ファンが集まるブランドが持つ「信用の法則」

「ブランドデザイン」科
ブランドにおける信用の構造(要素)

「ブランドをきちんと構築するためには信用が命。

そして、信用を得るためには「価値」を提供する事が大切だ。

 

以前の記事でそんな話をしました。

 

【参考記事】

・あなたがブランドになれない理由と、ブランドになるために絶対必要な事

・世界最強のブランドが教えてくれる「人気者になるための道」

・「人気があれば売れる」という誤解

 

ここで出てくる

 

「信用」

 

 

「価値」

 

という言葉。

 

そもそもこれらはどういうものなのか?

 

それが分からなければ価値を提供する事も、信用を得る事も難しいですよね。

ですので今日はこれらのうち「信用」の話をしようと思います。

 

 

「信用」は何で出来ているのか?

結論からいきますと、「信用」とは2つの要素で構成されている、僕はそう考えています。

それは

 

・尊敬度

・共感度

 

というものです。

簡単に図にして表すと、こんな感じです。

 

 

図でも書かれているように、

「尊敬度」とは、その人や商品が

 

・役に立つかどうか

・優れているかどうか

 

で決まる指標です。

 

そして「共感度」とは、その人や商品が

 

・親しまれているかどうか

・好かれているかどうか

 

で決まる指標です。

 

このふたつの指標で分けられたA〜Dの4つの要素について、これから説明していきます。

 

 

尊敬と共感のエトセトラ

「尊敬度」と「共感度」によってつくられる4つの要素。

これらに名前を付けるとするなら、こんな感じです。

 

「信用」を構成する4つの要素

 

A:カリスマ

B:友達

C:孤高

D:スタートライン

 

これらの要素をひとつずつ説明していきましょう。

 

 

最高到達点「カリスマ」

人の役に立ち、そして親しまれ、愛されている。

ブランドのひとつの到達点と言っても過言ではありません。

 

このレベルになると、マーケティングがほとんど不要になります。

 

「新製品が出ました」

「イベントやります」

 

と言うだけで人が集まる、すぐに売れる。

そういう状態です。

 

道程は遠いかもしれないけれど、個人的には是非あなたにはここを目指していただきたいと思っています。

 

 

気持ちはいいけど…「友達」

「信用」を構成する4つの要素

 

親しまれている、愛されている。

でも特に役立っている訳ではない。

そういう状態です。

 

人はまあまあ集まる。でもビジネスにはなかなか繋がらない。

そういうコミュニティ「もどき」が少なくありませんが、話を聞いてみるとその企画や商品、もしくは提供している人や会社がこのエリアにいるからという場合が少なくありません。

 

例えば、あなたが病気で手術をしなくてはいけないとして

 

A:医療技術は最高。でも性格最悪

B:人間性は最高。でも手術経験ゼロ

 

という二人のお医者さんがいたら、どちらに依頼するでしょうか?

病状にもよるでしょうが、恐らくほとんどの方がAを選ぶと思います。

そういう意味では、ビジネスモデルや業種によっては、親しみを持たれている「だけ」、つまり「単なる友達」を増やすだけでは足りない部分もあるのです。

 

そしてもうひとつ。

少し細かい話になりますが、この「友達」という存在は、時にあなたの足を引っ張る存在になり得ます。

 

僕の言う「ブランド」とは

 

「あなたの理想の世界を実現するためのもの」

 

であり、その意味でのお客様とは

 

あなたと共に歩む「仲間」

 

というものです。

 

ですから、この基礎部分がきちんと共有されていない、

 

なあなあの関係のただの「お友達」

 

では「ブランド」は形にはなりません。

最悪の場合、プロジェクトや会社そのものが無くなってしまいます。

 

この

仲間

お友達

の区別をきちんとつける。

これが絶対に必要な事です。

 

ブランドのデザインとは「関係性のデザイン」でもあります。

是非ともここを考えて欲しい。

この部分を疎かにしてしまった結果、壊れてしまうコミュニティは少なくありません。

これはビジネスに限らず、スポーツやそれこそ国家戦略の分野でも根本は同じ事です。

 

共感を築き上げるのは簡単ではありません。

だからこそ、きちんとした方法をとれば、この「共感」というものは、ビジネスに活かす事が出来る立派な才能となり得ます。

もしあなたがこのエリアにいるのであれば、是非きちんと活用してくださいね。

 

 

凄いんだけど…「孤高」

「信用」を構成する4つの要素

 

とても役に立つ、尊敬されている。

でもあまり好かれていない。共感されていない。

そんな状態です。

 

専門性が高い

性能が高い

味が良い

技術力が高い

 

・・・

 

といった価値を提供します。

・・・と言うともう勘の良い方は気付いているかもしれませんが、この要素「だけ」で勝負する事は

 

真似をされやすい

 

というポイントがある訳です。

 

いくら高機能の商品を開発しても、その「機能性」は他社にすぐ真似され、その一点のみで独自性を保つ事は簡単ではありません。

日本の製造業が今どういう事になっているか、少し周りを見てみればこの事を少しは理解してもらえると思います。

 

いい商品を作っている。なのに売れない。

なぜなのでしょうか?

 

それは「尊敬度」ばかりを追求した結果であり、「仲間」を作る事を疎かにしていた結果と言えます。

能力や機能性や値段の安さといった部分、つまり「尊敬度」だけでは「ブランド」にはなる事は不可能とは言いませんが、非常に困難な事なのです。

すぐに、真似をされるから。

 

どうすれば真似をされないのか?

尊敬度と共感度の双方を高める事です。

例えば、バルミューダやスノーピーク等は、商品そのものの質の高さで有名なブランドです。

商品そのものの質が高い、という事は一見「尊敬度」が強いように見えるかもしれません。

しかし、その根底にはこの「尊敬度」だけではなく「共感度」も意識されているのだと僕は考えます。

理想の世界を共有し、そこに向かって共に歩んでいく、そういった「ストーリー」が意識されていると思うのです。

 

あなたの持つその資質や能力の「質の高さ」は本当に素晴らしいものです。

それはそのまま磨きつつ、是非「共感度」も少しずつでもいいので磨いていってください。

 

 

最後に。誰もがここから!「スタートライン」

「信用」を構成する4つの要素

 

「尊敬度」も「共感度」も低い状態。

そう、説明するまでもありません。

誰もがここからのスタートです。

 

上で例に挙げたバルミューダもスノーピークも、それこそ仏陀やキリストもここからのスタートでした。

だからあなたも、彼らのような尊敬と共感を得る事だって不可能ではありません。

あなたの持つ素晴らしさを磨き、それをきちんと伝える。

是非とも一歩一歩、歩んでいってください。

そのための方法を僕もお伝えしていきます。

 

応援していますよ。

 

 

阿部 龍太

 

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