突然ですが
「売れる商品の条件」
とは何だと思いますか?
機能性に優れている
値段が安い
見た目のデザインが美しい
・・・
色々な要素が思い浮かぶと思います。
色々出て来るとは思いますが、これらを一言でまとめるならば
高い「価値」を提供する事
となる、というのが僕の意見です。
言わば
「価値」を提供する=売れる
というある種の「定理」のようなものです。
ではこの「価値」とは何なのか?
…という事をこの記事でお伝えしています。
で、この
「価値を提供する=売れる」
という定理ですが、これは何も
「お客様相手の商売」のみ
に当てはまるものではありません。
何を言いたいか?
それは
もうひとつの「商売相手」がいる
という事です。
「3つの価値」が役立つ「もうひとつの商売相手」
この
「もうひとつの商売相手」
それはズバリ
「社員・スタッフ」
という存在です。
個人で仕事をしている人は別として、どんな仕事だとしても、ひとりでも社員やスタッフがいるのであれば、その人があなたの売上を作るお手伝いをしてくれている訳です。
「いいお客様」が売上アップに繋がるように「いい社員やスタッフ」も売上アップに繋がります。
そういう「いい社員やスタッフ」に来てもらう、
もしくは「いい社員やスタッフ」に成長してもらう。
そのために経営者の方は、日夜頭を絞っている事でしょう。
売上アップを運んでくれる「いい社員やスタッフ」を得るため、そして育てるためにこの「3つの価値」が重要な要素となる。
という事を、一所懸命社員やスタッフの事を考えている経営者の方にお伝えします。
「いい社員やスタッフ」を連れて来る、育てるための「3つの価値」
この「3つの価値」とは
1.機能価値
2.感情価値
3.自己重要感価値
の3つから成るものですが、これら「3つの価値」は、商品やサービスを販売する、つまり
「お客様へ提供できる価値」
以外に
「社員やスタッフに提供できる価値」
についても同じ事が言えます。
だからこそ「社員やスタッフ」の獲得や育成に関わってくると言えるのです。
この「3つの価値」という視点で
「社員やスタッフに提供できる価値」
を簡単に説明すると、このようになります。
1.機能価値
その会社の持つ「機能」による価値を指します。
給料
休日
福利厚生
社会的ステータス
・・・
そういう「外部報酬」による価値。
それが企業における「機能価値」です。
2.感情価値
その企業、またそこにいる人や商品に対する「感情」による価値を指します。
例えば
経営者の●●さんが好き(嫌い)
この仕事は自分のキャリアに合っている(合っていない)
・・・
そういう「内面報酬」による価値。
それが企業における「感情価値」です。
3.自己重要感価値
その企業で働いている「自分に対する感情」による価値を指します。
例えば
この会社、この部署で働けて幸せ(不幸)だ。
この商品を扱えて幸せ(不幸)だ。
そういう「自己重要感を感じられるかどうか」による価値。
それが企業における「自己重要感価値」です。
非常にざっくりしたものではありますが、これらが「企業がそこで働く人に提供する3つの価値」というものです。
ほんとうの「人気企業」が重視しているもの。
ほんとうの「人気企業」
つまり
「いい社員やスタッフ」が集まる、またそういう風に成長していく企業
は、この3つの価値の何を重視しているのか、分かりますか?
いやもう、聞くまでもないでしょうけど念のため聞いてみました。
まだ考えてない方、ここで自分なりに答えを出してくださいね。
さて、僕の答えは
3.自己重要感価値
です。
このレベルが高ければ、2(感情価値)の質も高まります。
その結果、成長を遂げて売り上げアップに貢献し、結果として1(機能価値)の質をも高める事ができるという事です。
・・・と別に偉そうに説明しなくても、
給料や社会的ステータスといった「予告された外部からの報酬」によって、実際の仕事のパフォーマンスが下がる
という事は多くの事例や研究で明らかになっていますし、もっと言えばそういった研究成果を見るまでもなく、
・給料や社会的ステータスが目的で働いている社員(機能価値を重視)
・その会社の一員である事に誇りを持って働いている社員(自己重要感価値を重視)
のどちらがより優れたパフォーマンスを発揮できるのか、そしてより成長するのかは、最早言うまでもないと思うのですが、いかがでしょうか?
ちなみにこの「自己重要感価値」の質を高め、仕事のパフォーマンスを高め、企業の評判をも高めた有名な事例が
東京ディズニーリゾートのカストーディアルキャスト(清掃員)
です。
有名な話なのであなたもご存知かもしれませんが、このカストーディアル、以前は誰もやりたがらない仕事だったそうです。
「掃除をするためにスタッフになったんじゃない」
そう考える人も少なくなかったそうです。
しかし、運営側はこのカストーディアルの仕事がどのような理由で生まれたのかを説明し、
カストーディアルは「単なる掃除業務」ではなく「パークの環境演出業務」である。
という「コンセプト」を浸透させました。
それによって今では人気職種になっているそうですし、お客様にも評判になっていますし、更にはこのネタそのものがディズニーのイメージアップに繋がっていますよね。
ちなみにこういう言い方をするとアレですけど(笑)ディズニーリゾートのアルバイトって、あの仕事量や、それに求められるスキルに対して、基本時給がそれほど高い訳ではありませんよね(あくまでも個人的な感想ですよ)
なのに少なくない応募者がやって来るというのは、この「自己重要感」を高められるような価値を提供しているからだと思うのです。
とは言え、この価値をごり押ししすぎると「やりがいブラック企業(やりがいをエサに低賃金で酷使し、己のみ利益を貪るトンチンカン企業)」になってしまいますのでご注意を。
さあ、あなたの価値を提供しよう!
ディズニーリゾートのような練りに練られたものは簡単ではないかもしれませんが、あなたにも提供できる「価値」はあるはずです。
あなたの中にある「価値」を是非引き出してください。
それをきちんと文字にして、整理して、伝える。
それによって、あなたの「価値」に引き寄せられる人が出てきます。
実際に、以前あるクライアントさんととあるホテルのラウンジカフェで彼のこの「企業としての価値」を作っていたのですが、隣の席にいた見知らぬ男性から
「興味深い会社ですね」
と声をかけられ、その場でクライアントさんが名刺交換をしていました。
(どうも転職アドバイザー的な仕事をされている方だったそうです)
まあ、この事例は偶然の要素が大きい(たまたま隣に転職関係の人が座っていた)から参考にはならないでしょうが、きちんと考え、きちんと伝える事で、このような
あなたの「価値」に引き寄せられた人との「出逢い」
があなたの元にやって来ます。
そして、そういう人は、上でもお伝えしましたが、
自発的に働きます。
自発的に学びます。
だから、成長します。
そして、そういう人が増えていったらどうでしょうか?
売上や利益の向上に繋がると思いませんか?
そのためにも、まずはあなた自身がそういう「価値」を出すべきです。
自分自身の中にあるものに気付き、それを磨き上げる。
それがまず、すべき事だと僕は考えます。
え?
「自分にはそんな価値がない」
ですって?
大丈夫です。
必ずあります。
例によってあなた自身が気付いていないだけです(笑)
「それ」はあなたの中に、必ず、あります。
あなたの中にある「価値」に、光を当ててください。
あなたの「価値」に合う人との出逢いがありますように。
阿部 龍太
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