「マネジメントの父」が教えてくれる「ブランディングの超基礎」〜「いのちの言葉」〜

「ブランドデザイン」科

偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」

このコーナーについては「こちら」からどうぞ。

 

【新コーナー】偉大な先人達から学ぶ「いのちの言葉」 〜「情熱が持てない」というあなたへ 〜
「人の身体は、食べたものでできている」 とよく言われます。 間違いとは言いません。 でも僕は、これには100%同意できない。 「人はパンのみにて生くる者にあらず。 神の口から出る一つ一つの言...

 

さて、今回あなたにお伝えしたい「いのちの言葉」はこちらです。

 

「何によって憶えられたいか」

(ピーター・ドラッカー)

 

有名すぎる言葉ですので、ご存知の方も多いと思います。

 

ドラッカーの著書『非営利組織の経営』

1990年の著作ですが、2018年の今でも通用するものが記されています。

 

この本の中で、彼はこう記しています。

 

私が13歳のとき、宗教の先生が

『何によって憶えられたいかね』

と聞いた。

 

誰も答えられなかった。

 

すると

『答えられると思って聞いたわけではない。でも50になっても答えられなければ、人生を無駄に過ごしたことになるよ』

といった。

 

(中略)

 

今日でも私は、いつもこの問い

『何によって憶えられたいか』

を自らに問いかけている。

 

これは、自己刷新を促す問いである。

自分自身を若干違う人間として、しかし、なりうる人間として見るよう仕向けてくれる問いである。

 

(『非営利組織の経営』より抜粋)

 

これは、僕がクライアントさんにお伝えしているブランド論にも当てはまる概念です。

僕は彼の言葉を借りて

 

「自分は、誰にとって、どのような存在でありたいか」

 

という質問を、ブランディングの柱の一つにしています。

 

 

今の時代、彼の言葉をもう一度考えるべき理由

まあ、ここまでならドラッカーを読めば多くの人が考える事でしょう。

別に目新しいものではありません。

 

僕が今回、この言葉を取り上げた理由は、彼の

 

「これは、自己刷新を促す問いである」

 

という部分にあります。

 

「自己刷新」

つまり

 

「自分自身を新しいものに変化させていく」

 

という事。

 

個人的な見地ではありますが、この「自己刷新」が重要なキーワードになるものです。

つまり

 

「自分は、何によって憶えられたいか?」と考えるだけでは不十分だ。

 

という事になります。

 

「自分は、何によって憶えられたいか?」と考え、そのイメージに今の自分を近づけるという「自己刷新」をし続ける。

 

このふたつのセット。

これこそがドラッカーが僕たちに伝えてくれている事だと(あくまでも個人的に)思う訳です。

 

政治家が己の保身ばかりを考え、

大企業が不正を犯し、

学校が生徒を守らない。

 

当たり前の事が当たり前にできなくなっている。

そんな時代に学ぶべき事。

 

そのひとつがこの

 

「何によって憶えられたいか」という問い

×

「自己刷新」の継続

 

という事だと思うのです。

 

 

これこそが「真のブランディング」

この二つのセットこそが僕が「ブランディング」で伝えるべきと考えている点です。

 

「ブランディング」と言うと、多くの人は

「有名になる」

とか

「楽に売上を上げる」

みたいなイメージを持ちがちです。

そういう事を謳っているコンサルタントの方もおられます。

 

もちろん、これらを間違いだと言うつもりはありません。

 

でも、これらは「ブランディング」の極々、極一部のもの。

これだけが「ブランディング」なんて、そんな薄っぺらいものではありません。

 

僕が考える「ブランディング」とはそんなものではなく

 

「何によって憶えられたいか」

つまり

 

「自分は、誰にとって、どのような存在でありたいか」

を考え、そしてその存在として生きる。

 

自身のありたい姿を実践し、それによって他者を喜ばせる人生を送る。

その結果、その人生がより豊かに、より楽しくなる。

 

そういった、ある種の「人生論」を形作る事。

それが本来の「ブランディング」というものなのです。

 

 

「自己刷新」をするために

ちなみに上でも紹介した

「自己刷新」

つまり

「自分を新しいものにする」

という事。

 

これは過去の延長線上で考える必要はありません。

 

自分が誰にどんな事をしたいか。

そのために自分はどんな存在であるべきか。どんな存在でありたいか。

 

過去や今に関係なく、決めていいのです。

 

そして、そういった存在であるために今、何ができるかを考え、一歩一歩、進んでいく。

少しずつ少しずつ、自分を磨き、変化させていく。

 

それがドラッカーが伝えてくれる「自己刷新」というものであり、そしてそれが「ブランディング」というものに繋がると僕は考えています。

 

もう一度言います。

過去や今は関係ありません。

 

自分が誰にどんな事をしたいか。

そのために自分はどんな存在であるべきか。どんな存在でありたいか。

 

自由に考えていいのです。

今日、いや今こそ、あなたの「自己刷新」の始まりなのです。

 

是非一度、考えてみてください。

 

さあ、あなたは、何によって憶えられたいですか?

誰にとって、どのような存在でありたいですか?

 

 

阿部 龍太

 

 

コメント