身が身体を壊したり、

モチベーションが下がってしまったり

結果として、商売が立ち行かなくなってしまう。

そういうお店や企業が少なくないんです。

 

エコブラ塾長・阿部

ちなみに先ほどお伝えした、名付けて「アップルパイ事件」も、この

「インナーブランディング」の軽視

が根本にあります。

エコブラ塾長・阿部

「特製」と銘打つのであれば、企業としては売りたい商品のはず。

ならばそのための製品情報くらいは現場の販売スタッフと共有するべきですよね。

エコブラ塾長・阿部

そして実はあの時、僕が質問した店員さんは、上司の方に聞きに行ってくれたんです。

でも、その上司すら分からなかったんですよ。

情報が全く現場に共有されていなかったんです。

エコブラ塾長・阿部

先ほどのブラック企業の例も、この「アップルパイ事件」もそうですが、

外面ばかり気にして、中身がスッカスカ。

そんな商売が、誰を幸せにするのか?

僕には不思議でならないのです。

 

ニャオ・ブランドー

ニャるほどなあ。

確かにキレイにお化粧して、キレイな服を着ても、睡眠不足とか、バランス不足な食事で健康状態が悪かったり、もっと言えば性格が悪かったりしたら、つまり身体や心の内面も美しくなければ、本当の美しさなんて手にできないもんニャ。

そうならないように早速しらす大盛り食べて、ひなたぼっこしながらしっかり毛づくろいしてしっかり寝るニャ。

 

エコブラ塾長・阿部

ニャオさん、それはいつも通りなのでは・・・

 

 

編集後記(まとめ)

いかがでしたか?

「頑張れば頑張るほどうまくいかなくなる、ブランディングの3つのポイント」

についてお伝えしました。

もちろんこれだけではなく、他にもポイントはありますが、でもこの3つさえしっかり押さえておけば、ブランディングは形になります。

逆を言えば、もし今上手くいっていないのであれば、この3つのどれかにズレがあると思ってもらって間違いはありません。

 

もちろん、薄利多売で、歯を食いしばって儲けたいのであれば、これらは無視してもらって構いません。それはそれでひとつの手段ですから。

でも、楽に儲けて、楽しく生きていきたい。そう望まれるのであれば、是非一度考えてみてほしいのです。

 

あなたなりの、あなたにしかできない事で、自分も、周りも、大切にする事。

そしてそれをきちんと伝える事。

一貫性を持って行動し続ける事。

これらがこれからの時代のブランディングにおける最も重要な基礎になります。

外面ばかりを気にして内面を軽視し、他者や自分自身を偽る、そんな

「旧石器時代のブランディング」

からそろそろ卒業してもいいのではないでしょうか。

 

あなたが「喜ばれる事が喜び」と感じる人なのであれば、今回お伝えした3つのポイントは必ずあなたに力を与えてくれます。

あなたの周りの人の、そしてあなた自身の笑顔が見られる事を楽しみにしています。

 

阿部 龍太

 

 

 

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