町の運動会が教えてくれる、愛されるコミュニティ・ブランディングのコツ

「ブランドデザイン」科

運動会。

 

この時期色々な所で開催されていると思います。

運動はあまり得意ではない僕ですが、つい先日参加してきました。

撮影スタッフ兼選手として。

 

いやあ疲れた(笑)

 

でも得られたのは疲労だけではありません。

運動会という場からあなたのブランディングに役立つポイントを学ぶ事ができました。

今日はそれをお伝えしようと思います。

 

 

 

町の運動会が教えてくれた、ブランディングのコツ

今回参加してきたのは、長野県は小布施町の町内運動会。

 

そこのアナタ!

「あれ?阿部って長野県民だったっけ?」

って今思いませんでしたか?

 

実は小布施町の運動会には、町に縁も所縁も無い人でも

「第二町民チーム」

として参加出来る枠がありまして、その枠に入れていただいたという事なんです。

(来年はアナタもどうですか?)

 

ってもう、勘のいいアナタは気付いていると思うのですが、この「第二町民チーム」という制度は、

町のブランディング

におけるひとつのポイントになっている訳です。

実際に今回、この「第二町民チーム」に初めて参加した人で、生まれて初めて小布施町に訪れた人が何人かおられたので話を聞いてみたのですが、

 

「いい町ですね。もっと町の事を知りたい。他にも色々な所に行ってみたいです」

 

という事を口を揃えて言っていました。

 

これは現代のブランド構築において非常に重要な要素である

 

コミュニティ

 

に繋がるものだと僕は考えます。

 

ちなみにコミュニティは、ただの「ファンクラブ」とは少し違うものです。

ファンと言うと、会員制度とか優良顧客といったような、あくまでも

「外部の存在(他人)」

と思われがちですが、コミュニティのメンバーというものは「仲間」に近いものであり、すなわち

「内部の存在(身内)」

という要素も持つものなのです。

 

どれだけの人に、あなたのコミュニティのメンバーになってもらうか。

優良顧客や会員ではなく、仲間になってもらうか。

 

もしあなたが、これからブランディングをするのであれば、意識しておいて損は無いと思います。

 

この「第二町民チーム」という制度。

これがコミュニティ構築をきちんと意図してデザインされているかどうか、正確には分からないのですが、何人かの関係者の方からお話伺った限りでは、恐らく意図しているように思います(理由は後述)

 

もちろん、ただ部外者を招いただけで仲間になってもらえる訳がありません。

招いたその「場」が魅力的でなければいけません。

 

って何もおかしな事言ってないですよね。

いい「場」だからこそ、仲間になりたくなる。

当然の事なのですが、これがまあ、多くの人が忘れてしまいがちなんですよね・・・

 

 

小布施町の底力の根幹

で、当然、小布施の運動会もその辺りはきちんと考えられている訳です。

撮影をしながら色チェックさせていただきました。

 

オリジナル種目の数々や、そしてそれらに本気で盛り上がって楽しむ町人の皆さん

・・・

色々なポイントはあるのですが、その中で僕が最も重要だと思ったのが

これです。

 

 

運動会を運営していた実行委員の方々です。

 

実は運動会前日、小布施には強い雨が降っていました。

当日は雨は上がっていたものの、グラウンドはぬかるんでおり、競技ができるコンディションではありませんでした。

そのため、実行委員会の方々は、朝の6時過ぎから集まって、砂を撒いたり水を排出したりして、コンディションを整えてくれたのだそうです。

人によっては多分、5時台からグラウンドに出ていたのではないでしょうか。

 

とは言え、それだけ頑張っても、コンディションは万全とは言えない状態でした。

だからこそ、この写真のように、競技が終わる度にグラウンドを丁寧に整えていたのです。

 

選手達の集合時間は8時。

それまでに何とか競技が出来る状態と体制を整えた。

 

こういった

 

「見えない部分の丁寧さ」

 

これこそが愛されるブランディングの根本にあるものです。

(ってブランディングに限らず全てそうでしょうけど)

 

以前お伝えしたこの記事あの記事

「根っこを大切にするから美味しい実ができる」

という話をしましたが、彼らが大切にしていたこの「見えない部分の丁寧さ」もまさにそこに繋がるものです。

 

