売れ続けるブランドが提供している「3つの価値」

「ブランドデザイン」科

ブランドになるために必要な「信用」というもの

 

この事について、前回の記事でお話をしました。

 

【参考記事】

ファンが集まるブランドが持つ「信用の法則」

 

では、その「信用」とやらはどうすれば得られるのか?

方法はいくつかありますが、絶対に外せないのがコレ。

 

「価値」を提供する

 

という事です。

 

では、この「価値」とは一体何なのでしょうか?

当然の話ですが、それが分からなければ提供のしようがありませんよね。

 

という訳で、今回はこの「価値」というものについてお伝えしようと思います。

 

 

三位一体の「価値」

「お客様に価値を提供する事が必要だ」

といった言葉は恐らくあなたも聞いた事があると思います。

 

そして、この「価値」とは、僕が今まで色々な人から話を聞いてきた限りでは

「より良い商品、より良いサービス、より良い体験」

という風に理解している人が少なくないようです。

 

もちろん、それが間違いだとは思いません。

でも、もう少し分かりやすく、具体的なものにできないか?

そのようにも思うのです。

 

という訳で、僕は「価値」というものをこのように定義しています。

 

 

簡潔に言うのであれば、

 

ブランドを構築出来る「価値」とは「3つの要素」を持つという事。

 

そしてその「3つの要素」とは

 

1.機能価値

2.感情価値

3.自己重要感価値

 

というものです。

 

これからその3つについて説明します。

 

 

「こっちの水は甘いぞ」:機能価値

 

読んで字の如く、その商品やサービスの「機能」が提供する価値です。

これは前回の記事の「尊敬度」と似ています。

 

【参考記事】

ファンが集まるブランドが持つ「信用の法則」

 

専門性が高い

性能が高い

味が良い

技術力が高い

・・・

 

そういう方向で提供される「価値」です。

最も基礎的な価値と言えるでしょう。

 

ただ、前回の記事でもお伝えしたように、この要素だけでは、ブランドになるのは難しいと言わざるを得ません。

それはひとえに

 

真似される

 

から。

 

どんなに独創的なものを作っても、どんなに高性能なものを作っても、製品自体、サービス自体は真似をされます。

食べ物、車、パソコン、スマホ、物理的なものだけではなく、知識やノウハウ・・・あらゆるものが真似されていきます。

もちろん、それによって質の高さが競われ、業界全体のレベルが上がっていくのは悪い事ではありません。

 

ただ、そこにも限界があります。

それこそ、電化製品のように、

 

機能的にはもうどれを選んでも同じ

 

という状態になりかねないのです。

 

そうなると最悪、価格競争になってしまって、結局は資本力のある所が勝つようになってしまう・・・

・・・

とはいかない訳です。幸か不幸か。

 

現実には、値段が高くても選ばれるものがたくさんあります。

 

機能的にはあまり変わらないのに、価格競争に巻き込まれない。

何が違うのでしょうか?

 

ここで、他の要素が関わってくるという訳です。

 

 

「うれしい、たのしい、だいすき!」:感情価値

 

機能的には悪くない。

でも他とあまり変わらない。

ならば何で選ばれるのか。

 

そのポイントとなるものがこの「感情価値」です。

一言で言えば

 

好きか、嫌いか

 

というもの。

前回の記事で言えば「共感度」と似ています。

 

【参考記事】

ファンが集まるブランドが持つ「信用の法則」

 

いくら機能性に優れていても、好かれなければ選ばれない、という事です。

逆を言えば機能性がそこまで優れていなくても、好かれたら選ばれる事もある訳です。

 

周りを見渡してください。

内容のレベル、つまり「機能的価値」は驚くべき低さなのにも関わらず、この「感情価値」を高めている事で売れているブランドは少なくありませんから。

 

そしてこの「好かれる」という点をざっくり言うのであれば、ふたつの要素に分けられます。

 

ひとつが

「一次好意」

これはサービスを提供している人(企業)本人を好きになってもらうという事です。

今はwebを活用する事で、直接PRをする事が可能になってきています。

 

