「ただの一度も、失敗や挫折の経験が無い」
少なくとも僕の知る限りでは、このような人は存在しません。
どんな天才学者でも、最初から字がすらすら読めた訳ではありません。
どんなに運動神経が優れたアスリートでも、赤ちゃんの時に一度も転ばずに歩けた訳ではありません。
全ての人が、その大小はあるものの、何かしらの失敗や挫折をしています。
なのに、ある人はその失敗や挫折を乗り越えて成長し、またある人は同じような失敗や挫折を繰り返したり、自身の前進を諦めてしまう。
なぜなのか?
その両者の間には、どんな違いがあるのか?
これまで2700人を超える方のお話を伺ってきた中で、
うまくいく人とうまくいかない人の「失敗」に対する捉え方
に明確な違いがある事に気付きました。
今回はその事について、お伝えしましょう。
12の失敗法則
法則1
うまくいく人は、失敗を「成長につながる新たなきっかけ」と捉える。
うまくいかない人は、失敗を「成長を停止させるもの」と捉える。
法則2
うまくいく人は、失敗はその後の対応によってプラスに変えられる事を知っている。
うまくいかない人は、失敗後の対応は落ち込んだり誰かを責める事でよりネガティブに変えられる事を知っている。
法則3
うまくいく人は、失敗を受け容れる。
うまくいかない人は、失敗を恐れる。
法則4
うまくいく人は、積極的に失敗し、修正しながら行動し続ける。
うまくいかない人は、積極的に失敗しないようにするため、行動を止める。
法則5
うまくいく人は、失敗を「うまくいくためには当然のもの」と認識する。
うまくいかない人は、失敗を「うまくいくためには当然してはいけないもの」と認識する。
法則6
うまくいく人は、うまくいくという「結果」よりもそのために必要な「やるべき事」を重視する。
うまくいかない人は、うまくいくという「結果」に囚われる。
法則7
うまくいく人は、「失敗 × その後の対応=成長のきっかけ=喜ばしいもの」という公式を持っている。
うまくいかない人は、「失敗=ダメな自分の証明=恥ずかしいもの」という公式を持っている。
法則8
うまくいく人は、失敗すると対応策を考える。
うまくいかない人は、失敗すると恥ずかしさを感じる。
法則9
うまくいく人は、失敗はチャレンジの証だと感じる。
うまくいかない人は、失敗は転落の証だと感じる。
法則10
うまくいく人は「失敗しても終わりではない。だから大丈夫だ」と思っている。
うまくいかない人は「失敗したらもうお終いだ」と思っている。
法則11
うまくいく人は、失敗するとその行動の目的、自分が求めているものを再度認識する。
うまくいかない人は、失敗すると他人の目、他人の評価を意識する。
法則12
うまくいく人は、自分で自分を「うまくいく人」にしている。
うまくいかない人は、自分で自分を「うまくくいかない人」にしている。
「うまくいく人」と「うまくいかない人」との「失敗の捉え方」
2700人以上の人の悩み相談を受けてきて感じた事は
うまくいく人と上手くいかない人の違いのひとつには
「失敗」というものの「定義」
つまり
「失敗というものの捉え方」
というものの違い
がある。
という事でした。
その「捉え方の違い」を、僕の経験と主観でざっくりですが文字にしたのが、上記の12個の法則です。
(12個目はまとめのようなものなので、正確には11個と言ってもいいのかもしれませんが)
そしてこの12個の法則を、あえてコンパクトにまとめるならば、うまくいく人とうまくいかない人は
a.善と悪
b.自己視点と他者視点
c.現在志向と未来志向
これらのポイントに違いがあるのだと僕は考えます。
失敗を
「あって当然のもの」と捉えるか
「あってはいけないもの」と捉えるか。
という、「善」と「悪」
失敗を
「自分の成長につながるもの」と捉えるか
「他者の評価につながるもの」と捉えるか
という、「自己視点」と「他者視点」
失敗を
「今やるべき事(プロセス)のチェック」と捉えるか
「望ましい未来(結果)を失う事」と捉えるか
という、「現在志向」と「未来志向」
これらの違いによって、失敗というものに対する意識、その後の行動が変わってきます。
そして当然、その結果得られるものも変わってくる。
失敗に対する意識が変わる
↓
その後の行動が変わる
↓
結果として得られるものが変わる
という事ですね。
「うまくいかなかった」という「経験そのもの」は「善」でも「悪」でもありません。
その経験をどう次に繋げるのか。それによって善にも悪にも変化するものなのです。
勝手に悪いものだと決めつけたり
他人の目を意識してしまったり
今やるべき事を見失ってしまったり
・・・
それは
「自分で自分自身の素晴らしい可能性を閉ざしてしまう」
という、とても、本当にとても、もったいない事だと思うのです。
改めて「失敗」とは何なのか?
「失敗に対する意識」という話をしましたが、そもそも「失敗」とは何なのでしょうか?
僕の考える「失敗」とは
過ちて改めざる、これを過ちと言う
(孔子/『論語』より抜粋)
この言葉に集約されています。
何かをして、うまくいかなかった。
その「ひとつの経験そのもの」が「失敗」ではない。
その「失敗というひとつの結果」をそのままにし、何も考えず、また同じ事を繰り返す。
そしてその結果、自分や周りを責め、何も行動を起こさなくなる。
そちらの方がよっぽど「失敗」なのではないか。
そう僕は思うのです。
逆に、失敗を糧にし、自分の成長に活かす事ができれば、その「失敗」は最早「失敗」というものではなくなるのですから。
「失敗」の真の意味とは
今までの話を踏まえて考えると、この「失敗」という文字
「敗(ま)けを失くす」
と読めませんか?
つまり「失敗」とは
「敗けを失くし、勝利を得るために必要なもの」
というように捉える事もできるのではないか。
と思うと「失敗」というものは、実はうまくいくためには必須のものと言えるものなのかもしれない。
僕はそう思うのです。
「うまくいかなかったという経験」は、
「今の」自分の限界
そして
「これからの」可能性、つまり「伸び代」
を示してくれるものです。
「うまくいかなかった経験」を元に、
そもそも自分はどうなりたいのか?
そしてそのために今の自分にできている事は何で、できていない事は何で、今のこの瞬間の自分は何を変えるべきか?
といった事を考える。
そして、
どんなに小さな事でもいいので、実行に移してみる。
この繰り返し。
これによって「うまくいかなかった経験」こそが「あなたの成功」に繋がる、そんな事が実現するのです。
「失敗は成功の母」とは良く言ったものです。
失敗を活用する、つまり
うまく失敗するからこそ、うまくいく。
あなたも、上手に失敗してみませんか?
阿部 龍太
コメント