【参考記事】

・日本一の小学生と、世界の名将が共有する「成功する人の創り方」

・奇跡のリンゴが教えてくれる、あなたの商売がうまくいかない理由

 

見える部分、例えば運動会の種目や応援セレモニーといった部分だけに気を配らない。

一見して目につきにくい部分にもしっかりと気を配る。

仕事柄、色々なセミナーやら勉強会といったイベントに参加していますが、そういう気配りがきちんとできているイベントは正直それほど多くはありません。

 

車で言うならば、いくらエンジンが優れていても、タイヤがパンクしてたらまともに走りません。

いくら「パーツ」のひとつが優れていても「車」としてポンコツでは、残念ながらお客様を喜ばせたり、コミュニティのメンバーになってもらう事は難しいでしょう。

 

・・・とは言え、そんなポンコツな商品や企業やイベントがいかに多い事か。

是非あなたは、そうならないでくださいね。

 

 

さあ、考えてみよう!

それぞれのパーツをきちんと構築し、きちんと組み立てる。

それは商品でも、企業でも、イベントでも、人でも、ブランディングにおいては全く同じ事です。

 

では、せっかくなので考えてみましょう!

 

あなたの商品、企業、イベント、あなた自身のブランディングにおける「パーツ」は何でしょうか?

 

まさかこのブログを読んでくれているあなたなら

 

商品だけ

 

なんて事は言いませんよね?

 

あなたの商品やサービスを構成する要素、他にもたくさん、たくさんあるはずです。

それらのパーツを出来る限り抜き出してください。

 

そしてそのパーツを繋げるもの。

それが

 

コンセプト

 

というものです。

 

 

おまけ −コンセプトについて少々−

コンセプトとは、団子の串のようなもの。

全てのパーツを繋げる土台となるものです。

 

例えばサッカーであれば、どのチームにも

ゴールキーパー

ディフェンダー

ミッドフィールダー

フォワード

といった、各種のポジションが存在します。

 

でも、チームによってそのポジションに求められるスキルや特徴が違う場合がある。

それは、チームとしての「コンセプト」が違うからです。

 

FCバルセロナにはバルセロナの、

ドルトムントにはドルトムントの、

日本代表には日本代表の、

それぞれの

 

「チームのコンセプト」

 

というものが根底にあります。

そのコンセプトによって、同じポジションでも求められるものが違う訳です。

素晴らしい能力を持つ選手でも、チームのコンセプトに対応出来ず、輝けないという事は多々あります。

AというコンセプトとBというコンセプトでは、求められるパーツも違うからです。

 

さらに別の表現をするならば、F1カーに求められるエンジンと、軽自動車に求められるエンジンが違うようなもの。

どちらが善い・悪いという訳ではなく、車としてのコンセプトが違うのだから当たり前です。

 

ですから、いくら磨き上げられたパーツであっても、ベースとなるコンセプトと合っていなければ意味が無くなってしまう事もある訳です。

 

ちょっと話は飛びますが、他者の成功事例ばかり真似しても上手くいかないのが当たり前なのはここに理由があります。

他者には他者の、あなたにはあなたのコンセプトがあるのです。

だからこそ、そのコンセプトに合ったものを積み重ねていく事が、あなたがもっとも輝く王道なのです。

 

さあ、ここでもう一度、考えてみましょう!

あなたのコンセプトは何でしょうか?

是非考えてみてください。

 

ってこれだけでは分からない?

では今後の記事を楽しみにしていてくださいな。

 

 

愉しい時間をありがとう!

小布施町は江戸時代から、外部の人を受け容れ、もてなす事で町を発展させてきた文化があるそうです。

そしてそれが今の小布施町の「コンセプト」に少なくない影響を及ぼしています。

それがこの「第二町民チーム」というパーツにも繋がっている訳です。

 

(上で「コミュニティ構築をきちんと意図してデザインされている」と言ったのは、ここに理由があります)

 

小布施町には、小布施町のコンセプトがあり、そのコンセプトに合わせたパーツがある(または、そういうパーツを新たに作ろうとしている)

だからこそ、初めて小布施に来た人がファンとなり、そしてそのファンがコミュニティのメンバーになってくれる訳です。

そのブランドデザインの一端を、町内運動会で感じさせていただきました。

 

運営チームの皆さん、町民の皆さん、第二町民チームの皆さん、愉しい機会をありがとうございました!

 

 

阿部 龍太

 

 

コメント