そしてもうひとつが

「二次好意」

これはサービスを提供している人(企業)以外の誰かによって、好きになってもらうという事です。

 

有名人や人気のあるメディア(雑誌や番組)を使ったPRなどはここを意識しています。

ユーザーレビュー(使用者の声)なんかもこれに当たりますね。

 

単純に言えば

「あの人が使ってるから私も欲しい!」

「あのメディアに取り上げられるから興味がある」

となる訳です。

(もちろんその逆もありますので、気をつける必要がありますが)

 

このふたつの好意をうまく活用する事で、あなたの「ブランドイメージ」というものは変わってきます。

 

具体的に好かれるための方法というものは色々なものがあります。

どの方法が良い、悪いという訳ではなく、状況に応じて使い分ける必要がある訳です。

ただ何をするにしても、僕が一番重要だと思っているのが

 

・嘘をつかない事

・媚びない事

・喜びを共有する事

 

です。

自分をすり減らして相手に媚びるのも、相手から奪って自分だけ豊かになるのも、どちらも違うという事です。

これができてないから、あの会社も、その人も、あのメディアも、その政党も、いいものを持っているのに輝けず、結果として好かれない訳です。

せっかくあなたの中にあるステキなもの、是非輝かせてくださいね。

 

 

「やっぱりこの人は分かってる!」:自己重要感価値

 

「自己重要感」とは簡単に言えば

 

「自分を認めて欲しい、自分を大切にして欲しい」

そして

「自分を、好きになりたい」

 

というものなんですが、これを満たしてあげられる事がこの価値となります。

例えば、宗教なんかはまさにこの価値を提供しているのだと思うのです。

新約聖書で

 

心の貧しい人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。

悲しんでいる人たちは、さいわいである、彼らは慰められるであろう。

(マタイによる福音書、第5章より抜粋)

 

というものがありますが、苦しんでいる人はこれによって自分を認められる、つまり「自己重要感」を埋められる一歩を踏み出せたりする訳です。

このように、

 

誰かの心を支えてあげられるもの

誰かが自分自身を好きになれるようにできるもの

誰かが自分の人生の一歩を踏み出す勇気を持てるもの

 

それがこの「自己重要感価値」というものになります。

 

ただ、これはやり方によってはちょっと問題となるもので、それこそマインドコントロールみたいな事に繋がる事もあります。

なぜそんな事になってしまうのか?

それは

 

自分の利益のために相手を操ろうとする

 

からです。

 

あの独裁者やあのカルト教団やあの企業やあのマスコミのブランドイメージが地に堕ちたのも、この部分に原因のひとつがあると僕は考えます。

上でもお伝えしましたが

 

・嘘をつかない事

・媚びない事

・喜びを共有する事

 

これはこの価値でも同様です。

(というよりブランド構築において必須事項です)

 

嘘をついて、他者に媚び、自分だけが喜ぼうとしている。

そんな商品や企業や人にブランドになる資格はありません。

少なくとも、このサイトに訪れてくれているあなたはそうでない事を信じています。

 

 

さあ、あなたの価値を発揮しよう!

「機能価値」はあの人の問題を解決し

「感情価値」はあの人の気分を良くし、

「自己重要感価値」はあの人が人生において前に進める力となる。

 

つまり

あの人が、問題を解決し、気分が良くなり、人生において前に進める力を得られる。

それが「3つの価値」によって提供出来るものです。

 

あの人が、そんな風になったら、あなたはどんな気持ちになりますか?

嬉しくない訳ないですよね?

 

そんな素敵な「価値」を、是非発揮してください。

 

え?

「自分はそんな価値を提供出来る人間ではない」

ですって?

 

それは大きな、大きな、大きな間違いです。

 

どんな事でもいい、誰かの笑顔であなた自身が笑顔になれるのであれば、その価値の「種」は100%確実に既にあなたの中にあります。

後はその種を発芽させ、伸ばしていくだけです。

大丈夫。今のあなたがどうかは関係ありません。

それはこれからのあなた次第なのですから。

 

 

阿部 龍太

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