「好きな事をしよう。ワクワクする事をしよう。そうすれば人生上手くいく」
という話を聞いた事ありませんか?
個人的には、この言葉は間違ってはいないと思います。
実際に僕のクライアントさんだけではなく、周りの人達を観ても、商売のみならず、人生が上手くいっている人はそのようにワクワクしながら好きな事をして生きている人が多くおられますから。
とは言え、好きな事、ワクワクする事をしているのに、商売や人生がうまくいっていない。
そういう人も現実にはおられる訳です。
この両者を分かつものは何なのか?
そこにはちょっとした「ズレ」があるのです。
それを今回、お伝えしようかと思います。
好きな事、ワクワクする事をしてもうまくいかない人の特徴
好きな事やワクワクする事をしても上手くいかない、その理由を一言で言うならば
自分だけで生きている。
これに尽きます。
つまり
自分がワクワクしているだけ
自分が好きなだけ
これに尽きます。
喩えるならば、お鮨が好きで好きで仕方ない人が、いいお店を見つけたからと魚嫌いの人を高級鮨屋に連れて行くようなもの。
下手をしたらただの「嫌がらせ」になってしまう事すらある訳です。
(あ、僕自身はお鮨が大好きなので、いいお店がありましたら是非、お誘いお待ちしておりますよ)
商売も人生も「自分と相手」あってのもの。
なのに「自分だけ」が好きだったり、ワクワクしているだけで上手くいく訳が無いのです。
「1+1=2」と同じくらい当たり前すぎる事です。
この事は、僕が偉そうに指摘するまでもなく、多くの偉大なる先人達が伝えてくれています。
その中でも、とてもユニークな方がおられるので、その方のお言葉を紹介しましょう。
6000人を愛した男の矜持
男と女は、最初からエゴの塊同士でセックスをしようとしている。これでは、心底気持ちいい、幸福なセックスができるわけがない。
日本人の年間セックス回数は、世界最低レベルだという統計がある。しかも、他国に比べて極端に低い。
(中略)
愛するパートナーがいれば、セックスをするのはごく当たり前のことのはず。その回数が、日本人だけ極端に低い原因は、まさにエゴの塊同士で、気持ちよくないセックスをしてるからにほかならない。
とりわけ、男たちは心してほしい。男が当たり前のことと思っているセックスでの行為を、女はいいと思っていない。
(『日本一有名なAV男優が教える人生で本当に役に立つ69の真実』より抜粋)
これは、20年以上AV男優として活動し、6000人を越える女性と共演してきた「ゴッドフィンガー(神の指)」を持つ男
加藤鷹さん
のお言葉です。
凄まじいテクニシャンと思われがちな鷹さんですが、実際に彼が最も重視しているのはこういう事なのだそうな。
セックスには基本が最も重要なのだ。思い遣りと女性の体への理解が第一に重要であり、それがすべてだ、と行っても過言ではない。
ーーー
セックスは、テクニックやハウツーではない。女性に「あなたのセックスは素晴らしい」と認められるような男は、何が優れているのかと言えば、相手が何を求めているのかを感じ取ろうとする力、つまり、心を読む「読解力」に優れているのである。
ーーー
ただひとつ、「相手の女性をどうすれば気持ちよくする事ができるか、歓んでもらうことができるか」、それだけを常に“意識”していた。一言で言えば、これに尽きる。テクニックやら、手順やら、そんなものは関係ない。
(以上、『エリートセックス』より抜粋)
商売とセックス。
個人的な意見ですが
「相手がいてこそ成り立つもの」
「共に創り上げるもの」
という意味においては、このふたつは全く同じものと言ってもいいと思っています。
「エゴ」、則ち自分だけの欲望を相手に押し付ける。
それでは相手は面白い訳がないし、下手をしたら苦しんでしまう。
そんな事になれば、セックスも商売も、上手くいきっこないですよね。
「2+2=4」と同じくらい当たり前すぎる事です。
このような「浅い自己満足」
「好きな事、ワクワクする事をしているのに上手くいかない」
という人は、この要素を少なからず持っているように思います。
自己満足の何がいけないのか?
