「どのようにブランドを構築すればいいのか」
「どうすれば売上を上げ続けられるのか」
「どうすればファンが増えるのか」
仕事柄、そういう質問を受ける事が多々あります。
ちなみに
「ブランド構築が上手くいく方法」
はその人の数だけ存在します。
人によって現在の場所も、目指す場所も、歩む道も違うのですから当然です。
上手くいく方法は数多く、それこそ無限に存在すると言っても過言ではありません。
でも、不思議な事に
「ブランド構築が上手くいかない方法」
は、それほど多くはありません。
今日は、そのひとつをお伝えしようと思います。
「いい人」が、あなたのブランドを、殺す。
商売とは、お客様のためにあるもの。
お客様に価値を提供するから商売は成り立つ。
だから、お客様のために尽くす。
なんて素敵な意識でしょうか。
でも、その意識こそが、あなたのブランドを殺します。
物騒な表現かもしれませんが、事実です。
世間一般でも言われているように
「いい人」ではブランドになれません。
いや、もう少し厳密に言うのであれば
「誰にでもいい人」ではブランドにはなれない
という事になります。
もちろん「いい人」が悪いという訳ではありません。
ただ「誰にとっていい人なのか」は重要です。
以前、こんな記事を書きました。
例えば僕は、このカフェは好きになれません。
ケーキは確かに美味しかったけれど、お店としては致命的にアウトだからです(詳しくは記事をどうぞ)
でも、それはあくまでも僕自身の主観、つまり
「僕の好みの問題」
です。
僕にとってアウトなだけで、別にこのお店がダメなお店だとかそういう訳ではありません。
僕が好きになれないお店でも、他の人は好きになるかもしれない。
僕はそのお店が発するメッセージに共感できなかったけれど、他の人が共感するかもしれない。
であれば、その人のために、メッセージを発信し続ければいい。
僕にとっての「いい店」でなくてもいい。
その人にとっての「いい店」であればいいのです。
ミッション・インポッシブル
はっきり言います。
「みんなに好かれる」というのは、不可能です。
もう一度言います。
不・可・能、です。
現時点で分かっているレベルで世界で最もファンが多いブランドは「キリスト教」の信者、約20億人です。
流石の規模ではありますが、それでも、全世界人口( 約70億人)から見れば3分の1以下。
神の子の(正確にはその信望者達が創り上げた)ブランドですら、その次元なのです。
であれば、我々人間が「全ての人に愛される」なんて事は、なおさら不可能です。
完全なる「ミッション・インポッシブル」
トム・クルーズが何度挑戦しても達成不可能なミッションです。
人間には、できる事とできない事があります。
そして人間には、できる事しかできません。
人間には、鳥のように空を飛ぶ事も、魚のように水中を泳ぐ事もできません。
できない事にいくら集中しても、できない事はできない。
ならば、そのできる事に集中すべきだというのが僕の意見です。
あなたがまず、すべき事
では「ブランド構築」においてあなたができる事、まず第一にすべき事は何なのか?
それは
「自分なりのメッセージを作る」
という事です。
あなたが何のために、誰のために、何を目指すのか。
目指すもののために、あなたは何をするのか。
それをあなたなりに考え、あなたなりのメッセージにする。
それが第一にあなたがすべき事です。
そしてそのメッセージを土台にして、商売をし、人生を生きていく。
そのメッセージを土台にして、自分と語り、他人と語る。
その歩みの過程で、あなたに共感してくれる人達が、あなたのブランドを作ってくれます。
マザー・テレサがこんなメッセージを遺しています。
『あなたの中の最良のものを』
人は不合理、非論理、利己的です。
気にすることなく、人を愛しなさい。あなたが善を行なうと、
利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう。
気にすることなく、善を行ないなさい。目的を達しようとするとき、
邪魔立てする人に出会うでしょう。
気にすることなく、やり遂げなさい。善い行ないをしても、
おそらく次の日には忘れられるでしょう。
気にすることなく、し続けなさい。あなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう。
気にすることなく正直で、誠実であり続けなさい。あなたが作り上げたものが、壊されるでしょう。
気にすることなく、作り続けなさい。助けた相手から、恩知らずの仕打ちを受けるでしょう。
気にすることなく、助け続けなさい。あなたの中の最良のものを、世に与えなさい。
けり返されるかもしれません。
でも、気にすることなく、最良のものを与え続けなさい。最後に振り返ると、あなたにもわかるはず。
結局は、全てあなたと内なる神との間のことなのです。
あなたと他の人の間であったことは一度もなかったのです(マザー・テレサ)
あなたにとっての最良は、全ての人にとっての最良とは限りません。
マザー・テレサですらそうなのです(色々ありますから。彼女にも)
でも、誰の役にも立たない訳でもありません。
あなたを待っている人が必ずいます。
あなたに共感してくれる人が必ずいます。
その人のためにメッセージを作り、歩んでください。
嫌われる事に意識を向けるのではなく、自分にとって大切な人にまず意識を向けてみてください。
それが僕が考える、ブランドを構築する上でまず、あなたがすべき事です。
あなたがどのような道を歩むのか。
どんなメッセージを作るのか。
いつか、聴かせてくださいね。
阿部 龍太
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