偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」
このコーナーについては「こちら」からどうぞ。
さて、今回あなたにお伝えしたい「いのちの言葉」はこちらです。
欠点とは、一つの条件にすぎない。
欠点を欠点ととらえるか、ただの条件と考えるかが、勝利や成功への大きな分かれ目になるのです。
（エディー・ジョーンズ）
今もなお、全日本人の記憶の中で燦然と輝いているであろう、２０１５年ラグビーW杯における
「ブライトンの奇跡」
の立役者の一人。
前ラグビー日本代表HCのエディー・ジョーンズ氏は「欠点」というものについてこんな風に言っています。
日本のラグビー選手は、海外の選手たちと比べると体格で負けていました。
２０１５年ワールドカップに出場した国の中で、バックスの平均身長が一番低かったそうです。
ラグビーの基本は、身体と身体のぶつかり合い。
体格に負けているというのは確かに欠点です。
しかし、エディーさんはそれらを認識した上で
「勝ち目がない訳ではない」
と考え、そして
「勝つためには、どうすればいいのか？」
について徹底的に考えました。
そこで出た結論のひとつが
「低いプレーを心がける」
というものでした。
パス回しを始め、すべてのプレーを低い位置で行う。
これはラグビーで勝利するために必要な大きな要素なのだそうです。
そして、背が低いという事は、それがやりやすいという事。
エディーさんはそこを追求しました。
格闘家の高阪剛さんを招いて低いタックルの技術を学んだりしたのもその一環です。
（高阪さんについての参考記事）
欠点は誰にでもある。
それを「ネガティブなもの」としてとらえると、その時点でもう負けが確定してしまう。
勝つためには、その欠点を「勝つために越えるべき課題」としてとらえ、その課題を乗り越えるべくに真摯に取り組む事が必要なのだ。
エディーさんが我々に伝えてくれているのは、こういう事なのだと思うのです。
「欠点」を「勝利」に繋げるために必要な事
ラグビーに限った話ではありません。
例えば野球ではWBCでアメリカに勝って優勝したり、サッカーではなでしこジャパンが世界一になっています。
彼らも、彼女らも、世界の強豪と比べると「欠点」を持っていました。
しかし同時に、彼らも、彼女らも、その「欠点」を「課題」とし、その「課題」を乗り越えた。
そして最終的に「勝利」につなげられた。
そこには共通した３つのポイントが存在します。
それは
１．「欠点」をきちんと認識する。
２．「コントロールできない事」は考えない
３．「コントロールできる事」だけに集中する
というもの。
もう少し具体的に言うのであれば
１．「欠点」をきちんと認識する。
何がどう劣っているのかを考え、そしてその「欠点」の中で「変えられる事」と「変えられない事」を明確する。
２．「コントロールできない事」は考えない
１で出た「変えられない事」についてはもう考えない。無視する。
３．「コントロールできる事」だけに集中する
１で出た「変えられる事」を勝利にどう結びつけるかを考え、実践する。
という事です。
…とまあ、こうやって文字にすると簡単な事のように見えると思います。
でも、今まで３０００人以上の人の話を聞いてきて、これらがきちんとできている人はほとんどいませんでした。
つまり
「変えられない事」と「変えられる事」の見極めができていない。
↓
「変えられない事」ばかりに目を向けてしまい「変えられる事」に取り組んでいない。
↓
だから「勝利」に結びつかない。
という事です。
例えばエディーさんも、野球の原監督も、女子サッカーの佐々木監督も、
「小さな身長を大きくしよう」
などという事は考えませんでした。
「変えられない事」は無視したのです。
その代わり彼らは、敏捷性であったり、きめ細かい技術であったり、チームへの献身性といった「変えられる事」を変えるために、意識と行動を集中させた。
それが彼らの「勝利」の源になった訳です。
そしてこれは何も、彼らのような偉大な指導者や偉大な選手に限った話ではありません。
あなたや僕にだって可能な事なのです。
あなたの「欠点」が、あなたを輝かせる。
誰にでも「欠点」はあります。
日本代表になるような能力の高いアスリート達ですらそうなのです。
しかし彼らは、その「欠点」を欠点のままにしなかった。
その「欠点」を「勝利のための課題」に変え、その「課題」を乗り越えた。
だから彼らは「勝利」を手にできたのです。
しかし同時に「欠点」を乗り越えられず「勝利」を手にできない人もいる。
その違いはエディーさんの言う
「欠点をどう扱うか」
にある訳です。
自分の「欠点」、自分の「弱さ」をそのままにするのか。
それともその「欠点」、その「弱さ」を乗り越えて、自分を輝かせるのか。
その人の「欠点」、その人の「弱さ」をどう扱うかで変わります。
扱い方によっては、あなたの「欠点」こそがあなたを輝かせる事にもなる訳です。
だから是非、考えてほしいのです。
あなたの「欠点」は何ですか？
その「欠点」を「勝利」に繋げるために、何をどうしますか？
あなたがさらに、輝きますように。
阿部 龍太
コメント