より強い「ファン」の力を得るために。〜ファン作りのポイント(その2)〜

「ブランドデザイン」科

商売で成功するために、今の時代に非常に重要と言えるであろう

 

「ファン作り」

 

このファン作りにおける「3つのパターン」

前回はその1つめについて、お伝えしました。

 

「ファン作り」で失敗する人は、ここが抜けている事が多い。
「ビジネスで成功するためには、あなたのファンを作る事が重要です!」 …なんて事が、巷では良く言われています。 これ、あなたはどう思いますか? ちなみに僕は個人的には賛成です。 「ブランド」をデ...

 

今回はその続き。

パターン「その2」について、基礎となる部分をざっくりとお伝えします。

 

 

2.商品やサービスを提供している組織のファン

この「組織」とは、簡単に言えば

 

あなたの会社

 

あなたのお店

 

というものです。

 

つまり、

 

「あなたの会社やお店のファンになってもらう」

 

という事。

 

もしそれが実現できれば、提供している商品やサービスに関わらず、あなたのお店に来てくれたり、購入の際の選択肢としてあなたの会社を憶えておいてくれるようになる訳です。

 

そして世間一般でよく言われている「ブランド」とは、これを指す事が多いようです。

 

例えば、ハーレー好きな人からしたら、バイクはハーレーだけです。

「バイクに乗りたいな」と思ったら、まずハーレーが頭の中に思い浮かびます。

 

ハーレーのバイクだけではなく、ロゴやお店の様子、グッズ等々・・・

色々なものが思い浮かびます。

 

(ちなみに「思い浮かべる」のではなく「思い浮かぶ」というのがポイントです。この違いはまた別の機会に)

 

このような状態になるのは

 

「ハーレーのバイクが好き」

 

であると同時に

 

「ハーレー・ダビットソン社の事が好き」

 

だからです。

 

もしあなたがバイクに興味がないとしても、この「バイク」と「ハーレー」の部分を、あなたの好きなもの、あなたの好きなブランド名に置き換えて考えていただければ、理解していただけると思います。

 

 

スポーツ好きあるある(笑)

別の例を出します。

 

僕の知人で、ジャイアンツの大ファンの人がいます。

彼は「読売ジャイアンツ」という「チーム」が大好きで、そのため、そのチームに所属している選手の事は、熱の入り具合に差はあれど、皆応援しています。

 

そしてその応援っぷりは、つい昨シーズンまで他のチームにいて、移籍してきた選手に対しても同じです。

つい1年ほど前は対戦相手のチームの選手で、ヤジを飛ばす対象だったのに、移籍してきた今はそ知らぬ顔で応援している訳です。

 

嗚呼、何て勝手なファン心境(笑)

 

とは言えこの心境、野球やサッカー等、スポーツ好きの人ならば、分かっていただけるのではないでしょうか。

「チーム」という「組織」、ある種の「枠」の中に入ったものは、すべて応援の対象になるという事です。

 

という事はもちろん、その「逆」も有り得る訳です。

 

 

「坊主憎けりゃ袈裟まで」

つまり、何らかの理由でその「組織」に対して悪いイメージを持ってしまうと、その「組織」という「枠」に入っているすべての存在が応援どころか嫌悪の対象になってしまいかねない、という事です。

 

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」

(何かを憎む気持ちが強くなると、それに関わるすべてのものが憎くなる事)

 

という諺がありますが、まさにそういう状況になってしまうという訳です。

 

少し話がそれますが、これは

 

「一般化」

 

というものであり、これが強くなりすぎると人間として恥じるべき非常によろしくない事が起こりうるものです。

 

「アメリカ人は〜だ」

「中国人は〜だ」

「日本人は〜だ」

「男は〜だ」

「女は〜だ」

・・・

 

といった「一般化」が強くなりすぎると、人間の尊厳を殺す恐ろしい病となってしまいます。

 

そしてこの病が進行すると、あっという間に「人間」が「ケモノ」になってしまう。

思考停止が起こり、感情のままに動く「ケモノ」になってしまう。

 

「人間」があっさり「人間を辞めてしまう」そういう事が起こりうるのです。

 

いつか機会があればお伝えしますが、この「一般化」が原因の一つとなって、ここ数十年で百万人を越える人が殺されている現状があります。

(興味がある人は現代の戦争史を調べてみてください)

 

とにかく、これを読んでいるあなたは是非、この「一般化」という思考停止に陥らない事をお勧めします。

 

・・・話を戻します。

 

例えば、先日、某自動車メーカーで、ある偽装問題が起きました。

その後、そのメーカーのショールームで、その問題についてスタッフさんに文句を言っている人がいたのです。

 

偽装をしたのは確かにそのメーカーのとある社員です。

では、そのメーカーのショールームのスタッフさんも同罪なのでしょうか?

 

冷静に考えれば、そんな訳がありませんよね?

でも、お客様から見たら、そこが一緒になってしまう事が多いのです。

 

ある部署の人間が起こした事件。

お客様が接しているのは別の部署(ショールーム)の人。

でもお客様からしたら同じ企業。

 

残念ながら、これは見逃せない事実です。

商売をしている人は、この点を忘れるべきではないでしょう。

この点を軽視し、ケアを怠ると、最初は小さな傷だったとしても、その傷がどんどん広がっていき、最悪の場合、会社自体が立ち直れなくなってしまう事もありますから。

 

 

「ファン作り」2つめのポイントのまとめ

今回の話をまとめると

 

1.「会社」や「お店」という「組織」のファンになってもらえると、商品やサービスに関わらず気にかけてもらえる。応援してもらえる。

 

2.しかし、その「組織」に悪いイメージを持たれると、その組織に属するすべてに対して悪いイメージを持たれる事もある。

 

となる訳です。

 

前回の

「商品やサービスに対するファン」

よりも色々な側面で大きな力を与えてくれるものです。

(その分、構築に労力がかかる側面もあるにはあるのですが)

 

同時に、取り扱いに失敗するとその反動も大きくなるものでもあります。

 

是非きちんと「戦略」と「戦術」を考えてから取り組んでいただきたい。

そうすれば、この「ファン」はあなたに大きな力をくれる存在となるでしょう。

 

 

阿部 龍太

 

 

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