とは言え僕は「自己満足」が悪いとは全く思いません。
究極論、この世界のすべて人間の行為は「自己満足」に繋がるものだと個人的に思っています。
こんな事言うと怒られるかもしれませんが、それこそ仏陀やキリストですら、です。
でも、彼らの自己満足はこの現実世界を変革した。
自己満足には、それだけの力があります。
だから「自己満足」そのものは全く問題ない。僕はそう思っています。
問題なのは、その自己満足が「浅い」という事。
だから「自分だけ」が楽しく、他者は楽しくないという状況になる。
その結果、商売という側面で苦しくなってしまう、という訳です。
これでは「ワクワク」というより、禍いで苦しむ、つまり
「禍苦禍苦」
という状態になってしまいかねません(苦しい当て字でごめんなさい)
脱「禍苦禍苦」
自分がワクワクしているだけだから、つまり「浅い自己満足」に陥っているから、うまくいかずに「禍苦禍苦」してしまう。
であれば、逆も然り。
自分も他者もワクワクできれば、その結果も変わってくるという事です。
ではそのために、どうすればいいのか?
第一歩として僕がお伝えしているのが
もっともっと、もっと「自己満足を深める」
「もっと好きを、ワクワクを追求する」
という事。
つまりあなたが好きだったりワクワクする対象、それに対する知識や意識や視野をより広く、より深いものにしましょう、という事です。
実際に、こんな事例があります。
ある鞄職人さん(仮にAさんとします)のお話です。
ある鞄職人の「ワクワク」の変化
技術もある、経験もある。
なのにあまり売上が上がっていない。
そんな状況のAさん。
彼女の話を掘り下げていくと、鞄を作りあげる事がとにかく好きで、その他はあまり意識していない、との事。
いいものを作ってはいる。
しかしその良さを理解していただけていない。いや、理解していただこうとしていない。
そりゃあ、売上が上がらないのは当たり前。
まさに、典型的な「自分が好きなだけ、ワクワクしているだけ」という状態だったのです。
そんな彼女に僕が提案した事こそ、先ほどお伝えした
「好き・ワクワクの追求」
というものでした。
具体的には、鞄の制作行程やその際に意識している事を具に拾い上げていきました。
何を考えて、何をしているのか。
それによって、制作した鞄の見せ方や、バイヤーさんやお客様に伝えるトークを大幅に変えました。
その結果、コンサルした3ヶ月で彼女の売上は1.5倍以上になったのです。
めでたし、めでたし。
・・・と言いたい所なのですが、面白いのはここからです。
「浅い自己満足、浅いワクワク」をより追求した事によって、本人の職人としての意識が、そして技術が今まで以上に高まり、より質の高い鞄を制作できるようになったのです。
「職人としての熱意がより高まり、そしてアイディアが今まで以上に湧いてくるようになりました」
(Aさんから頂いたメールから抜粋)
そしてその結果、鞄の単価も、さらには売上も利益もアップしたとの事。
更にはセールスパートナーも見つかったそうで、うまくやればさらに事業は広がっていくでしょう。
「自己満足」をより追求する事で、こんな変化が起こったんです。面白いですよね。
とは言え、ブランドコンセプトをきちんと作り、それに沿って生きていけば、このAさんのような事はある意味当然の事なんですよ。
好き・ワクワクが生み出す、ブランドの「力」
自分がやるべき事で他人を喜ばせ、互いに喜び合い、豊かになる。
ブランドとは本来、そういうものです。
「互いに喜び合う事」
これこそが重要な事なんです。
だから商品やサービスを買ってもらえるし、ファンになってもらえるし、商売は成長し続ける。
お客様の喜びも、あなたの充実感もモチベーションも続いていく。
それが「ブランドの力」というものです。
そしてその「力」は、誰であっても伸ばす事ができます。
そのためにも自己満足、大いに結構です。どんどんワクワクして下さい。どんどん好きなものに取り組んでみて下さい。
ただ「浅い自己満足」「自分の好き・ワクワクだけ」では、他人を喜ばせる事はできません。
(もちろん、最初の第一歩としてはいいんですよ。そのままでは問題が出てくる、という事です)
そうなれば、自分自身も喜べなくなります。
そんなの、みんな悲しいじゃないですか。
だからこそ、あなたのその「自己満足」を、「好き・ワクワク」をもっと追求していってほしい。
あなた自身も、周りの人も喜べるように、もっと追求していってほしい。
それがあなたの世界が変わる第一歩です。
阿部 龍太
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