「なかなか狂っている」
「なかなかクレイジーで欲しくなる」
と評判の品があります。
それがこれ。
(クリックすると春華堂さんのオンラインショップに移動します)
リンク先を見ていただければ分かりますが、有名なお土産「うなぎパイ」の箱の包装紙のデザインをそのままスマホケースにしたというものです。
そしてケースには蓋がついており、蓋を開くと中に精巧なうなぎパイの模型が2本入っているのだとか。
是非一度春華堂さんのサイトを見てみてください。
そのバカバカし…いや、高機能っぷりに驚かされますから(笑)
ちなみに冒頭のコメントは、この高機能っぷりに驚かされた人々の心の叫びです。
この「うなぎパイスマホケース」の開発インタビューで、あなたの今後のブランディングに大きく役に立つポイントがありましたので、今回はそれを紹介しようと思います。
クレイジーなブランドが教えてくれる、愛されるブランディングのポイント
「うなぎパイスマホケース」の開発についての取材記事(元記事はこちら)が教えてくれるブランディングのポイント。
それは3つあります。
それは
1.ツッコまれ力を磨く
2.まずは小さく試す
3.自分たちこそ楽しむ
というものです。
以下に説明をしていきましょう。
1.ツッコまれ力を磨く
呼んで字の如く「ツッコまれる力」です。
「反響を得る力」と言ってもいいでしょう。
そういう意味では「ボケ」とは少し違うと思っています。
ボケなくてもいいのです。
相手を善い意味で裏切るクオリティ。
それを提供するこだわり。
それがこの「ツッコまれ力」の源にあるものです。
うなぎパイの箱のスマホケースならまだ分かりますが、蓋を開けるとうなぎパイが入ってるとか、とりあえずツッコまざるを得ないでしょう(笑)
実際にこのスマホケースを紹介したとある方のツイート(別に芸能人や著名人では無い方です)が2万リツイートされたそうです。
反響の大きさがよく分かります。
ただ、ひとつ気をつけて欲しいのですが、別に「笑いを取る」必要はないのです。
笑いを取れなくても、何か相手にポジティブな変化のきっかけを与えられたらそれでいいのです。
いつも言っている通りです。
あなたが持つ価値を磨き上げ、それを提供すればいいのです。
あ、もちろん「価値を磨き上げる」とは、「きちんと伝える事」も含まれていますから、注意してくださいね。
参考記事:あなたがブランドになれない理由と、ブランドになるために絶対に必要な事
2.まずは小さく試す
いくら自信作だとしても、それがイコール、ヒットするとは限りません。
この記事でもお伝えしているように、
「自己規定」と「他者規定」は違うもの
なのですから。
自分がいいと思うものと、相手がいいと思うものは必ずしも同じとは限らないという事です。
参考記事:自民党大敗の理由をブランドデザインの観点で考えてみた。
ならばどうすればいいのか?
そうです。
いきなり大きなリソースを投入するのではなく、まずは小さく試す、という事です。
お金も労力も小さな所から始めて、修正を繰り返しながら大きく育てていく。
テストマーケティングという言葉に言い換えてもいいのかもしれませんね。
インタビューでも
実はもともと販促用として開発したアイテムでしたが、配った先々で評判だったため商品化することに。
今回話題になる以前にも、「うなぎパイファクトリー」に見学客が多く来る春休みに注目を集めていたそうです。
(インタビュー記事より抜粋)
とあります。
つまり最初は売り物ではなく、販促品としてまず小さく試した。
その時点で高評価を得られた事で、販売しても成功する手応えを掴めたという事です。
この「小さく試す」という感覚は、規模が小さい企業やコストをかけられない場合には非常に重要なものです。
使えるコストや時間といったリソースは少ない。
であれば小さく小さく試して、得られたフィードバックをもとに、少しずつ磨いていく。
少し時間はかかりますが、成功率は確実に上がります。
是非試してみてください。
3.自分たちこそ楽しむ
1で「相手にポジティブな変化のきっかけを与える」という話をしましたが、そのための前提として必要なのが、この
自分たちこそ楽しむ
というものです。
誰かを喜ばせたり、楽しませる時には、やはり自分たちのポテンシャルを以下に発揮出来ているか、それが非常に重要なポイントです。
そして、このポテンシャルを発揮するには
楽しむ、集中する
という事が非常に重要な要素となります。
このうなぎパイスマホケースの開発に関しても
「箱を開けるとうなぎパイ」という狂ったギミックを搭載したのはなぜなのか。
(インタビュー記事より抜粋)
という質問に対して
その方が面白いからです。
(インタビュー記事より抜粋)
という回答がありました。
自分たちも面白がりながら開発していた。
それが希有なる「ツッコまれ力」の、大きな反響の一因となったのは間違いないでしょう。
この事例に限らず、多くの人が集まり、笑顔になる企画が産み出された裏には、その企画を作り上げた人達の笑顔があります。
楽しむ。集中する。
それこそが、素晴らしい企画を産み出す土台となるという事は、僕が言うまでもなく、多くの企画の専門家が指摘しているポイントです。
あなたのその企画、楽しんでますか?集中出来てますか?
すべての道は、ブランドに通ず。
以前、とある方にこの話をした所、
「こういうのいいですね!私も地元の特産品をネタにしたグッズを作ってみたい!」
とおっしゃられていました。
別に作りたければ作っていいんです。
でも、この3つのポイントは何もグッズだけに関わる話ではありません。
あなたの日常の仕事すべてに応用可能なものです。
・提供出来る価値を磨く(きちんと伝える事も含む)
・小さく試して、フィードバックを得てさらに磨く
・その過程を楽しむ、集中して取り組む
何をするにしても、これらを意識して行動し続ければ、自ずとあなたのブランドにはファンがついてきます。
そのファンが、あなたのブランドを強固なものにしてくれます。
あなたが行う全ての行動が、全ての思考が、あなたのブランドに繋がります。
お客様の前でだけ、偉そうにしててもダメなのです。
そんな薄っぺらい「金メッキ」はすぐにはがれてしまいます。
金メッキをかけるのではなく、どうせなら黄金になってください。
本来のあなたは、この世界を輝かせる黄金以上の存在なのですから。
阿部 龍太
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