売上累計ウン十億の男から聞いた「苦しまずに達成できる」目標設定

「ライフデザイン」科

「そんな目標設定、苦しくない?」

 

とある企業で営業をしている知人。

新年度になって、個人目標を立てないといけないとの事。

 

詳しい内容は内部事情なので聴いていないけど、要は

数値目標(売上や顧客数)

を設定したのだという事なのだそうな。

 

それに対して、冒頭の僕の言葉という訳です。

 

知人はそんな僕に

「苦しいかどうかなんて関係ないよ。とにかく達成するんだ。努力あるのみ!」

というマッチョな事を言ってくれました。

 

真面目で一本気、誠実な彼のその気持ちは、とても尊いものだと思います。

でも同時に、危うさも感じるのです。

 

だって、この思考だと、もし達成できなかった場合、誰かを責める事になりかねないから。

そしてその結果、彼自身のモチベーションが下がったり、誰か別の人のモチベーションを下げたりしてしまいかねないから。

 

実際にここ数年は目標を達成できない時もあって、苦しい思いをした事もあったそうです。

「いやあ、大変だね。このご時世」

日本酒を呑みながら彼は呟いていました。

 

「できるかどうかではなく、やる」

という意識は大切なものだけれど、それだけで全てができる程世の中甘くはない訳です。

だからこそ、

「相応しい準備」

をしてもらいたい。

 

「努力」

はとても大切なものです。

だからこそ

「正しい努力」

をしてもらいたい。

 

「頑張る=苦しむ」

ではなくて

「頑張る=楽しむ」

そんな風に目標達成してもらいたい。

 

僕はそう思うのです。

 

という訳で、その時に彼に伝えた目標達成のコツのようなものをシェアします。

 

 

目標達成に有効な「別の視点」

売上目標●円

新規顧客獲得数●社

 

彼はこんな形の目標設定をしているそうです。

もちろん彼は営業をやってもう何年も経ちますから、ただ数値目標を出して終わり、という訳ではありません。

その売上を上げるために、いつまでに、誰が、具体的にどんな行動をすべきなのかといった事もきちんと考えています。

俗に言う「SMARTの法則」を意識しているのだと言っていました。

 

参考:「SMARTの法則」

Specific:具体的で分かりやすいか

Measurable:数値で計測可能か

Agreed upon:達成可能か

(Assignable:担当をきちんと分けているか)

Realistic:目標は現実的なものか

(Relevant:個別と全体の関連性があるか)

Time-bound:期限は設定されているか

 

*詳しくはご自身で調べてみてくださいね

 

そんな彼に、僕はもうひとつの要素を追加するよう提案しました。

名付けて

 

「別の視点での目標設定」

 

というものです。

 

目標って、色々なものがあるじゃないですか。

例えば

 

売上●円を達成する

●●の資格を取得する

自己最高記録を更新する

大会で優勝する

2019年ラグビーワールドカップで予選リーグを突破する(応援してます!頑張って!!!)

・・・

色々な目標があると思うのですが、上記の例は全て「ある共通点」があります。

何だと思います?

ここで一旦スクロールを止めて、ほんの少しでいいので考えてみてください。

 

では、シンキングタイム、スタート!

という訳で、考えていただきましたか?

「正解かどうか」というより「自分なりに考えてみたかどうか」が大切なのです。

もし数秒でも考えてみたあなた、Good Job!ですよ。

 

という訳で、僕なりの答えを言うのであれば、この例の「ある共通点」

とは

 

「自分目線」

 

というものです。

売上●円を達成する

●●の資格を取得する

自己最高記録を更新する

 

これらは全て、「自分(たち)」が取り組むものです。

当然ですよね。自分の目標なのだから。

 

これに

 

「他者目線」

 

を繋げてみる。

これが僕が知人に提案した事です。

 

具体的には

 

売上目標●円

新規顧客獲得数●社

 

という彼の目標に「お客様目線」を繋げてもらいました。

 

売上目標●円

というのは「彼(の会社)の目線」での目標です。

これに「お客様目線」を繋げてみる。

 

つまり

 

●●(彼の会社の製品)で、xxという問題が改善されて◎◎になった。

とか

営業マン(彼)の話を聞いて●●な気持ちになった。

 

というような「お客様のより良い変化」を書き出してもらいました。

そして、それを達成するために具体的にすべき事を書き出してもらいました。

 

「売上を上げる事=目標達成」

ではなく

「お客様のより良い変化=目標達成=売上が上がる」

というイメージをしてもらった訳です。

 

後日、彼から

「すべき事が明確になっただけではなく、すべき理由も明確になったため、行動に迷いが無くなり、行動の意欲とスピードが上がった。何よりも以前より確実に思考の迷いが減った」

という連絡をもらいました。

嬉しいですね。こういうのは。

 

 

敏腕プロデューサーが教えてくれた「別の目線」

実はこの考え方は、ネットショップをプロデュースして累計ウン中億という売上を上げている方に伺った話をベースにしています。

彼がネットショップを企画する時にはゴールをふたつ考えるそうです。

ひとつは

 

「ビジネスゴール」

 

つまり、アクセス数やコンバージョンレート、また売上といった「自分たち目線の目標」というもの。

 

そしてもうひとつは

 

「ユーザゴール」

 

つまり、サイトに訪れたユーザ(お客様)がどんなメリットを得るかという「お客様目線の目標」というものです。

 

例えば、化粧品のネットショップならば

 

ビジネスゴール:アクセス数●人、コンバージョン●%、売上●円

ユーザゴール:肌のxxxという悩みを解消して◎◎◎という気持ちになってもらう

 

というような2つのゴール設定をした上で、この2つのゴールを達成できるようにショップを構築するのだそうです。

 

売上を上げるという事は、お客様にお金を払っていただくという事です。

であれば、お客様がどうなったら、どんな気分になったら、喜んでお金を払っていただけるのか。

それを追求すれば、お金は後からついて来ます。少なくとも今まで私はそれで結果を出せています。

 

とその方は僕に教えてくれました。

 

「相手目線」をいかにイメージしようが、結局、目標を達成するのは自分です。

「相手目線」をイメージしてもしなくても、目標を達成するためにやるべき事は同じです。

 

でも、その前提となる意識(目線)が

 

売上目標を達成するためにAという行動をする

お客様に喜んでもらうためにAという行動をする

 

という風に違っていれば、同じAという行動をしたとしても、自分自身の気持ちは変わってくるのではないでしょうか。

相手が受け取るものも、変わってくるのではないでしょうか。

 

売上を上げる事がどうでもいい。お客様に喜んでもらえればそれでいい、そんな寝惚けた事を言っているのではありません。

売上の源泉はお客様です。

お客様がお金を払ってくださるからこそ、売上が上がる。

であれば、

 

売上を追う事

お客様の喜びを追う事

 

のどちらに目を向けた方が結果として売上が上がるのか。

というある意味非常に合理的な話なのです。

 

今回は売上に関する目標ですが、それ以外の例えば資格取得のような目標設定にも応用できるものだと思っています。

よければ一度「他者目線」をイメージしてみてください。

 

あなたの目標が、達成できますように。

 

 

阿部 龍太

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