日本一の小学生と、世界の名将が共有する「成功する人の創り方」

「ブランドデザイン」科

「お前、これ好きそうだと思うんだけど、観てみる?」

 

先日友人宅での食事会にて、友人がそう言って、とあるテレビ番組を見せてくれました。

 

小学生チームが競い合う「長縄跳び選手権」

小学生の子供たちが一丸となって日本一を目指す、その道筋を記録したドキュメンタリータッチの番組です。

 

「縄跳びには別に興味は無いんだけどなあ」

と思いつつ観てみたら、恐ろしいくらい勉強になるポイントがあったので、是非ここでシェアしたいと思っています。

 

蛇足ですが、こういう番組ばかりなら、テレビ買ってもいいかな。

(僕、テレビ持っていないんですよね。だれか買ってくださーい)

 

 

日本一を支えた「原点」

決勝戦に出場した鹿児島のとある小学校。

彼らの練習風景や日常の取材中に、そのシーンはありました。

 

最終予選で自分たちの実力を発揮出来なかった。

目標であった「ノーミス」を達成出来なかった。

 

やる気はある。

練習もしている。

なのにその場になると空回りしてしまう。

 

そんな生徒達に先生が伝えます。

 

「相手に勝てばいいという問題ではない。

自分に勝ちなさい」

 

おいおい、これを小学生に言うのか?

と思ったのも束の間。

その直後にさらに興味深いシーンが待ってました。

 

昼食でのワンシーン。

そこでとある女子生徒が、こんな事を呟きました。

 

「足もとから揃えていかないと跳べない」

 

ここで彼女が呟いた

 

「足もと」

 

それこそが記事のタイトルにある

「成功する人の創り方」

の根幹を成すものなのです。

 

彼女はこう続けます。

 

「足もとから揃えていかないと跳べない。

宿題を持ってこない人がいたりとか、忘れ物が多いとか、足もとが揃ってない。

皆で揃ったら跳べる」

 

つまり、

 

長縄跳びは、皆の動きが揃っている必要がある。

そして、動きを揃えるためには、心を揃える、つまり心をひとつにする必要がある。

そのためには、練習の時に揃っているだけでは足りない。

普段から心をひとつにする事を意識する必要がある。

つまり普段の生活ですべき事をきちんとする。そのために自分自身を律し、他者をサポートし合う。

 

個人的に彼女の言葉を一言でまとめるのであれば

 

縄跳びの「選手」としてではなく、縄跳びをする「人間」として成長する

 

という事になると思うのです。

 

この境地に、小学生が辿り着けるのですよ。

これは「ベイトソンの木こりの話」と似ているように思います。

「ジャンプする時」という一部だけではなく「生きている時」という全体を整えることで、ジャンプする時のパフォーマンスを高めようというもの(だと僕は勝手に感じています)

いやはや、「本当の意味での天才」とはいつの時代にでもいるものです。

 

ちまみにこの学校はその後の全国大会でノーミスで優勝を果たし、日本一を獲得しました。

 

 

日本一の小学生たちと世界の名将の共通点

縄跳びの「選手」としてではなく、縄跳びをする「人間」として成長する

この考えは、何も彼らだけのものではありません。

 

エディー・ジョーンズと彼の率いたブレイブ・ブロッサムズ(2015年ラグビーW杯日本代表)

イビチャ・オシム(サッカー)

ジョン・ウッデン(バスケットボール)

ベルナルド・レゼンデ(バレーボール)

・・・

 

名前を出すときりがないのでこの辺にしておきますが、彼らを始めとする各分野における「名将」や「名選手」と呼ばれる人達。

彼らはまさにこの

「人間」

という要素をベースに考えています。

 

例えば、この記事でもお伝えしているように、当時ラグビー日本代表のキャプテンだったリーチ・マイケル選手は、日本国歌の「君が代」について学ぶ勉強会を開き、国歌の意味、そして国歌を歌うという事の意義について選手達と共有してきました。

 

ラガーマンとして大切なのは、「力」や「速さ」や「技」だけではない。それらの礎となるのは「心」である。

自分たちは日本ラグビーの歴史を変える存在となる。

そのためには心を含めた全てを向上させる必要がある。

 

彼らにはそれが分かっていた。

 

だからこそ

「ラグビーの選手」

としてだけではなく

「ラガーマン(ラグビーを愛する人間)」

としての成長も目指したのだと僕は考えています。

 

それが「ブライトンの奇跡」と呼ばれる、対南アフリカ代表戦での勝利に繋がっているのは、ここで僕が言うまでもない事でしょう。

 

参考記事:ラグビー日本代表が教えてくれた「日本人としての誇り」

 

ラグビーでもサッカーでもバスケでもバレーでも、身体能力や技術が高く、特に怪我もしていないのに選手として大成しない人がいますが、彼らに共通しているのは、この部分ではないかと個人的には思うのです。

 

そしてそれは、商売においても同じ事。

それが僕のお伝えする事の根幹にあるものです。

 

 

突き詰めれば、人と人。

商売とは何でしょうか?

僕の考える商売は、この記事でもお伝えしているように

 

相手の「問題」や「課題」を解決する。

より喜んでもらう。

そのための方法を提供して報酬を頂く。

 

というものです。

 

参考記事:旧石器時代のトップセールスマンから学ぶ「ビジネスチャンス」を掴むために必要な事

 

つまり突き詰めて言えば、「人が人に対して行う事」です。

スポーツも、商売も、同じ事です。

であれば、その根本を磨かない理由はありません。

 

例えば、僕が好きなラーメン店ベスト3に常に入る人気店「二代目つじ田」ですが、社長の辻田さんはインタビューでこんな事を言っています。

 

味の面はある程度技術でカバーできますが、最後は人です。

厨房のスタッフが男性であれば、『お客さんは自分の彼女のお父さんだと思って出しなさい』と教育しています。

ホールの女性スタッフなら、『お客さんは自分の彼氏のお母さんだと思って接客しなさい』と。

要は愛情を持って接してほしいということなんですが、わかりやすくいつもそう伝えています。

インタビュー記事より抜粋)

 

ラーメンの味だけではない。

そのラーメンを作り、提供する人を磨く事。

サービス業としての「根本」をきちんと意識しているからこそ「二代目つじ田」は常に人気を維持しているのだと個人的に思うのです。

少なくとも、冬の寒い日、外で列に並んでいる人に、温かいお茶を出すラーメン屋を僕は「二代目つじ田」の他に知りません。

 

この「根本を磨く事」

それこそが、僕の考える「ブランディング」の根っこにあるものです。

 

根っこですから目には見えない。

でも、だからこそ、果実という目に見えるものを得るためには大きな大きな役割を果たします。

根をしっかりと張っているからこそ、養分を吸収出来、幹や枝や葉を成長させ、果実を実らせる事が出来る。

 

職業名としての自分を磨くのではなく、自分自身という人間としての全存在を磨く。

僕で言うならば

ブランドデザイナーとしての自分を磨くのではなく、阿部龍太という人間を磨く、という事です。

 

もしよければ、あなたも磨いてみてください。

枝葉だけではなく、あなたの「根」を。

能力や知識だけではなく、あなたという「人間」そのものを。

 

 

阿部 龍太

 

 

 

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