大相撲と商売に共通する「ほんとうの強さ」〜「いのちの言葉」〜

「ブランドデザイン」科

偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」

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【新コーナー】偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」 〜「情熱が持てない」というあなたへ 〜
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さて、今回あなたにお伝えしたい「いのちの言葉」はこちらです。

 

アナタこそ…

俺にとって…

”強さ”そのものなのだから…

 

松明洋一(『鮫島、最後の十五日』より)

 

強さとは、力。

強さとは、番付順位。

 

強さこそが全て。

それが大相撲。

 

松明(まつあかり)は過去、そう思っていました。

しかし彼は、それが勘違いである事をほどなくして知る事になります。

 

確かに、力士において力、そして番付は「強さ」というものの絶対的な証。

それは誰もが納得するものでしょう。

 

しかし「強さ」とはそれだけではない。

 

人に軽く見られても、心ない言葉を浴びせられても、言い訳を言う事も無く、毎日毎日稽古に励む。

自分の成績が悪くても決して他人のせいにせず、後輩やファンへ優しく接する。

自分の理想とする相撲を目指して、目の前の取り組み、そして日々の稽古を大切にし、どんなに小さくても前に進む。

 

そういう「強さ」もあるのだと。

そしてその「強さ」こそが、「力士」として重要なのだと彼は気付いたのです。

 

学生横綱として鳴り物入りで入門したものの、なかなか勝てずに焦っていた松明は、この事に気付いてから己を磨き直し、大関と名勝負をするほど成長を遂げました。

 

 

あなたにとっての「強さ」とは?

さて、この「強さ」というもの。

これは何も相撲に限った話ではないと思うのです。

相撲以外のスポーツ、いや、スポーツに限らず商売においても、繋がる話では無いでしょうか。

 

例えば商売における「強さ」とは何か、と聞かれたらやはり

「売上を上げる事・儲ける事」

がひとつの答えなのは間違いないでしょう。

そしてこれは相撲で言う「力・番付」と似たようなものです。

 

ただやはり、それだけが「強さ」ではない。

「売上を上げる事・儲ける事だけ」が「強さ」という訳ではない。

僕はそう思うのです。

 

商売を通じて、社員やスタッフ、お客様や業者さんといった関わる人たちがより善い方向に変化する。そのきっかけを提供する。

ただ売上を上げるだけではなく、関わる人が、そしてこの世界が、少しでもより良いものに変わるような一歩を踏み出す。

こういった事も、商売における「強さ」なのではないかと、個人的には思うのです。

 

「番付」や「勝敗」、「売上」といった「結果」は重要なものです。

でも、それが「全て」ではない。

 

逆に「結果」ばかりを求めてしまうと、目的と手段が混同してしまって、残念なことになりかねない。

先日の記事でも書きましたが、せっかく努力していても、その努力が間違ってしまうと、得たい成果は得られなくなってしまう訳です。

 

そして「間違った努力」の多くは

「重視しているもの、大切にしているものが間違っている」

から生じる場合が少なくありません。

 

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「結果」を大切にする。

相撲やスポーツであれば「勝敗」を大切にする。

商売であれば「売上・利益」を大切にする。

 

そして、そういった「結果」を得るために「プロセス」を大切にする。

相撲やスポーツであれば「日々の練習や生活習慣」を大切にする。

商売であれば「提供する商品やサービス、関わる人たち」を大切にする。

 

「プロセス」を大切にするからこそ、それに見合った「結果」がついてくる。

2015年のラグビー日本代表のように。

スポーツも、商売も、そして人生も、そういうものではないでしょうか。

 

あなたにとっての「強さ」とは何でしょうか?

その「強さ」は何を大切にしたら得られるものでしょうか。

 

機会があれば是非、一度考えてみてください。

 

 

 

最後に、急逝された『鮫島、最後の十五日』の作者、佐藤タカヒロ先生の御冥福をお祈りします。

素晴らしい作品を、ありがとうございました。

 

 

阿部 龍太

 

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